会社法現代化の大功と微罪

新会社法における定款自治の限界?について、葉玉さんからコメントをいただきました。
・・・やっぱり、ご覧になってるよなぁ・・・葉玉さんだけじゃないよなぁ・・・と思っても、あとの祭りなんですがorz
まあ、思っていることは思っていることだし、隠してもしょうがないからとは思いつつ、ふと、葉玉さんのコメントの次の部分を読んだ後に自分のエントリーを読み直すと、確かにトーンがネガティブに過ぎるような気がしてきました。

私達の感覚では、定款自治の範囲が現在より広がりこそすれ、狭まっているとは思えないのです。
もちろん会社法は強行法規が多いですけど、商法だって強行法規は多いですし。

これは、仰るとおりです。
この前のエントリーだけを読むと、会社法現代化は、まるで規制強化をはかったみたいですが、そういうことではありません。
ガバナンス構造の選択の幅やファイナンス手法の柔軟性は旧商法に比べて飛躍的に広がっています。
組織再編部分の整理・柔軟化や種類株式制度、会社財産分配制度の合理化といった目立ちやすいところ以外でも、資本制度のあり方や計算関係規定の考え方なども非常に考え抜かれていますし、個人的には要綱レベルでの提案のほとんどについては合理的だと思っていました。
その意味で会社法現代化の「功」は、計り知れません。
ただ、そのことと新会社法に不満を持たないということはイコールではありません。
どんな商品でも全体的に満足していても、どこか細かいところでは不満が残るものです。また、そうしたユーザーの不満が商品の改良につながるのではないかと思います。
というわけで、この際、一ユーザーの不満を述べさせていただくと・・・・条文数が多い、とか、条文の体裁が取締役会非設置会社を原則として書いているので直感的に読みづらい、とか、しばしば旧商法であったはずの条文がどこに飛ばされたのか見失うことがある、とか・・・まあ、これは愚痴です。勉強します。はい。
そういうユーザーサイドの怠惰さに起因する不便さは措いておいて、本当に気になっているのは、条文相互間の関係を徹底的につめ、条文の意味をできるだけ明確化しようとする超人的な作業の中で、会社法の基本的な原理で要綱段階では議論されなかった部分についても一定の立場を織り込んでしまった(あるいは、そういう具合に読めてしまう)部分があるところです。
前に少し触れた株主平等原則を明文化した109条や今回の定款規定に関する29条などは、そうした観点で気になっています。旧商法の下で解釈に委ねられていた部分について条文ができること、あるいは、立法担当者が一定の解釈をとられることは、実務的には大きな影響を及ぼす可能性はあるように思われます。ただ、そうした個別の条文の解釈論において生まれるリスクと、全体の会社法現代化というプロジェクトのもたらすベネフィットでは、全く比べものになりません。
・・・というわけで、会社法の個別の条文の解釈についていろいろと愚痴をこぼすとしても、それと旧商法の方がよかったかというのは全く別の話だということは、ご理解いただけると幸いです。

結局、レジ袋有料化ですか?

中環審、レジ袋有料化で合意・容リ法見直し最終報告へ審議 (NIKKEI NET)

中央環境審議会(環境相の諮問機関)は28日、ペットボトルなど容器包装ごみの再利用を促す容器包装リサイクル法の見直しについてまとめた最終報告書案を審議し、レジ袋の有料化は「法的措置も含めて検討」することで合意した。

このレジ袋有料化については、前に「レジ袋「禁止」案の「?」」と「「規制」を待ち望む人々」で扱ったのですが、結局、有料化の方向で進むようです。
審議過程を見ていませんが、こうした規制のもたらす副作用については十分に検討されたのか・・・何だか憂鬱です。
関係あるような関係ないような話として、最近アメリカでは、子供の肥満の原因をアニメキャラクターを使ったファストフードやスナックの広告手法にあるとして、この広告を規制しようという動きがあります。
これについて、ちょっと前にThe Becker=Posner Blogでこてんぱんに叩かれていました。アメリカでは、ある政策が公表されると、データをふまえた評価がタイムリーになされるところで、何か違いを感じてしまうわけです。

新会社法における定款自治の限界?

いとう先生のところで、新会社法における「定款自治」の限界について非常に興味深い考察がされています。

きっかけは営業譲渡における「重要な一部」に関する規定(467条1項2号)の解釈ですが、そこから話が発展して、新会社法29条の解釈について議論がなされています。
問題なのは、定款に記載できる事項のひとつである「その他の事項でこの法律の規定に違反しないもの」の部分で法務省の担当者の論稿によれば、これは「法律とは無関係に定款で一定の事項を定めるもの(たとえば事業年度の定め)を意味する」とされているようです。
これについて、いとう先生が次のように批判されています。

しかし、そのような理解には疑問がある。理由は単純で、そのような理解に立てば、新会社法29条は、新会社法の規定は明示的に条文に示されていない限りすべて強行規定だと定めていることになってしまうからだ。そうではなく、新会社法の規定が強行規定かどうか、各規定についてどの程度の定款による逸脱が許容されるかは、あくまで各規定の趣旨にもとづいて検討すべき問題であり、また、各規定についての解釈は、可変的なものだと考えるべきであろう。新会社法29 条は、すべての株式会社に、つまりは閉鎖会社や、その中でも有限会社型の会社にも適用される規定なのだから、この規定の意味を法務省の役人の解説のように解することはどう考えてもおかしい。

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証券取引と民法95条適用の可否(3)

前回は、次のような事例について錯誤無効の適用を認めるのかどうかということを問題提起してみました。

Case 2
一般投資家のXは、有料配信の速報ニュースで"TCI"に対するSECの調査が入ったことを知り、即座に手許に保有していたTele- Communication Inc.の株式の売却を証券会社Aに委託した。その際XはAの担当者aに対して「"TCI"にSECの調査が入ったという話を聞いた。なので、Tele- Communication Inc.を早めに処分したい」と伝えてた。その直前にAの自己売買部門のディーラーbは、たまたま同じニュースを知り、過去の経験から誤解をする投資家が出ることを予想し、ブローカー部門の担当者全員にTele-Communication Inc株式の売却注文が入った場合には注文を取り次ぐ前に自分に知らせるように指示をしていた。aは、そのニュースの存在を知らなかったが、bからの指示に従ってXがTele-Communication Inc株式の大口売却をしようとしていることを連絡した。その際に、Xが注文の際に話した売却の理由についてもbに伝えていた。bは、Xの売り注文と合わせる形で買い注文を出し、最終的にXとAとの間で取引が成立した。その後、Xは"TCI"がTranscontinental Realty Investor. Inc.の証券コードであることを知った。

前回UPした後で「証券会社が客の不利なことをやったら、それには反感がありそうだよな」と思ったので、ちょっとパターンを変えてみて、単なる友達のYさんが取引相手だった場合なんて、どうでしょう?

