何だか色々と今週はばたばたしていて、更新が滞っているんですが、何だか丁度1年前に話題となった論点が、またまた話題となっているようですので、話題の論点について興味のある方へのご参考ということでドリコム自体のものも含めて過去記事をまとめてみます。
- 「ライブドア参戦」のM&A業界へのインパクト (2005/2/8)
- ライブドアのニッポン放送株式は「違法」・・・だなんて、滅相もありません(1) (2005/2/8)
- ライブドアのニッポン放送株式は「違法」・・・だなんて、滅相もありません(2) (2005/2/8)
- ライブドアIRブログにつっこうもかと思ったら・・・ (2005/2/24)
- TOBルール「強化」の証取法改正案ねぇ・・・ (2005/3/8)
- !?-2/3超で強制公開買付け? (2005/12/16)
とりあえず、こうした記事でも触れているように、現行法に照らして違法かどうかということと、そもそも規制自体は合理的かどうかは全く別の話で、ライブドアにしても今回の件にしても、問題は「悪法だからといって守らないでいいということにはならない」という点であって、(私の見方からすると)「悪法」である1/3ルールを更に強化すべき・・・市場内外を問わず1/3以上取得した者には一律にTOB義務を課すべし、というような方向に向かうことがないよう祈るばかりです。
(「コントロール・プレミアムを必ず分配しなくてはならない」という法制の下では、そもそも支配株主(売主)側での支配権を売却するインセンティブが弱まるために、友好的な買収も起きにくくなる可能性があります。また、そもそも支配株主がガバナンスにかけるコストを支配権プレミアムで回収することができないとすれば、支配株主もガバナンスに費用をかけるインセンティブを喪失してしまう(か、他の形でガバナンスのコストを回収しようとする)わけで、買収防衛策嫌いで有名なコロンビアのギルソン教授なんかも、ある程度の支配権プレミアムをとらせることが望ましいといっていたりするわけで)
TOBの最中の市場での株式の買い集めについても余り強く規制しようとすると、対抗ビッドが起きにくくなったり、ホワイトナイトを見つけにくくなることもありますし、裁定取引がしにくくなると商いの厚みがなくなって一般株主の換価手段も限定されてしまうので、規制を強化するにしても、くれぐれもその辺りのバランスを考えて欲しいところです。
ん、なぜ対抗ビットやホワイトナイトが現れにくくなるのか、って?
今回の事案とは明らかに事情が違うんでしょうが、一般的にいうと、後発でビッドに参加する側にとっては、最終的に対抗TOBを開始するにしても、株主や競合相手に対してビッドへの真剣さをコミットしたり、あるいは、最終的に対抗ビッドで敗れた場合に保有株を競合相手に売却することで買収費用の一部を回収するといったことのためには、予め一定程度を市場で買い集めてからTOBに入ることが合理的だったりするからです。
ちなみに、件の事件そのものについては、よく分からないんですが、差し障りがありそうな気もするんで、今後とも触れないと思いますので、あしからず<(_ _)>