審判の資質

勝つには勝ったけど、何かすっきりしない>イタリア-オーストラリア

前回も疑惑の判定は色々とあったんですが、それにも増して今大会は審判のせいで面白さが削がれてしまう試合が目につきます。
誤審そのものは、これだけスピードのある現代サッカーで、しかも出ている選手はファールをする方もされる方も(?)その道の達人ばかりなので、後でビデオで見て「やられたぁ」というのはあると思いますし、それも含めて試合の流れとか運のうちだとは思うんですが、見ている方のストレスが溜まるのが、今大会のカードの出し方。

もちろん、悪質なファールには厳しい態度で臨まないといけませんが、退場を含めたカードによる処分という権限が審判に与えられているのは、あくまで試合をコントロールする、あるいは、サッカーの本来の面白さを損なわないようにする、ためのはずですよね。

それが、審判がちゃんと見えていないところで、何かあって派手な転倒があればイエロー・レッドじゃ、みんなごろごろ転がり出すし、カードをもらった方も納得できないので審判への不信感は募るし、そのたびごとにプレイは中断するので選手のストレスも溜まるし、で、ストレスからプレーが荒くなって、またイエロー・レッド・・・で、4年に一度しかない貴重な試合が凡戦になってしまう、と。

世界の超一流どころのプレイヤーが集結する試合をコントロールするためには、どうやって選手からの信頼を得るかが重要なはずですが。。。その手段をイエロー・レッドに頼ってしまっているところがあるような気がします。
もちろん、ほとんどの場合、審判と選手は初顔合わせでお互いに信頼もへったくれもないでしょうし、世界のトップクラスの自信家どもを相手にしなきゃいけないという面で一筋縄でいかないことも事実ですが、世界のトップクラスで活躍し国の威信を背負ってピッチに立っている22人を、イエロー・レッドという「鞭」だけで威嚇して言うことをきかせようとするのも、土台無理な話です。

一瞬は大人しくなるかも知れませんが、審判が技術や自身のなさを「鞭」で補おうとしているだけだと見抜かれた瞬間に、審判に対するリスペクトはふっとび、コントロールどころの騒ぎではなく、サッカーの醍醐味はどこかに行ってしまいます。

理想論かも知れませんが、選手から審判に対する本当のリスペクトというのは、審判から選手に対する、あるいは、選手にとってその一試合が持っている「重み」に対するリスペクトがあって成り立つんではないでしょうか。
WCに出てくる選手で(ごく一部の例外を除いて(笑))、好きこのんでイエロー・レッドをもらいたがったり、相手の選手生命を壊したがっていたり、試合を凡戦にしたいと思っている連中はいないし、当たる方も当たられる方も、それぞれに高い技術を持っているわけです。
気をつけなくてはいけないのは、試合が進むにつれ、疲れ・ストレスから試合が荒れていくことであって、そうした場合にはプレイを止めたり、「頭を冷やさせるため」にカードが必要でしょうが、審判がカードを濫発して選手のストレス・メーターをあげるのは逆効果です。

・・・と、これはサッカーの話ですが、審判の資質という意味では、証券市場における審判に対するプレイヤーの信頼についても同じようなことを感じるところがあります。

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違う凄まじさ

いやぁ、決勝Tも始まり、また一段と盛り上がってきましたね。ワールドカップ・・・って、それとも日本のマスコミは、もう次の代表監督の方で盛り上がっているんでしょうか(笑)

Vaboさんに教えてもらった某チェアマンの会見も、自称最大の失言以外にも、なかなかツッコミどころ満載なんですが、とりあえず昨日のアルゼンチン=メキシコと今日のオランダ=ポルトガル戦の凄まじさについて。といっても、違う意味ですが。

アルゼンチン=メキシコは、あそこまで行ったらメキシコに勝って欲しかったという気もしつつ、やはり絶好調のドイツとアルゼンチンの豪華な布陣の対戦を見てみたいという気持ちに(勝手に)引き裂かれてしまいましたが、OTでのマキシ・ロドリゲスのあのゴールで決まるんなら仕方ないと納得できるゲームでしたね。