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アメリカにおける略奪的価格設定に関する最高裁判例(の裏話)

ちょっと前の話になりますが、昨年研修で勤務していた事務所(Weil, Gotshal & Manges LLP)のパートナーのホームパーティーに呼ばれました。
場所はUpper Eastというマンハッタンの高級住宅街で、窓からはセントラルパークが一望できるナイスなマンションの高層階で、改めてアメリカの法律事務所のパートナーの財力を感じたりしたわけですが・・・そんなことはどうでもよくて、私のお世話になっていたそのパートナーは反トラスト法の専門家で、何か去年はどっかで「最も優秀な反トラスト法弁護士」に選ばれたようです。
というわけで大弁護士のはずなんですが、普通に話していると、ただの口の悪いおっさんにしか見えません。でも、たまーーーに「おおっ」ということを口にしたりします。
実は反トラスト法を勉強していると必ずお目にかかる事件のひとつにMatsushita v. Zenithという判例があります。これは、アメリカのテレビメーカーが日本のテレビメーカーを安売りしているということで訴えた事件で、その後の略奪的価格による独占化に関するリーディング・ケースになっています。
このときは連邦最高裁で5対4の僅差で日本企業側に勝訴判決が出ているのですが、松下の代理人をやっていたのが、このパートナー。ということで、ちょっと疑問に思っていたことについて話をふってみたら20年近く前の事件なのに、事案や論点を明確に覚えているんでさすがと思っていたのですが、彼が非常に嬉しそうに話してくれたのが、次の話でした(ああ、長い前振りだった・・・)

あの事件は結局最高裁判事の投票が5-4で分かれて、僅差で勝ったわけだけど、実は、あのときの弁論で一人の判事が、ずーっと下を向いて目をつぶっていて、まるで眠っているようだった。彼は、確か元々人権や労働事件なんかを扱っていた人でこの事件に全く興味を覚えていないように見えたんだよ。
ところが、原告側(Zenith側)の代理人の弁論の時に、突然目をあけて「ちょっといいかな」と質問を始めた。
原告代理人もびっくりしていたんだが、彼は一つだけ「価格が下がることは消費者にとってはいいことなんじゃないのかね?」と訊いたんだ。
原告代理人は、一瞬つまったあと、「いや、それはそうなんですが、とはいっても・・・」と彼らの理屈を説明しようとしたんだが、判事は「わかった」と言って手をふって、その後はまたずっと目をつぶって下を向いて腕組みしていた。
結局、それで5-4だろう。歴史なんてのは、そんなことで決まるもんなんだよ。がっはっはは。

証券取引と民法95条適用の可否(2)

前回から少し間があきましたが、ぼちぼち続きを。(例のごとく、民法についは記憶が頼りなんで、変なところがあればご教示をお願いしたく)

「適用」≠「無効」

これまでにいただいたコメントや他のブログの論調を拝見していると、証券取引に民法の意思表示の規定が適用になると証券取引が極めて不安定なものになってしまうのではないかという点の懸念があるようです。
この点は、ちょっと私が舌足らずだったのかも知れませんが、「適用がある」ということは、「取引が無効になる」ということとはちょっと違います。いくらある規定の「適用」があっても、「要件」が満たされないと取引の効力を否定することはできません。
そして、元々民法の意思表示規定の下でも、無効や取消が主張できる場合は非常に限定されていて、そうそう滅多には効力が否定されるものではありません。日常生活でも「あんなん詐欺じゃん」と言いたくなるようなことや「そんなつもりじゃなかったんだけど」ということは多いわけですが、実際に訴訟を起こして取消や無効が主張できるかというと、これは全然別の問題です。
例えば、今回扱っている民法95条(錯誤)の条文はこんな感じになっています。

意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。

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おつかれさまでした&多謝

昨日の忘年会&試験打ち上げに参加いただいた皆様、おつかれさまでした。
予想以上の盛り上がりを見せ、いいだっしっぺとしても感無量です。
一次会はNY在住日本人の間では密かに有名な安くてボリュームのある韓国料理屋にいき、ユッケやパジョンをつまみ、最後は海鮮鍋を。
ロブスターやカニが入っているのに、皆遠慮して最後まで残っているところに日本人の美学を感じましたが、多分、店の人は不思議がっていたことでしょう。
二次会は、店の二階にあるカラオケへ。
ここでは、neon98さんの意外な才能が明らかになり、その幅の広さに感服。HNの由来も聞いて納得。
にょぷろさんには、飲み物の注文などもしていただき、元エアライン勤務のさすがの気配りに感動。ちなみに春休みにコロラド春スキー企画が浮上・・・完璧なガイドさん付きのコロラド・スキー・・・魅力的です。改めて検討させていただきます。
hibiya-attorneyさんは、二次会から奥様とそのご友人もご参加いただきました。奥様の完璧な聖子ちゃんソングには脱帽。
ももんがさんとは、何故かこちらでやっている日本のテレビドラマ話で盛り上がりました。
NY lawyerさんは・・・翌日から旅行ということで一次会のみ。あんまり話せなかったけど、まあ、いっっつも昼飯一緒だったからいいでしょう。旅行(いろいろな意味で)気をつけて・・・って、見るのは戻ってからかな?
ぶらっくふぃーるずさんとは、もう一人NYUのLLMのO氏と共にディープな三次会まで突入し、少し真面目な話など。そうそう、29日、もちろんOKです。また連絡します(私信)。
ブロガーではないけど、社長並みの貫禄で場を盛り上げてくれた(のか、勝手に盛り上がっていたのかは定かではない)H君、ニュージャージーから参加してくれたS君、日本から旦那さんがいらしっしゃたばかりのお疲れのところ顔を出してくれたFさんご夫妻、牛角後二次会からはせ参じてくれたN君、S君ありがとう。
最後に、Sちゃん、D君、連絡くれたのに合流できなくて申し訳なかったっす。また、近いうちに別口で飲みましょう。
また、年があけたら何か企画しましょう。
ともかく、皆様、本当にありがとうございました。

テスト終了!

