お礼とお詫び

7月7日に帰国して、あっという間にまた渡米の日を迎えてしまいました。
一時帰国中は色々な方々のお心遣いで本当に充実した時間を、幸いにも体調を大きく崩すこともなく過ごすことができました。
一時帰国中にお世話になった方々には、この場を借りて改めてお礼を申し上げたいと思います。
また、予想以上にばたばたとすることとなったために、お声をかけて頂きながらお目にかかることができなかった方や、本来こちらからご挨拶に伺わなければならないのに不義理を働いてしまった方もありました。
その方々へは、この場を借りてお詫びを申し上げたいと思います。
また、一時帰国中は外出がちでブログの更新もままならず、読者の方々にもご迷惑(?)をおかけしたかも知れません。
またNYに戻りましたら、徐々に更新頻度をあげていきたいと思いますので、どうか今後ともご愛顧のほどを宜しくお願いいたします。
それでは、また後ほど!

夢真vs日本技開~ちょっとフォロー

何だか一時帰国中の方がばたばたしていて更新もままならないんですが、とりあえず夢真関係で色々と動きがあったので、ちょっとだけフォローを。

東京地裁決定

まずは、夢真が申し立てていた株式分割の仮差止め申し立てに対して東京地裁が却下決定を出しました。まだ、東京地裁のHPには載っていないようですが・・・個人的な好みでいうと、①不公正発行差止めは株式分割には直接適用も類推適用もないことと、②権限分配秩序違背は取締役会決議無効事由とはならないこと、③「公開買付制度を利用して株式を取得し営業を行う権利」は実体法上の権利ではなく、分割差止め理由ともならないことの3点で決着するところで、今回の株式分割決議が権限分配秩序違背かどうかという傍論部分を長々と論じるという辺りは、ちょっと首を傾げたくなるところです。
仮処分段階で証拠関係も乏しいのですから、そうした実体面に敢えて入らずに、含みを残してもよかったのではないんでしょうか?
今回のように日本技開側の株式分割に権限違背は認められないと積極的に認めてしまったことで、次に述べる新株予約権発行が法廷に持ち込まれたときの判断に微妙な影響を落とすこともありそうな、なさそうな・・・
ところで、夢真が、272条を使わなかったのは、何故なんでしょうね?

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夢真続報~株式分割の仮差止めと金融庁の対応

夢真絡みで備忘録代わりですが、夢真が株式分割の仮差止めを申し立てたようです。

株式分割差止仮処分命令の申立てについて

このプレス・リリース中の申立て理由の骨子は以下の通りです。

本件株式分割は、商法及び証券取引法の趣旨に反するものであるばかりか、現に会社の支配権に争いが生じた段階に至って、何ら理由なく、正当な事業目的に基づく当社の公開買付けを利用した株式取得を妨害することのみを目的として行われるものである。したがって、本件株式分割を決定した取締役会決議は無効である。
そこで、本件取締役会決議の無効確認を求める訴えを準備中であるが、本案の判決を待っていては当社に著しい損害が生じるおそれがあるため、これを避ける目的で株式分割差止仮処分命令の申立てを行うものである。

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契約書は増田ジゴロウを救ったか?

実は、一時帰国前後のドタバタで残っていた宿題というのがいくつかあります。
その一つがamuさんからTBを頂いた増田ジゴロウの話です。
残念ながら、私は増田ジゴロウというキャラクターそのものはよく存じ上げませんし、この紛争の歴史的な経緯もリアルで追っているわけではありません。
amuさんの記事を辿っていくつかのブログに行き当たって経緯など多少見ましたが、それらを見る限りは、今回の事件に限って言えば、法的な争点は著作権の譲渡・許諾に関する合意の有無やその内容に関する事実認定に帰着するような気がします。
というわけで、法廷に行っても争われるのは「言った言わない」という藪の中の世界であって、ブログ界で議論されているような内容が法廷に持ち込まれていくという話で、法律家としてのコメントというのは余りありません。
ただ、私の視点から興味深かったのは、神奈川テレビとジゴロウの作者のダイスケさんとの間には一切契約がなかったということです。
この点について、amuさんは次のようにコメントされています。

そもそも神奈川新聞の記事で、「契約書を交わさないのは放送業界ではよくあること。」とtvkが言っていることが問題であると思います。契約書を交わさないで問題が起きたら首を切る。そんな世界なのでしょうか?弱い者に対してはどこまでも力を誇示し、そしてマスコミの力を利用する。

