グーグル、NASAと宇宙関連で共同研究・開発 (NIKKEI NET)
インターネット検索サービス最大手グーグルは28日、米航空宇宙局(NASA)との間で、宇宙関連の幅広い分野で共同研究・開発を行うことで合意したと発表した。
バイオ、スーパーコンピューター、関連産業の事業化などが研究開発の対象。NASAが保有するシリコンバレー(米カリフォルニア州)の敷地内に、グーグルが延べ床面積約9万3000平方メートルに上る研究棟と研究者用住宅を備えた複合施設を建設する。
昨日、ろじゃあさんが宇宙エレベーターの話をしていて、こういうプロジェクトにどうやってファイナンスをつけるんだろうというのがあったので、その意味では何かタイムリーな話題だなあ、と思いつつも、グーグルのビジネス・ジャッジメントとして見たときに、どれだけ合理性があるのかについては、今ひとつわかりにくいところがあります。
Schmidt(GoogleのCEO)のコメントなんかでは、「月面の映像がリアルタイムでネット配信されたら凄いだろう」みたいなことを言っているんですが、それだけなら、契約で映像配信権みたいなものだけ取引すれば済むことだし・・・「Google Earthに続いて、Google MarsやGoogle Moonを立ち上げるんだ」と言われても、しばらくは月面ドライブはしなさそうだし・・・とか、思ってしまうところも。
NASA側の説明はもう少しましで、「NASAは莫大な情報を処理しきれなくなってきていて、GoogleのようなInformation Technologyを持っている会社の助けが必要」といっています・・・ただ、これも、組織内の情報整理技術のノウハウならGoogleなどよりもOracleやSAPの方が持っているんじゃないの?、という疑問が・・・その点を措いたとしても、これはNASAにとってメリットな話で、NASAがGoogleに何かを支払うならともかくとして、実質的には資金的なところは「Google持ち」のようなので、何か不思議。
・・・というわけで、果たしてこれは70年代に石油会社が潤沢なキャッシュフローを持てあましてコングロマリット化に走った歴史の再現なのか?、それとも、いっけんすると誰もが首を傾げるようなビジネスを見事に収益化してきたGoogle一流の第六感の産物なのか?・・・非常に興味深いところです。