つい先ほど、AntitrustとCorporationのTake Homeをアップロードいたしました。
これで、2週間にわたる試験も終了です。
それにしても、この持ち帰り試験(Take Home)は面白い仕組みでした。
持ち帰りといっても、参照できる資料には制限があって、例えば、Antitrustだと、授業で使ったケースブックと条文・ガイドライン集以外は自分のノートだけしか使ってはいけないことになっています・・・なんですが、実際、このルールに反していてもばれるという確率は極めて低いわけです。
また、Corporationの方は、Westlawなんかのインターネット・データベースだけが禁止されているだけで、あとは何を参照してもOKということになっています。となると、2週間の間に関連文献とかを調べまくることについては、何のおとがめもありませんし、Westlawを使ったとしても、これまたばれる確率はほとんどなさそうです。
極端なことを言えば、誰かに代筆を頼んでも、まずばれないでしょうし・・・
これで試験の公正性は保てるんだろうか?、とか、差がつくんだろうか?とか、いろいろと思うんですが、まあ、それこそ1年生の弁護士に同じ内容のメモを書かせても、できのよしあしというのは自ずから出てくるんで、差は出てくるんでしょうね。
あと面白かったのは、愚直に、このinstructionを守って授業で使ったマテリアルやノートを何度も何度も読んでいると、授業の時にさりげなく教授が言っていたことの意味に思い当たったり、ケースの理解が深まってくるのが面白かったです。
なんか、他の文献とか見て知恵をつけてしまうと、かえって変な答案になってしまうのかも知れませんね。

投資サービス法報告案公表

もう一つ、投資サービス法に関する報告案が公表されていますね。多分、会社法現代化と並んで重要で、取引所の機能についても、示唆に富むことが書かれています。
うーん、留学中にここまで重要な法改正が続くと、本当に戻ったときは浦島太郎になってしまうんじゃないかと心配・・・

「消費者団体」訴訟制度≠消費者「団体訴訟」制度

neon98さんtoshiさんのところで話題になっているので知った消費者団体訴訟制度の話を見ていて、私はてっきり消費者「団体訴訟」制度(Consumer Class Action)が導入されるのか、と思っていたんですが、中身を見ると、これはどうも「消費者団体」訴訟制度(Consumer's Group Suit)なんですね。
日本語の切れ目って難しいですねぇ・・・って、それだけじゃ余りにも頭悪そう(- -)。

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公開買付制度WG報告書(案)公表

公開買付制度WG報告書(案)が公表されましたね。
条文になってみないと今ひとつ分からないところもありますが、とりあえずご紹介と備忘用に。

ライツ・プランの廃止に関する株主との合意の効力?

もう一つ、買収防衛策絡みでの興味深い判断について、備忘録がわりに。

A Trial Against News Corp. Is Allowed to Go Forward (New York Times)

A Delaware judge has ruled that a trial against the News Corporation can proceed in a lawsuit filed by 13 institutional pension funds that accused the company of reneging on an agreement to let shareholders vote on a takeover defense.

Last year, the News Corporation promised shareholders that, in exchange for their approval of the company's move to Delaware from Australia, any poison pill adopted after the move would be allowed to expire in a year unless shareholders voted on an extension.
・・・
Shortly thereafter, the Liberty Media Corporation increased its News Corporation stake to 17 percent, and the News Corporation adopted a poison pill.

Last month, the media and entertainment giant extended the pill for two more years "without a shareholder vote, in contravention of the board policy," court papers say.

The 13 investor plaintiffs, who manage $300 billion in pension funds in Australia, Britain, the United States and the Netherlands, sued the News Corporation on five charges ranging from breach of contract to fraud.

The News Corporation asked that the case be dismissed, saying board policy was not irrevocable and could therefore be changed.
・・・
In a 26-page opinion released on Tuesday, he said, "If a board enters into a contract to adopt and keep in place a resolution (or a policy) that others justifiably rely upon to their detriment, that contract may be enforceable, without regard to whether resolutions (or policies) are typically revocable by the board at will."

But the judge also expressed reservations about why sophisticated investors, like the Dutch government's giant Stichting Pensioenfonds APB, had failed to negotiate "enforceable agreements to protect their interests."

ちょっと背景事情までは知らないのですが、要するに、取締役会が機関投資家との間で「今後、ライツ・プランを入れる場合には株主総会での承認がない限り1年間で期限が切れるようにする」という約束を交わしたのに、実際に買収の脅威が生じたら、取締役会が約束を破って2年間の有効期限を持つライツ・プランを導入したということのようです。
会社側は取締役会決議は基本的にいつでも撤回可能なものでなくてはいけないと主張して訴訟却下を求めたのですが、裁判所は取締役会の方針に関する契約でも履行可能な場合があるとして、discovery(証拠開示手続)の上でtrialに進むことを認めたようです。
デラウェア州会社法141条では取締役会の権限はかなり強く、付属定款(bylaws)でもこれを縛ることはできないとしているのですが、もし、今回のように契約でその権限が縛れるようになるとすると、取締役会と株主とのパワーバランスに大きな影響を及ぼす可能性があり、その意味で私の目には非常に重要な判決のように思えるのですが、どうでしょう?

反進化論(ID論)教育への違憲判決

Judge Rejects Teaching Intelligent Design (New York Times (subscription required))

A federal judge ruled on Tuesday that it was unconstitutional for a Pennsylvania school district to present intelligent design as an alternative to evolution in high school biology courses because it is a religious viewpoint that advances "a particular version of Christianity."