ニッポン放送の問題の時もそうでしたが、マスコミの体質の問題はかなり根が深そうですね。

では、契約書を最初に交わしていたら、どうなっていたんでしょう?・・・というのが、今回の私の興味関心です。

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夢真のTOB条件公表

しばらく電話から電話線を抜き差しして通信という前時代的ネット環境の実家に帰っていたので、世の動きから取り残されていましたが、ようやく無線LAN環境に復帰してPDFなんかも読めるようになりました。
というわけで、もうご存じの方も多いと思いますが、夢真の公開買付の条件が公表されました(「当社の日本技術開発株式を対象とする公開買付の条件について」参照)。
今朝の日経に公開買付公告も出ていましたが、結局、日本技研の発表した株式分割に対抗するために当初買付価格を株式分割による希釈化後の水準(予定買付価格である550円の5分の1=110円)に設定するという手法が選択されました。
前回のエントリーで、「もうちょっとリスクの少ない方法もある」とか、ちらりとほのめかしたりしたのですが、この買付価格を希釈化後の水準に設定した上で、買収防衛策が解除されたら買付価格を上げるとアナウンスするという手法が「それ」だったわけで、やはり、いくら何でも徒手空拳で正面突破ということを考えていたわけではなかったようです。
また、夢真が7月19日に公表した「日本技術開発の株式分割決議に対する当社の対応について」を見ると、夢真は日本技研の9月の定時株主総会に向けて委任状勧誘も行うということですから、その意味では(実質的な)条件付公開買付を実施して経営権取得に向けてのコミットメントを示しつつ、委任状勧誘で現行経営陣の刷新を図るという、米国では「王道」的な買収戦略と見ることができそうにも思えるのですが・・・一点だけ、非常にイレギュラーな点があります。

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夢真、どうなるんでしょうね?

日本技術開発に対する夢真の買収提案については、新聞でも色々と採り上げられていますし、最近のマスコミの学習効果は凄まじく、問題の所在そのものは割と的確に把握されているようで、フジテレビが最初に事前警告型を入れた4か月前とは隔世の感があります(事前警告型のメカニズムについては、前に書いた記事もご参照ください)。

金融庁の対応は?

マスコミでも報道されているように、ポイントの一つは株式分割が発動された場合に一度かけたTOBを撤回したり、価格の引き下げが認められるかということになるわけです。この点について、夢真は金曜日に金融庁に上申書を提出しました。事前に根回しをしているのであればともかく、そうでなければ数日で照会結果が出るということは通常考えられないのですが、新聞報道によれば、夢真は週明けには公開買付け届出書を提出するということですから、まず、金融庁(直接の窓口は関東財務局ですが)としては、そこでどのような対応をとるかを考えなくてはいけません。
日経新聞にフローチャートが載っていましたが、金融庁としては、①届出書を不受理、②届出書をいったん受理した上で訂正命令、③届出書を受理した上で何ら対応をしないという3つの選択肢があるわけです。これまでの金融庁のスタンスからすると、買付価格の引き下げや買付条件の付与を積極的に肯定するということは難しいと思うのですが、他方で、解釈論として争いが残るところについて、「事前に」金融庁が独自の判断で止めてしまうということにも抵抗がありそうなところです。

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「社長保有株式の無償譲渡」の不思議(その2)

日本駐車場さんが発表した社長保有株式の一般株主への無償譲渡についての話の続きです。
前回の最後に、社長の保有株式比率を下げて、その分一般株主の持分を増やすということが目的なら、何で株式の無償消却をやらないんだろう?ということを言ったのですが、まず、こういう発想が出てくるのは何故かというと、次のような点で無償消却の方が、その目的達成のためには「便利」だからです。

手続きの「簡便さ」

「株式の無償消却」というのは、要するに手持ちの株式の一部をキャンセルしちゃうということなのですが、社長の持っている株式の一部を無償でキャンセルしちゃえば、発行済株式総数が減りますから、結果として、一般株主の持っている持分「割合」が増えることになります。
しかも、一般株主側では何の手続きも要らず、また、会社と社長との間で株式の一部を会社に渡すだけで済むので決済とかの手続費用も不要になるわけで、その意味ではコスト面でも「お得」ということになりそうなところです。
今回のプレスリリースを見ると、譲渡にかかる諸費用は社長さんが負担されるということですけど、「株式の無償消却」を使えば、かなり費用の節約になるはずです。

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「社長保有株式の無償譲渡」の不思議

久しぶりに紙ベースの新聞を読んでいると、確かにネット版にはない情報に面白い話が色々あるもんですね。
今朝の日経の大機小機も面白かったのですが、17面中程の「日本駐車場 社長保有株ただで譲渡」もインパクトがありました。
NIKKEI NETには記事がないようなので、プレスリリースを見てみると・・・現在38.1%を保有している代表取締役社長の保有株式を発行済株式総数の2.5%を上限として既存株主に無償で譲渡するという内容になっています。
どうして、こんなことをやるんだろう?・・・というのが、まず気になるわけですが、プレス・リリースによると以下のようなところが理由のようです。