それとは別の意味で凄かったのは、今日のオランダ=ポルトガル・・・何かイタリア=US以上に殺伐とした雰囲気で、重傷者が出るんじゃないかとひやひやもん。
途中までは好ゲームだったのになぁ・・・
ポルトガルが勝ってもデコ抜きではイングランド戦の面白さは半減・・・ただ、揃ってお役ご免になったデコ(黄紙×2)、ファン・ボンメル(黄紙×1+途中交代)、ブロンクホルスト(黄紙×2)のバルサ組が仲良く腰掛けてお仲間のプレイを批評しながら観戦しているのを見て、何か少しほっとしました。

ところで、イングランドは勝つには勝っているけど、何かちぐはぐな・・・上積みがある分、吉と出るのか、チグハグなままポルトガルにやられるのか・・・うーん。

まあ、とりあえず明日はイタリア=オーストラリア。
こちらも、ちょっとFW陣にチグハグ感漂うイタリアをヒディングがどう揺さぶるのか楽しみということで。

共同買付者と167条

ワールド・カップネタにうつつを抜かしている間に、村上氏は起訴に至ったようです。朝日新聞の記事を見ていても、検察のストーリーというのは、村上氏がLDを引き込んで「一緒にニッポン放送株式を買おうじゃないか」、と、けしかけたという話のようです。

このストーリーに関する?なところは、磯崎さんが素晴らしい整理をされていますんで、そちらをご覧頂くこととして、前から気になっている「共同買付者に対する167条の適用」について、余りブログ向けのネタでもないだろうと思って積み残しにしていた非常にテクニカルな点について見ておきましょう。

というわけで、以下の議論は、いつものようなローエコとかではなく、極めて実務家的なテクニカルな条文解釈の話ですので、興味のない方は、また明日ということで、法律家のやるテクニカルな条文解釈というのは、どんなものなのか怖いもの見たさと思う方は、続きをどうぞ。

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おつかれさま

今日は友人たちと大学の近くで二元中継をしているレストランで昼間からビール片手に応援していたんですが、45分間、楽しませてもらいました。

思えば、初戦完璧な形でスタートしたチェコも志半ばで消え、古豪クロアチアも遂に勝ち星を得られないまま去ったわけで、この厳しさがサッカーの奥深さ、と。

まずは、今日のところは、おつかれさまということで。

p.s.1  もっとも、予選リーグでの番狂わせが少なかったことから決勝リーグトーナメントの組み合わせは極めて魅力的になったわけで、その意味では決勝リーグは非常に面白いことになりそうです。
とりあえず、頑張れアッズーリ。

p.s.2 黄色い9番は、お腹をもてあまして、走れなくても、プロ中のプロでした。以前の暴言、大変失礼しました<(_ _)>

日本代表とコポガバを強引に結びつけてみる、の巻

普段拝見させていただいているブログでも、昨日の日本戦については色々コメントがされていて、参考にさせていただいているのですが、その中でマスコミのヘッドラインを並べて「なんか、甘いような。。。何かをごまかしているような。。。。何かから目を背けているような。。。」とコメントされている方がいて(ご迷惑になるといけないのでリンクは貼りませんが)、全くもって同感です。

既にジーコ采配については、いろいろと批評がされているわけですが、その議論の行き着く先は「監督が変われば強くなる」ということかも知れませんが、本当にそうなんでしょうか?

例えば、日本が22日のブラジル戦で、①ブラジルに2点差をつけて勝って予選突破したら、②2点差をつけて勝ったが予選突破できなかったら、③ブラジルに勝ったが1点差だったら、④ブラジルと引き分けたら、⑤ブラジルに1点差で負けたら・・・それぞれの場合のジーコ・ジャパンに対する「評価」は、どうなるんでしょう?