・・・ということで、産経新聞でとりあげられたり、bewaadさんが厳しいつっこみをしていたのでご存じの方も多いかと思いますが、反進化論(Intelligent Design論)を学校教育で教えることは違憲という判断が連邦地裁で下りました。

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忘年会(私信)とおまけ

23日に開催予定の忘年会ですが、だいたい一次会は10人前後になりそうです。
といっても、純粋ブログつながりというよりは、何か試験が終わった、とか、仕事も終わったという感じで、単に飲みたい人間が集まるという様相を呈しています。
まさか参加を表明している人の中に読んだことがないという不届き者はいないと思いますが、参加を表明していただいているブロガーの方のリンクを下記に紹介しておきます。(ぶらっくふぃーるずさんの指摘により、hibiya-attorneyさんのブログを追加。。。私が不届き物だったorz)

ところで、週末にお送りしたメールは無事届いておりますでしょうか?
参加を予定されている方で、まだメールが届いていないという方はお問い合わせ下さい。
今のところ、一次会は、居酒屋と韓国料理屋が拮抗しております。
あと、前日の22日は夜7時半からFrancis Dunneryを見にCutting Roomというライブハウスに出没する予定です。
密かに(勝手に)私が世界で一二を争うSong Writer & Guitaristではないかと思っているFrancis(ex. IT BITES)とDavid Sancious(StingやSnatanaなどにも参加しているセッション・キーボーディスト)によるAccoustic Guitar & Pianoによるセッションです。会場は小さいけど、クオリティはBon Joviにも負けないはずです。(過去のライブレポートはこちらこちら。)
テーブルチャージは15ドルと大変お手頃なお値段になっていますので、興味のある方はこちらにもどうぞ。
FrancisDunnery_TallBlondeHellicopter.jpg

MTAスト突入

ここしばらくNY地域のトップニュースは「MTAスト突入か」だったのですが、先週金曜日を空振りさせてごにょごにょした挙げ句、本日、とうとうストに突入しました。
MTAはニューヨーク市内の地下鉄・バスの大部分をカバーしており、これが全面ストに突入すると大量輸送交通機関はほとんど麻痺状態になってしまいます。東京でいえば、地下鉄とバスが止まって、JRも埼京線と京葉線だけが動いているという感じかも知れません。
・・・で、何が起きるかというと、摂氏零度を切る寒さの中、通勤のためにマンハッタンにかかる橋を歩いてわたる人の群れということになります。
自動車についても、厳しい交通規制が敷かれ、マンハッタン内に入る車は4人以上の乗員がいないとだめとなっており、タクシーの運賃もメーター制ではなく、ブロック料金が敷かれています。
報道を聞いている限りでは、ことの起こりは、MTAの剰余金が数千億規模になっていて、それを従業員に還元しろという声が高まったところにあるようです。
これに対して、市側は、この剰余金は今後の新路線の開発などに用いるのであって、決して金が余っているわけではないと反論。両者の言い分は平行線を辿ったまま、今回の全面ストに突入したわけです。

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BON JOVI

錯誤の話の続きとか、消費者契約法のことも書きたいんですが、「テスト半ばの息抜き」という名目で昨日New JerseyのContinental ArenaにBon Joviなどを見に行ってしまいました。

BonJovi01.jpg
Bon Joviといえば、この前見たのはThese Daysが出る直前だったので、ほぼ10年ぶりになります。
ここ2枚ぐらいのスタジオ・アルバムは、個人的には余りぴんと来なかったのですが、ニュー・アルバムのHava a Nice Dayは悪くない感じで、地元でのライブを見るのもいいかなということで行ってみました。
(どうでもいいんですが、うちの奥様は、このアルバムのジャケットを見て「なっちゃん」とのたまわっておりました・・・確かに)
BonJovi_HaveaNiceDay.jpg
Bon Jovi自体には、そんなに深い思い入れがあるわけではないんですが・・・やはり、昔の曲は体にしみついているものです^^;
2時間たっぷりと充電してきました。テストも残すところ、あと3日、いよいよ追い込みです。
BonJovi02.jpg

誤発注問題はアメリカではどうなるのか、ちょこっと調べてみた

もうやめるといいながら、どっぷり浸かっている誤注文問題なんですが、まあ、だから何だというところもありつつ、こういうトラブルに関してはいろんな意味で経験豊富なアメリカでは、どうなるんだろう、ということを、ちょこっと調べてみました。
えらい断片的なリサーチなんで、全然包括的なものではないんですが、例えばAMEX(カードではなく取引所の方です^^)では、Rule 135A.で、取引所に取引の取消権限が与えられているようです。

Rule 135A. Cancellations of, and Revisions in, Transactions Where both the Buying and Selling Members Do Not Agree to the Cancellation or Revision

(c) In the event of (1) a disruption or malfunction in the use or operation of any facility of the Exchange or (2) extraordinary market conditions or other circumstances in which the nullification or modification of transactions executed on the Exchange may be necessary for the maintenance of a fair and orderly market or the protection of investors and the public interest, a Senior Floor Official may review any transactions arising out of or reported through any facility of the Exchange... A Senior Floor Official acting pursuant to this paragraph may declare any Amex transaction null and void or modify the terms of any such transactions if the Senior Floor Official determines that (1) the transaction is clearly erroneous, or (2) such actions are necessary for the maintenance of a fair and orderly market or the protection of investors and the public interest;...

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証券取引と民法95条適用の可否 (1)

UBS「契約無効」で返上打診 誤発注巡る巨額利益 (asahi.com)

みずほ証券による誤発注問題で、約120億円の利益を出したUBSグループが「契約の無効という形で利益を返上できないか」と日本証券業協会などに打診していることが、明らかになった。同協会は利益を得た証券会社が日本投資者保護基金に自主返上する形で決着を模索しているが、「それでは海外の株主に説明しにくい」というのが打診の理由とみられる。ただ、今回の取引を「契約無効」と見なすのは法的に難しく、調整にはなお時間がかかりそうだ。
(中 略)
関係者によると、同グループは返上方法として基金への拠出ではなく、もともとの売買契約を無効にすることを要望しているという。いったん確定した利益を「世論」や「業界団体から要請」に応じる形で返上した場合、海外の株主に対して合理的な説明が難しいと判断している模様だ。

契約を無効にする場合、民法の「錯誤による契約」にあたることを理由にするとみられ、一般的な取引でも、売るつもりのないものを取り違えて売ってしまった場合などに適用される。