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「生」磯崎さんと対面

今回の一時帰国の楽しみの一つがブログを通じて知己を得た方とお会いすることなのですが、先日、念願の磯崎さんとの対面が叶いました(^_^)v
スキンヘッドでそちらの筋の方にも見えるという話を聞いて、勝手に妄想をふくらませていたのですが、想像していたよりも、ずっと柔らかな風貌と物腰でした。
ただ、お話の中で時折見せる鋭い眼光の中にisologueの切れ味の源泉を見たような気がしました。
それにしても楽しくて、生磯崎さんを見た興奮と、一人で日本酒を飲んでいたせいもあって、調子にのってしゃべり過ぎてしまったようで、磯崎さんには「その買収防衛策の謎がついに明らかに!」とセンセーショナルに煽っていただいたのですが、いや、実はそんな大したことないんです。本当に。
どこぞの私の上司も各方面で「隠し玉」があるかのように仰っているので、なんか風呂敷広げすぎの感があるんですが、これ以上引っ張ると逆に大変そうなので、さすがにそろそろ何かの形にはしようと思っています。
ところで、磯崎さんとのお話で盛り上がった、もう一つの話が、やはり社外取締役論で、ちょうどタイムリーに久々に紙ベースの日経を読んでいたら、大機小機に社外取締役の話が・・・で、「えっ?これは・・・」と思っていたら、磯崎さんが的確なつっこみを。
本場米国でも社外取締役が本当に機能しているかどうかは疑わしいところですが、人間である以上不可避的に向き合わなくてはいけない「弱さ」とか「過ち」が自分の中にもあることを率直に認めた上で、少しでもその問題を解決するべく努力することや、その意識を持ち続けることはとても大切なわけです。
「人の意見を求めるようになったら経営者としての旬を過ぎている」というのは、やっぱり?で、本当に自信を持っている経営者というのは、自分に対する正面からの批判を自らの糧にできるんじゃないかと思います。
それに社外取締役側の人材としても、磯崎さんのような鋭い目線を持った方が現れてきていますし、その経験とか考え方がブログを通じて広く発信されているわけですし^^、こうやって(借り物ではない)「日本の」社外取締役の実務というのがつくられていくんじゃないでしょうか。

・・・というわけで、脱線しましたが、磯崎さんとのお食事は本当に楽しく、あっという間に終わってしまいました。
社会的影響とかいった難しい話はよく分かりませんが、個人的なレベルで言えば、ブログを通じて、こうしたお付き合いの幅が広がるというのは、本当に大きいなという気がした夜でした^^

ごぶさたしました

ごぶさたしていました。
一時帰国直前のばたばたの中で更新しないまま帰国したのですが、帰国先でネット環境が整うのに多少手間取ってしまい、気がつくと更新をだいぶ怠ってしまいました。
それにしても久々に日本に帰ると、梅雨ということもあるんでしょうが、この湿度はこたえます。よくプロ野球で外国人選手が梅雨になじめずに体調を壊すという話を聞きま。昔は「そんなん言い訳や」と思ってましたが、確かにこれは結構大変かもしれないと改めて思ってしまいました。
そうやって更新を怠っている間にも世の中ではいろいろなことが起きているようです。とっととeliminateされたNYを尻目にロンドンがオリンピック開催地に選ばれ、喚起に沸く瞬間の生放送を見てJFKに向かったと思ったら、日本で最初に目にしたニュースが黒煙をあげるロンドンの地下鉄とふっとんだダブルデッカー…無辜の市民を犠牲にするテロというのは、本当に悲惨で怒りを覚えます。
・・・ただ、こうしたテロのニュースに触れるとき、大量破壊兵器の証拠がなかったにもかかわらず、一般市民を巻き込む空爆がなされ、今もなお平穏な暮らしを取り戻すことができないイラクの現状に対しても同じぐらいの怒りを覚えることができなければ、世界に横たわる相互理解の溝は埋まることはないのかも知れないという気もします・・・テロを防止し、テロ組織を厳正に処罰することは重要ですけど、「自由への敵」と一蹴するだけでは、テロはなくならないような気がします。これも統計をとってみたいところですが、直感的には9・11以降、テロ対策に費やすコストは飛躍的に伸びているのに、テロの発生件数や被害者は減っていない、むしろ、逆に増えているのではないかという気もします。もし、そうだとすれば、少なくとも単にコストを費やすだけの「テロ対策」にテロ抑止の効果はないということにもなるかも知れないわけで、本質的なテロ抑止のためのレジームが求められるはずですよね。発展途上国の貧困の解消という、今回のG8の方向性は、そうしたパラダイム転換なのかも知れませんが・・・本当に経済的な要因がテロの下地なのかと言われると・・・それならアフリカがテロ組織のメッカでないといけないはずですが、何だかこのパラダイムもどの程度根拠のあるものなのか、ちょっと疑わしい気もするところです。
・・・というわけで、いきなりちょっと重い話になってしまいましたが、他にも一時帰国でいろいろと思うところもあるので、ぼちぼち更新を再開していこうと思います。
みなさま、引き続き宜しくお願いいたします。

 
法律・経済・時事ネタに関する「思いつき」を書き留めたものです。
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