職業専門家の不在

ふぉーりんの方では、法律ネタと並んで経済ネタをよく扱っているわけだが、コメント・TBの傾向というのは両者で若干異なるところがあるような気がする。

本当に印象だけなのだが、法律ネタは(ライブドアのような社会ネタになってしまう部分は別として)議論のフレームワークは共有できるし、余りトンデモな意見は出てきにくい、か、出てきても余りにトンデモ過ぎてすぐに分かってしまう。
また、フレームワークの理解と知識のレベルというのは、大体において正比例していて、こちらの提示したフレームワークをきちんと理解してレスポンスしてくれる人は、個々の論点に対する理解や知識を有している。

これに対して経済ネタは、そもそもフレームワーク自体が一致しないことが多く、論理的に整理されていない形でともかく思いつきで勝負しているものが見られる(ような気がする)。あと、言葉の使い回しから知識はあると推察できる場合でもフレームワークの組み方や知識の組み合わせ方が洗練されていない場合もある。

これは、元々の出自が法律系だから読者層の違いがあるからかとも思ったのだが、bewaadさんのところや掲示板なんかを見ていると、そうとばかりは言えない気もする。(もっとも、法律系掲示板のレベルもよく分からないところがあるが)

これは何なんだろうなと、考えていてふと思ったのが、タイトルにあげた職業専門家の不在ということで・・・もちろん、経済学でもエコノミストという職業専門家はいるのだろうけど、弁護士や会計士のような資格をもって勝負する分野とは少し異なっていて、余り決まり事がない。
弁護士や会計士という職業は、まず現実に通用しているルールを「皆が理解するように理解」した上で、更に訴訟における主張や、あるいは財務諸表のように一定の「皆が使っているフォーマット」に載せることが求められる。個人的な意見や主張というのは、あくまでそれらを身につけた後の話でしかない。
これに対して、実務エコノミストというのは、こういう「型」はなく、よくも悪くも百家争鳴なように見える。
で、百家争鳴というのは、学者のように常人のン十倍も勉強で知識を身につけた上でやる分には生産的なのだが、学部レベルの知識の上で百家争鳴の議論をやり出すと収集がつかなくなる。まあ、これは経済学について学部レベルすらきちんとやっていない人間がいう話でもないんだが、法学でも学部レベルの知識をベースに「自説」や「独自体系」を振り回されても、全くお話にならないのと、これは同じ。

ただ、法学については、職業専門家が現に資格として存在し、そのために議論のフレームワークとかいう「型」の部分についても重要視されているし、実際に世間にはこうした共通のフレームワークを身につけた職業専門家がうじゃうじゃといる・・・この辺りが違いなのかなという気もする。

まあ、エコノミストの中でも実務での需要の高い為替とかファイナンスなんかはフレームワークのぶれが少なく見えるというのも、この辺りが原因かなと。で、アメリカでは、産業組織論やミクロ市場構造論についても政策立案や市場分析などで需要が高いんだけど、日本では学者以外の形態でこれを専門にして飯を食っていくのは難しそう・・・というわけで、この辺りになると、ネット上の議論はカオスの様相を呈するのかも知れない。まあ、そんなカオス状況だからこそ、ぼくも平気で経済ネタを実名でさらせるのかも知れないので、よしあしというところではあるんだが。

とりあえず、思いつきということで。 


Posted by 47th : | 12:05 | コメント (0) | トラックバック (0)

 
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