ただ、無効が成立するためには、売った方に重大な過失がないことが条件になる。専門家は「異常を知らせる警告を無視して発注したみずほに重過失がある可能性が高く、無効が成立するのは難しい」(野村修也・中大法科大学院教授)とみている。

仮に、契約無効が成立するとなると、特定の投資家の契約だけでなく、個人を含むすべての投資家との契約が無効と見なされ、UBS以外でも利益の返上の義務が生じることになる。実現は困難な状況だ。

もうやめておこうとも思ったのですが、一度自分の頭を整理する意味で、ちょっとこの問題について、問題の所在を整理してみる気になりました。ただ、論点は多岐にわたるので、少しずつやっていきましょう。
ただし、私の手許には日本の民法、商法総則、証券取引法の文献は一切ありません(江頭先生の会社法ぐらいはありますが^^)。なので、これから書くことのほとんどは、おぼろげな記憶が頼りです。なので、その辺りは割り引いていただき、また、思い違いがあったら遠慮なく指摘していただくということで宜しくお願いしたいと思います。

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NASDAQでは、こうしたらしいよ

証券市場の公正と信頼にコメントを頂いたくまさんのブログで2003年12月に起きたNASDAQでの誤発注事件の処理について紹介されていました。
大変勉強になりました。くまさん、ありがとうございます。私には、この処理はすごく健全に思えるんですが、皆様はいかがでしょう?

「昔の事例」でリンクしたのは、2003年12月に起こったナスダックでのCorinthian Colleges(COCO)の取引をめぐるものです。朝10時46分にCOCOの株式は57.45ドルから38.97ドルに急落、Nasdaqは同社に急落の原因となるようなことがあったかどうか確認すると同時に急落の原因となった注文の出所を突き止め、12分後の10時58分には取引は何らかの間違いであるという自己判断のもと同社株の取引を停止、取引停止までに執行されたすべての取引をキャンセルしたという事例です。

この決定に関しては当然その後、多くの疑問、批判もありましたが、Nasdaqは「投資家と一般の利益の保護、および公正で秩序正しい市場の維持のためには必要な措置であった」と訴訟やSECによる調査の潜在的圧力にもかかわらずなかなか骨のあるところを見せていました。法律的にはどうなのかは分かりませんが、この手の大ミスに関しては執行しないというポリシーで宜しいのではないでしょうか。

ところで、このくまさんのEconomics, Technology & Mediaは、今まで存じ上げなかったのですが、非常に勉強になる内容が多く、早速Bloglineに登録させていただきました^^

!?-2/3超で強制公開買付け?

TOB、3分の2超えれば全株買い付け・金融審報告書案 (NIKKEI NET)

金融審議会(首相の諮問機関)の作業部会は16日、TOB(株式公開買い付け)制度の見直しについて報告書案をまとめ、大詰めの議論に着手した。保有割合が3分の2を超える買い付けでは残りの株式もすべて買い取らせるルールを設けることなどで合意。ただファンドによる株式の大量保有を迅速に開示させるルールでは異論も多く結論が出なかった。

・・・これ本当なんですかね?
ってことは、子会社上場も50%超2/3未満までしか認められなくなるっていうことでしょうか?(理屈の上では、そうでなくてはおかしい)
どういう経緯でこうなったのかは分かりませんが、ただでさえ玉虫色の証券市場の制度が、ますます玉虫色で光り出すような感じが・・・で、1/3ルールの方の強制公開買付はどうするんでしょう・・・誰か、この方向性を「体系的に」説明できる方がいたらご教示頂ければ幸いです。

(追記)
読売の記事では、この強制公開買付け導入は触れられずに、期間延長や撤回可能な場合の拡大だけですね。これなら想定内なんですが。。。

買収者が買い付け撤回も、金融審がTOB見直し案 (YOMIURI NET)

敵対的M&A(企業の合併・買収)時代の到来に合わせて、買収者がTOBの撤回や価格引き下げをできるようにする一方、TOBを仕掛けられた企業にもTOB期間を延長したり、買収者に質問する権利を認めるなど、攻守双方のバランスを取っている。

Moral Hazard Everywhere

(追記あり)
この話題はもうやめておこうと思ったんですが、bewaadさんから「みずほ証券誤発注に伴う利益についての考え方」というTBを頂いたので、ちょこっとだけ、ミクロの世界・・・というか、ローエコの世界の住人として、今回のみずほ証券の救済がモラル・ハザードを招くという議論について、ちょっとだけ。
おそらく、bewaadさんが引用されている本石町日記さんのエントリー部分が、今回の件に関する「モラル・ハザード」の問題を端的に指摘されているように見受けられるので、そちらを引用してみます。(なお、本石町日記さんは、利益の返還先がみずほ以外になる可能性があるということで、モラル・ハザードの問題については割愛して下さいという追記をされているのですが、bewaadさんの方で引用されているので、敢えて引用させていただきます。また、私の以下の見解は、返還先の如何にはかかわらず、たとえ返還先がみずほ証券であったとしても同じです)

さらに気になるのは、モラルハザードの懸念だ。今回のミスはオペレーショナルリスクが極大に顕現化した典型例と受け止められ、多くの金融機関が教訓にすべき事例。ところが、相当額が救済されるなら、リスク管理を真剣にやるインセンティブは薄れる。金融庁・日銀はそれでもきちっとやれと言うのだろうが、少なくともマーケット取引に関しては大失敗ほど救済される悪しき事例が残る。取引ミスは日常茶飯事であろう。個人が取引ミスで破たんした場合、普通は誰も救わない。銀行が困るぐらい金を借りた企業が救済(債権放棄)され、小額借りた零細・個人が追い込まれた不良債権処理と同じ構図が透ける。

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SEC規則改正案(Best Price Rule etc.)