もちろん、「評価」において、目に見える「結果」は大事ですし、WCでの成績というのは、究極的な目標の一つであることは確かです。
企業経営になぞらえていえば、経営者の能力を測る上で株価とか、会計利益というのは大切な要素であることは否定できません。でも、株価の上がる原因が投機目的に売り買いでもいいというわけではありませんし、会計利益の源泉が本業とは関係ない金融取引からのものであったり(笑)、収益のあがっているコア事業を売却してあげた一過性の収益であってもいいという話ではありません。

そもそも、株価や会計利益のような外から素人が見ても一見明白な結果だけで経営者のよしあしが測れるのであれば、経営陣と独立した取締役会のようなガバナンスの仕組みは要りません。

ガバナンスには色々な要素がありますが、その中でも重要なのは、中長期的な課題とそれに適切に対応した評価指標の設定、そしてその実行状況のモニタリングです。

ジーコ監督の率いた4年間の日本代表において、どのような課題が設定され、その進捗を測るためにどのような指標が設定されたのか・・・何れにせよ退任が確実なジーコについて論じるだけでなく、こうしたガバナンスのあり方を見つめないと、結局、監督のクビをすげかえても同じことが続いてしまうんではないかという気もするところです。

国民は株主と違ってマネッジメント(監督)をモニターする取締役会(日本サッカー協会)のメンバーを選ぶことはできないところが違うわけですが、それでも、こういうガバナンスという視点からも色々と考えていくことは、4年後、8年後を考えると重要なんではないかという気がします。

最後に、今日のWCですが、まずはシェヴァのWC初得点と予選突破に望みをつないだことにまずはほっと一息、で、ラウールの流れを変える技ありの一発に座布団1枚ということで。

蛇の生殺し?

理論的には首の皮一枚つながっているけど、カナリヤ軍団に2点差つけて勝つのが、最低条件という何ともびみょーな結果に、どう反応すべきか迷っている方も多いと思います。
せめてカカーが最後のごっつあんゴールを決めてオーストラリアの得失点差を-1まで持っていってくれればなぁ・・・というのはありますが、WBCでも韓国に3度目の正直で勝ったり、キューバを倒したりというのもあったんで、まだまだ分かりません。(力関係は全く違いますが)
日本代表の底力に期待しましょう(棒読み)。

それにしても、その後のお隣さんは見事でした。運もありましたが、それを引き寄せるのも勝負のうちと言える範囲のものでしたし(フランスのつきのなさを嘆くべきかも知れませんが)、何よりもクロスがあがると、ペナルティエリアに怒濤のごとく前を向いてつっこんでいく気迫を見習って欲しいものです。

ただ、韓国もまだ価値抜けを決めたわけではありませんし、何かトーゴは試合放棄かなどと不穏な話も出ているので、まだまだ予断を許さないところで、ジダンもイエロー2枚で次戦は欠場。
これが現役最後の試合というのも、何ともしまらないので、何とか勝ち残って欲しいところです。

混戦といえば、E組も予想に反して大変なことになってしまいましたね。
ガーナは強かった・・・というよりもチェコは全く別のチームとなってしまった。
別チームといえば、アメリカも「らしさ」が出始めたところでの、退場2人はきつかったですね。
デ・ロッシのはしょうがないし、あのぐらいのハンデがあった方が面白いかもと呑気に構えていたんですが、アメリカに退場者が出てからは、お互いプレーの質なんて言っている場合ではなくなっちゃって、何か今回の大会で初めて早く終わってくれという気持ちになった試合でした。
もっとも、ピルロの芸術的な壁越えパスとデルピエロのワンタッチは、決まれば今大会のベストゴールの一つだったのに惜しかった。
ただ、ああいうぐちゃぐちゃの展開はイアキンタとかデルピエロじゃなくて、ピッポだろうと思ったのは、私だけではないはず(笑)。
まあ、ガットゥーソも復帰したし、E組トップであることには変わりはないんで、ミランの中盤コンビで頑張って欲しいものです。

・・・と、ホントに最近サッカーの話題しかなくて恐縮なんですが、今日の試合を見ていても、「絶対に勝たなくてはいけない試合」なのに、得点をとるための得意パターンとか、ハイリスク・ハイリターンの攻撃パターンとか、猛暑の中での時間の使い方のメリハリは感じられないわけで、4年間の間、何をしていたんだろう?という疑問がよぎったんですが、そもそもそんなことは私が言わなく立って結構前から言われていたわけです。(ちなみに、私にとって、かなり説得力があったのは2004年8月8日付のこのコラム。このコラムに限らず、Variety Foorballは読み応えのある記事が多く(ミラン=リヴァプールのCL決勝の戦術分析も白眉)、お気にいりだったのですが、筆者が紙媒体に進出されたためにネットで余り記事が読めなくなって残念。)
テレビの前のギャラリーですら感じるような疑問を、まして代表育成に関わるサッカー関係者が気づかないわけはないはずですが、それでもジーコに委ね続けたということは、コーポレート・ガバナンスに重ねて考えてみると、いろいろと教訓のありそうな話です。