SECが昨日公表した規則案について、備忘代わりに。
一つめは、TOBにおける"Best Price Rule"の取り扱いについて (SEC Press Release 2005-176)
アメリカのTOBルールでも、いわゆる買付価格の平等原則と同様のもの(Best Price Rule)があり、TOBをいったん開始した場合には、特定の株主を優遇する価格を提示することはできないわけですが、従来、取り扱いについて疑義があったのが、対象会社の経営陣や取締役に対して買収者が高額の報酬パッケージを提示する場合でした。
アメリカの場合、ほとんどの取締役や経営陣は、なにがしかの株式を持っているために、これが株式の対価として取り扱われると、とんでもないことになるわけです。
この点について、新しく提案されたルールでは、一定の報酬パッケージは証券の対価には当たらない=Best Price Ruleの適用を受けないことを明確にするということになりました。
これは、結構画期的といえば、画期的。
もう一つは、SECの正式リリースは、まだ見あたらないのですが、日本企業にとって重要かも知れないSOXのRule404適用範囲の緩和(NYTの記事)
この記事によるとMarket Valueが700M未満の企業については、悪名高いSOX404(内部統制のcertification)が免除になる予定とのこと。
もう一つ、外国企業については、アメリカでの流通量が5%未満で、かつ、アメリカ在住の株主の割合が10%未満の場合には、registerationを廃止できるということも提案されているようです。
直近で日本企業にどのぐらいの影響があるのかは分かりませんが、ちょっと注目しておく必要がありそうな話です。

「異常売買無効制度」の前に

東証、「異常売買無効」制度を検討・自民会合で発言 (NIKKEI NET)

東京証券取引所の天野富夫常務は14日朝、自民党の企業会計に関する小委員会(委員長・渡辺喜美衆院議員)に出席し、8日に起きたジェイコム株の誤発注のような異常な売買が行われた際には、売買契約そのものを無効とする制度の導入を検討していることを明らかにした。・・・東証の天野常務は欧州の一部では、発行済み株式数を大幅に上回るなど異常な売買が成立し、かつ影響が重大な場合は、取引所の判断で売買を強制的に無効とする規定があることに言及、今後の検討課題だと述べた。大手証券会社がジェイコム株を大量に取得した問題では、証券会社の自己売買のあり方などについて規定する考えも示した。

とのことですが、その前に現在の民商法の枠組の中でできることとできないことをもう少し詰めて欲しいという気がします。
あと、この「異常売買無効制度」は、当事者間の契約の成立や効力に直接に介入するわけですから、取引所のルールとして定めるべきものなのかどうかも検討の必要があるような・・・もちろん、理論的には約款や会員証券会社との契約に盛り込むことで達成できるんでしょうけど・・・この前の黄金株問題でも、議論がありましたけど、市場の番人としての立場と、事実上、独占的な力を持っていることとのバランスの取り方が、ここでも問題になってくるような気がします。
取り急ぎ目についたので。メモだけ。

結果よければ全てよし

昨日、みずほ証券の誤発注問題について機会主義的行動をそのまま認めていいのかという記事を書いたんですが、ろじゃあさんのブログを読んでいたら、大手証券会社が利益の全額返還を決めたということのようです。
詳細はまだよく分かりませんが(Harwaveさんのコメントによると、基金や財団への寄付を検討という話もあるようですが)、まあ、とりあえずは結果としてはよかったんじゃないでしょうか・・・

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証券市場の公正と信頼?

とりあえずIn-Classのテスト2つが終わりました。
久々の「テスト」は結構疲れます・・・実は、こういう「テスト」の類は、「出題者の意図は何だろう?」とかいう邪念が入り込むので苦手です(- -)・・・そんな余計なことを考えない、まっすぐな人間ならよかった・・・
まあ、でも、終わったからいいや。
ただし、まだ、Take-Homeという持ち帰りの試験が残っています。Antitrustの方は、問題文がなんと16頁も!!・・・考えるのは面白いし、時間もあるので、こちらはなるべく邪心を排除して、楽しみながらやることにします^^
さて、こうやって、NYで一学生としてテストに追われる日々を過ごしている間に、日本では例の誤発注取引事件が大変なことになっているようですね。
ろじゃあさんに発破をかけられた?ので、考えてみましょう・・・と、思ってみても、あんまり細かくニュースを追っているわけでもなく・・・というよりも、私の主たる情報源はろじゃあさんの速報エントリーだったりするんで^^;、とりたてて付け加えることはありません・・・そもそもの担当者の単純ミスもそりゃ悪いし、それを防止できなかったみずほ証券のシステムも問題だし、警告を無視したのも悪いし、取消処理をできなかったシステムもおかしい、システムが作動しなかったときに売買停止などの次善策を講じなかったのも悪い、とはいっても、あらゆる事態を想定してシステムをつくることも難しい・・・
というわけで、非常に難しい問題であり、今後の展開にいっそう注目です。以上。
・・・で、いいような気がするんですが、何かもやもやすることがひとつ。

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秋学期授業終了

本当は昨日、私のとっているクラスは全部終わったんですが、まあ、今日が授業の最終日ということで^^
8月末から始まって3か月・・・何か意外とあっという間でした。
記憶の新鮮なうちに、各科目についてのショートコメントを。

Corporation - John Coates

あのCoatesということで、相当に期待も高かった授業でしたが・・・思ったよりは普通・・・というか、よくも悪くも「学者」というよりは「弁護士」で、Wachtellで若いアソシエイトに次々質問していじめている姿が、よく似合う人でした(笑)。
授業の中での白眉は、やはりM&Aのところでした。それまでのところは、結構ケースブックと条文に沿ってオーソドックスな感じで進んでいたんですが、M&Aのところに入った途端、目の光り具合が違う。
もう、実務も理論も裏の裏まで知り抜いているという自信が満ちあふれていて、学生にあてることもほとんどせず、もの凄いペースで面白かったです。NY Lawyerさんが書いていましたが、Unocalのところの解説は圧巻。日本では差別的自己株式買付というところだけが妙にクローズアップされていますが、全体のスキームの組み方はゲーム理論的な発想に基づいた極めて合理的なもの。
このクリエイティブな防衛策を禁止するとは、SECも罪なことをするものです(笑)。

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「バントはアウト一つをくれるから楽」・・・どこかで聞いたような

ノムさん挑発「岡田は変わっとる」 (デイリースポーツ)