ただ、あと1試合首の皮・・・というか筋1本つながっているので、そこでのジーコの采配と成果、それに対するサッカー協会の反応を見た上で、また考えてみたいと思います。

あと、村上F事件とWCで忘れ去られてしまった感のあるCB一括法の話と上限金利規制の話も忘れてませんので、いずれ。

制度設計論としての日銀総裁の運用規制

結果だけ見れば、イングランドとスウェーデンの順当勝ちなんでしょうが、どちらも見応えがありました。
ジョン・テリーの神業的サポートがなかったら、トリニダート=ドバゴ先制で試合の流れも変わっていたでしょうし、パラグアイもスピードのあるカウンターからいいミドルを何本も撃ってましたからねぇ。
もっとも、トリニダート=ドバゴに関していえば、まだ予選通過の一縷の望みは残っているわけですから、頑張って欲しい、けど、スウェーデンがここで消えるのも勿体ないんですが・・・いずれにせよ予選最終戦ではスリリングな同時進行が今から楽しみです。

と、最近は、ワールドカップネタで入るのが恒例になりつつありますが、日銀総裁の利益相反行為規制問題について、ちょっと。

まず、そもそも個別株も持っていたとか、そういう話も出てきているようですし、(個別株をどこまで禁止すべきかは議論があるとしても(後述))そういう意味では「脇が甘い」どころか、 デフェンスの意識すらなかったようですから、世間の非難を一身に浴びてしまっているのは仕方ないのかなとは、私も思います。
結局、アイドルに彼氏がいてはいけない・・・というのが古ければ、アイドルは飲酒喫煙してはならないという価値観を持っている人々をファン層に抱えているアイドルが、それを不用意にもスクープされれば、アイドル生命の危機に直面するのは自然の流れなんで、既に成人していたとか、法律には反していないとかそういうことは何ら問題ではないんでしょう。

なので、そうした価値観を持っている方々が総裁辞任を求めることに異を唱えるつもりはないんですが、その「価値観」をベースにルールを組み立てようとするのは、いかがなものかというのが、法律家から見た違和感の全てです。おそらく、bewaadさんが、珍しく田中(秀臣)先生を始めとした経済系の論客の方々と真っ向から対立しているのも、その辺りにあるのではないかと思う、今日このごろ。

今回の件が大きな話になったのは、普通に見れば、「それ」が村上Fだったからですが、それでは村上氏をバッシングしているマスコミ・検察の流れに乗ってしまっているので居心地が悪い・・・そこで、そもそも日銀総裁としての利益相反規制に反している、あるいは、現行ルールでは反していないとしても、本来規制されるべき行為であるという問題の立て方で議論をする・・・そのこと自体は、利益相反ルールの規制に関する議論として精緻に詰められるのであればいいのですが、その段になると、「たとえ村上F以外のファンドに対する出資であっても許されなかった」という結論に持っていくために相当無理な立論をされているというのが正直な印象です。

前回も書いたように、日銀総裁の職務というのは、およそあらゆる金融活動に影響を与えているので、全ての資産を現金化してタンス預金とした場合ですら「世間から些かなりとも疑念を抱かれること」はあり得ます。

そういう意味で、この規程は訓示以外の何者ではなく、これを規範として適用することには無理があります。(規範性を認めたとしても、福井総裁の行為が該当するかどうかに関する議論はbewaadさんが、いつものように精緻にやっておられますので、そちらをご覧頂くのがいいと思います)更に、「適用」の場面もさることながら「制度設計」の段階において、この服務規程が参照されて「疑念を抱かれるからファンドはだめ」といった議論をすることには、ほとんど何の意味もありません。
別の言い方をすれば、日銀が今回の一件に懲りて、この服務規程を削除したり、「世間から些かなりとも」を「諸般の状況に照らして著しく」に変更すれば論者の方々は納得するという話ではないのでしょうから、その意味でも日銀総裁の利益相反規制に関するあり方を考えるにあたって、この服務規程の「些かなりともの疑念」をベースに論じるべきではありません(※)。

従って、日銀総裁の利益相反規制問題を、きちんと論じるのであれば、問題とされるべき利益相反の内容は何で、どのような規制手段が望ましく、それを規制することのコストとベネフィットはどうなっているのかという点が論じられなければいけないわけですが、ファンドは勿論のこと、個別株に至ってすら、こうした基本的な論点についても分析は十分になされていないのではないでしょうか。

ちなみに、ちょっとFRBのHPを見てみたら、次のようなQAを発見しました。

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「脇の甘さ」ということで・・・

こちらでも僅かながらフジ系のニュースが見られるのですが、中田(英)のインタビューで「チームの方向性はよかった?」という質問に「方向性なんてないですから」と答えていたのが印象的でした。

その辺りが全てを物語っているような気がしますが、それでも日本人としては「勝つしかない」という開き直りを信じて土曜日を待ちたいと思います・・・ただ、クロアチアは結果こそカカーの一発にやられてしまいましたが(ロナウジーニョよりもカカーだよと信じている身としては、これはこれで嬉しい^^)、組織だった攻撃と守備は見応えがありましたね。
これだけのチームでも結果としてみれば日本と同じ位置なわけで、次戦は生き残りをかけたガチンコ勝負、ともかく気持ちだけは負けないで欲しいものです。
(ところで、ブラジル-クロアチア戦で、ピッチの真ん中をだらだらと歩いているお腹の出た黄色い9番が見えたような気がしたのは、私のきのせいですかね?まあ、ブラジルは強いんで、最初から1枚おちぐらいがハンデがあっていいというところだったんですかね?)

ところで、日本ではとても偉い人が某問題ファンドに資金を預けていたことが明らかになって、大問題となっているようですね。

敵の多い人に肩入れしていれば、当然、敵は多くなるわけで、堀江氏に肩入れした小泉政権が民主党につつかれたように、政治的なポジションにある人は、なるべくつつかれるネタを相手にやるべきではないという点では、go2cさんと同じく「脇が甘い」の一言に尽きます。

ただ、99年のファンドの立ち上げ時に村上氏の趣旨に賛同して1000万円を出資したことや、03年3月にファンドを解約しなかったこと(ちなみに、村上ファンドのようなファンドでは運用期間が決まっている可能性もあるので、そもそも契約上、当時解約権があったのかもよく分かりませんが。解約権がないのに、日銀総裁になるので、特別扱いで解約させて欲しいといったら、それはそれで問題ないというのは・・・日本の価値観だと、そうなるのかも知れませんが)のどこが「悪かった」のか、私にはよく分かりません。
機密情報を不正流用したという話があれば、そのこと自体が厳重に罰せられるべきですが、単に出資をしたというだけでは、円を掌る日銀の活動と利害相反のおそれのない運用先など、およそ考えられないのですから(定期預金こそ一番ダイレクトに利益相反が起きてしまいますし(笑))、こんなことを言い出したらbewaadさんが指摘しているように中銀総裁はタンス預金ぐらいしかできなくなります・・・というか、タンス預金ですら、その価値の目減りを防ぐためには金利上昇を抑えるインセンティブが働いてしまうという意味で利益相反の呪縛からは自由にはなれません。

様々な領域におけるガバナンスの世界で利益相反の問題というのは常に生じるわけで、そのこと自体は長らく意識されながら、未だに解決を見ることは難しい問題です。

中銀総裁は政治プレイヤーであって、理屈の問題としてどうかはともかくとして、自らのイメージの確立にもっと配慮すべきということについては全く異論がないのですが、国民がゼロ金利の間に「結果的に年20%以上で回ったファンドに、日銀総裁が投資を続けていれば不信感を持つのは当然だ」という類の議論でコンフリクト・ルールを設計することが望ましいのかについては、もうちょっと冷静に考えてみた方がいいんではないかという気がしました。

まあ、でも最近、日本というのは、結局シャーマニズムで動いているのかなという気もしているんで、「穢れ」は徹底的に清めるという原理は変わらないのかなという気もしていますし、一通りのつるしあげ(禊ぎ)がすんで、次の「穢れ」が見つかったら、こんなことがあったこも忘れられるんでしょうから、まあいいのかも知れませんが・・・