楽天の野村克也新監督(70)が8日、今季のセ・リーグを制した阪神・岡田彰布監督(48)の野球観をぶったぎった。この日、仙台市内のホテルで講演を行った野村監督は、600人の聴衆の前で、犠打を使わず、ミーティングも重視しない岡田流を完全否定。阪神の元監督が現監督を“挑発”するという想定外の展開に、来季の交流戦は早くも遺恨試合になりそうだ。
(中 略)
 「この1年、ペナントレースを戦って、バントのサインは1回だけ。ヒットエンドランのサインも1回だけ。金本は『選手任せなんです』と言っていた。『サインは何もない。ミーティングでも何もしません』と」・・・阪神時代、岡田2軍監督にバントをしない理由をただした時「内野手をしていて、バントをしてくれると楽だった。アウト1個をただでくれるんだからこんなに楽なことはない」という返事が返ってきたという。
この時、野村監督は「何を言ってるんだ」と厳しく反論したという。ノムさんにとって、選手任せのさい配など理解し難いというのが本音だった。

それで優勝なんだから何の文句が?とか・・・JFKの継投パターンの確立や、若手投手野手の抜擢や選手のモチベーション維持といったプラス面を無視して、槍玉にあげるやり方はどうなんでしょう?・・・といった感情的な議論は抜きにして、岡田監督の理屈を否定する「科学的根拠」はどこにあるんでしょう?
ノーアウト・ランナー一塁から、バントで2塁に進塁するのとしないのとで、1点が入る期待値というのは、「何を言っているんだ」というぐらいに有意な差があるんでしょうか?
うろ覚えなんですが、アスレチックスの名物GMのビリー・ビーンの野球理論を扱ったマネー・ボール 奇跡のチームをつくった男で、得点の期待値をデータを元にはじき出したところ、バントで1アウトを相手にやるのは得点の期待値を下げるので禁止という話があったような・・・(更には盗塁も期待値が低いのでだめとか、いろいろと面白い話があったんですが)
現に今年の阪神の得点効率はロッテと並んで群を抜いているわけですが・・・・と思ってロッテをチェックしてみると、バントは小坂と今江の10が最多(阪神は関本の11と鳥谷の10)・・・「バントはアウトを一つくれるから楽」というのは、実は「データ」からも裏づけられるんじゃないですかね?
今度、regressionでもやってみましょうか^^;

驚天動地?・・・「想定内」と言って欲しかった

勉強、勉強、と言いながら、備忘録代わりにこれだけクリップ。

村上ファンド、日本無線を非難 (NIKKEI NET)

村上ファンドは8日、日本無線が日清紡による新日本無線のTOBに応じたのに対し、「まさに驚天動地。取締役による株主への裏切り行為」と強く反発するコメントを発表した。

正式なプレスリリース本文はこちらから。こちらも「笑止千万」「茶番」といった言葉が用いられてかなり強く非難がなされています。これまたケース・スタディとしては興味深いんですが、真面目に勉強しないといけないので、今日はさわりだけでお許し下さい。

幸せってなんだ~っけ

という歌を昔明石家さんまが歌っていたのを覚えている方が、どれぐらいいらっしゃるのかは分かりませんが、「テクノロジーは幸福をもたらすか」というWired Newsのeditorの記事に対する山口浩さんbewaadさんのエントリーを読んでいて、ふとそんな歌を思い出してしまいました。
もちろん、テクノロジーの進歩は色々な恩恵をもたらしているので、それを度外視するのはフェアではないと思うのですが、でも、その一方で失ったものもあって、それは単に選択肢が広がっただけではないような気がします。
反トラスト法なんかをやっていると、20世紀初めの判例なんかだと、立法者は経済的効率性だけではなく、小規模な事業者の保護も意図していたと言い切っていたのが、だんだんと経済理論が発展してくると、そういう理屈は少なくとも全面からは消えていくわけですが・・・一方で、経済理論に傾斜する中で見落としているものはないかという不安も裁判所にはあるんじゃなかという気もしてくるわけです。会社法なんかでも、同じような悩みをしばしば感じます。
私自身は、「たられば」は口にしないようにしていますし、後悔というのは余りしないようにしているんですが、でも、自分が過去にやってきた選択のコストとか代償、それから引け目みたいなものはいつも感じています。
大学の時に授業に行かずに学外活動ばかりやっていたことは、それはそれで今の自分の種になっているのでいいんですが、でも、ちゃんと大学の授業に出て学んでいた人に比べて自分が失ったものはあると思いますし・・・企業法務の弁護士になってよかったこともありますけど、検察官や消費者弁護士にならなかったことで失ったものの価値も感じます。
テクノロジーの進歩は取引費用を節約したという意味で効率性を高めたことは間違いありませんし、生存率や選択の多様性を高めたことも間違いないと思います・・・でも、幸せ、もうちょっと経済学的にいえば効用の絶対値を高めたとは、やっぱり限らないんじゃないでしょうか?
限定合理性なんかの話をしていても、限定合理性が効率性を低めているとしても、知らないが故の幸せということも本当はあるんじゃないかという気もするわけで・・・だから、テクノロジーとか技術の発展が悪いというつもりは全くありません。
でも、その過程で失われたものに目を向けたり、その価値を考えたりすることは大切なことなんじゃないかと思います。というわけで、私は、「テクノロジーは幸福をもたらすか?」という問いにyes and noであり、大切なのは、そこにあるトレードオフを見つめることだという意味で元ネタの記事に結構共感を覚えたりしました。
・・・ちなみに、今この瞬間直面している個人的なトレードオフとして、こんなブログを書いているよりも、ペーパーのファイナライズや試験勉強をした方がいいのに、こんな記事を書いているわけで・・・勉強。勉強。

忘年会(試験打ち上げ) & 新年会 (私信)

いよいよ来週から試験という時期に入り、せっぱつまり具合もほどよい感じになってきておりますが、とりあえず忘年会兼試験打ち上げと新年会などいかがでしょう、というお誘いです。
一応22日の深夜がTake Homeの試験の締め切りなので、忘年会は23日(金曜日)の夜が妥当な線ではないかと思っております。
新年会の方は、全然未定ですが、1月の最初の週は私もNYにいないので、2週目か3週目の金曜あたりではないでしょうか?
多分、ぶらっくふぉーるずさんとNY Lawyerさんは一緒に試験のうさをはらしてくれるものと信じています。
新年会の方は、にょぷろさんにもご参加のご内諾(?)を頂いていますが、ゼミ飲み会を示唆していただいたneon 98さんや、ももんがさんにもご参加いただければと思っています。
・・・ろじゃあさんは出張とかないんですかねぇ^^
もちろん、ブロガー限定ということでは全くありませんので、NYで飲み会に参加できて興味がある方はコメント欄でもメールでもご連絡下さい。
・・・とかいって、誰も連絡なかったら、寂しいけど・・・

ビンゴ! ~ あふたーまけっと余話

10-15ページ指定のペーパーも何とか9ページ近く書き終わり、Myopia thoeryについて筆を進めたところで、最後の関連文献収集。
ここで、ついに「ビンゴ!」な文献を発見。

  • Glenn Ellison, A Model of Add-On Pricing, The Quarterly Journal of Economics, May 2005 pp. 585-637
  • Xavier Gabiax and David Laibson, Shrouded Attributes, Consumer Myopia, and Information Suppresion in Competitive Market, fothcoming the Quarterly Journal of Economics

私の頭の中に漠然とあった、①Aftermarket Monopolyは(合理的な価格差別というよりも)消費者のMyopiaを利用するための手段ではないのか、ということと、②こうした超過利益の存在は寡占市場において実質的なtacit collusion(黙示の協調)を生み出すんではないか、という直感的な「妄想」がエレガントなゲーム理論で提示されています。
まあ、これに100%依拠しようというわけではないんですが、それでも、競争法も経済学もよちよち歩きの私が一人頭の中で「妄想」しているだけでなく、MITの連中も同じようなことを考えていた(まあ、単に結論部分だけでモデルの洗練度は比較することすらおこがましいんですが・。。)というのは、心強いところ。
というわけで、とりあえず、この方向でペーパーを書ききってしまおうかと思います。何とか、明後日までには終わらせて他の科目の勉強に入りたいんで^^;
以上、嬉しかったので、とりあえずご報告まで。

記事も書かずば撃たれまい・・・

という、しゃれにもなっていないようなことを、たまに思います。
基本的に、ブログでは、恥もさらしながら、結構思いついたことをそのまま書いているのですが、やっぱり「これは書かない方がいいんだろうな」というネタがあるんですよね。
一つは当たり前ながら、本職に密接にかかわるところで、抽象的な評論すらしにくいものというのは、やっぱり色々と出てくるわけです。弁護士の場合は、守秘義務というボトムラインさえ守っていればというのがあって、官僚の方のブログのように万が一所管事務との関連を疑われるといけないので実名をさらすことができないというような制約はないんですが、そうは言っても、やっぱり何か書きにくいという話はあります。
で、もう一つは、逆に、全く門外漢の分野に関することです。
いや、本当に全然畑違いだったら「素人考えなんですけど」ということでいいわけですが、微妙なのは、法律関係だけど専門外のところです。
こっちも言ってみれば「素人」なんですが、何せ一応法律関係だったりすると、あんまりあほなことを書くと「あんたそれでも弁護士?」と白い目で見られそうな気がして書けなかったり・・・あとは、何か感情的な反応を呼び起こしてしまうかも知れないので避けた方がいい・・と思って書かないこともあります。
今日もまた、そんなもやもやした気分を抱えながら、何か書きたいんだけど書かない方がいいんだろうなと思って、口をつぐんでしまうわけです。

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ご教示、多謝 ~ あふたーまーけっと

昨日、ペーパーを書くのに行き詰まり、ぐち半分で書いたエントリーに、早速に色々なコメント、TB、メールをいただきました。本当にありがとうございます。
・・・いや、実は、こんなに競争法に興味のある方がご覧になっているとは思っていなかったので(しかも、明かに独禁法の専門家と見受けられる方もいますし・・・)、内心今まで書き散らしてきたエントリーを振り返って冷や汗をかいていたりするんですが:-)
貴重なご示唆のお礼・・・になるかどうかは分からないのですが、とりあえず、これまでのサーベイをベースに、米国での議論状況に関する私の理解(誤解の可能性あり)をご紹介いたします。
(・・・というわけで、以下は多少マニアック)

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あふたーまーけっと、いきづまり・・・

ちょっとエントリーが滞っている間に、スパムコメントが増えてます。
早くもMovable Type 3.2のフィルタを無効化する技が開発されたということなんでしょうか?
もっとも、実際のコメントの内容はスパムであることが一目瞭然なんで、フィルタをくぐったとしても、これを実際にクリックする人がそんなにいるとは思わないんですが・・・ここまで来ると、フィルタをくぐることが一つの目的と化しているんですかね?それとも、スパムコメントの報酬?体系が、実際のクリック率ではなく、フィルタを突破させた数で判断されるんでしょうか?・・・でも、どうやって測っているんでしょうね?
何て言うことはどうでもいいんですが、試験までいよいよ1週間を切ったというのに、Antitrust Law and Economicsのpaperが、完全に行き詰まっています(- -)。
いかに自分がミクロの基礎をちゃんと理解していないかを改めてつきつけられている感じです。
題材は、Eastman Kodak Company v. Image Technical Services, Inc., et al, 504 U.S. 451 (1992)をきっかけとした、いわゆるAftermarket Monopolyの競争法上の取り扱いについての話です。Aftermarketというのは、例えば、コピーのトナーやメンテナンスサービスなんかの市場で、こういうのは、大体元々の機種特有の部品やメンテナンス・ノウハウが必要なんで、こうしたパーツやノウハウの供給をコントロールすると、元々の機会を製造しているメーカーが割合簡単に独立系保守業者やパーツ供給者を閉め出すことができるわけです。
一見すると、そうした独立系保守業者を締め出すのはけしからん、ということで終わりそうなんですが、よくよく詰めて考えてみると、必ずしも社会的に非効率とは限らないんじゃないか・・・更には、実は、こうしたaftermarket monopolyを認めることが社会的には望ましい場合もあるんじゃないか、ということで、上のEastman Kodak事件以後、このAftermarket Monopolyの是非を巡っていろいろな議論が戦わされています。日本でも、昨年、レーザープリンターのトナーカートリッジに関して、次のようなリリースを公正取引委員会が出しています。

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法律・経済・時事ネタに関する「思いつき」を書き留めたものです。
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