(追記)

Baatarismさんところの経由で知ったのですが、何か2月に解約したという話があるようですね。
もしそうだとすると、その辺りの対応は、イメージ悪いのは確か。
量的緩和云々というよりは、堀江氏の一件で慌ててイメージ戦略を考えたという辺りではないかと思うんですが、「脇の甘さ」は否めません。
あと、何故「信託」に入れなかったのかという話もあるようですが、信託もファンドも財産を預かって運用するという意味では全く変わらないわけで、二重に信託構造をすればOKで、一段だとだめというのは、(金融取引では倒産隔離や税金などの関係でやったりしますが)個人の財産運用としては余り意味はありませんし、資産がン億円あれば別ですが1000万円ぐらいだと信託手数料で費用倒れになっちゃうんで、ちょっと現実的ではないような気がします。
個別銘柄と為替先物(笑)を禁止すれば十分なんじゃないか、と。

頑張れ、ネドヴェド

先週、快調なペースで更新していたのがパタンとやんで、どうしたんだろうと訝しんでいる読者の方が若干名いたかも知れませんが、かのドイツの地で4年に1度のイベントが始まったのとは偶然の一致、ではなく、1日1試合と決めていたのに、開幕だから、いや、週末だから、と何だかんだ理由をつけて、結局、昨日まで5試合フルで見てしまって、勉強時間の埋め合わせに追われてブログの更新どころではなくなってしまったからです。

ピーター・クラウチの不発ぶりとか、トリニダード=ドバゴの健闘ぶりとか、ドログバの孤軍奮闘ぶりとか、ろっぺん、ろっぺんとか早くも見所が多かったんですが、さすがに今朝の日本戦は何か胸の高鳴りが違ったわけですが、結果は、皆さんご存じのとおりということで、私が何か語るまでもなく、明日の職場では日本国民総出で敗因分析が行われると思うんですが、何か個人的には去年のCLの決勝を思い出してしまいました。

わざわざイスタンブールまで飛んで、ロッソネーロのユニフォームに身を包んで、前半大量リードで余裕をこいていたら、後半、わずか10分程度の間に立て続けの3失点。寒さに凍えながらさっさとスタジアムを後にする背中でうち上がる花火・・・

もちろん、技術的なレベルでは似ているところはどこにもなかったんですが、あのときのラファ・ベニテスとカルロ・アンチェロッティの対照さが、今日のヒディングとジーコに重なったりしました。

まあ、こうなったら、それはそれでしょうがないんで、ある意味、背水の陣でクロアチアに臨んで奇跡を起こすことを期待するしかありません(それにしても3点目は余計だけど)。

ところで、こちらでの中継は勿論アメリカのレポーターと解説者がやっているんですが、全般的にオーストラリアびいきなのは許すとして、身びいきもいい加減にしろ、と思ったのは、「USAがグループFだったら、間違いなくブラジルに次いで2位通過できるのに」とかぬかしていて、ひっくり返りそうになったことです。

というわけで、もうすぐ始まるチェコ-USA戦に向けて、珍しくアメリカは大盛り上がりで、ブッシュまでコーチに電話したりしているようですが、WBCに続いて、是非アメリカにも悪夢を見て欲しいものです。ネドヴェド頼むよ。

さて、そんなわけで更新が滞りがちになりそうないい加減な運営のブログですが、本当は、(現状議論は膠着状態なので、あんまり面白くないんですが)インサイダー規制の政策論の話でもしようかと思ったんですが、池田信夫さんのブログを見ていたら、テーマの生々しさから、感情面でスタックしてしまっているところがあるようなので、こちらは何れということで。
そもそも政策論としてのインサイダー規制のあり方を、立法・行政(金融庁・証券取引等監視委員会)・司法が、どういう形で役割分担するかというところについてのコンセンサスの欠如が、いろんなことの背景にあるような気もしますし。
経済学的な議論の中では、(ミルトン・)フリードマンの発言がビッグネームということで注目しているようですが、池田さんのブログのコメント欄にある内容の範囲では、いくら何でもあれではプリミティブではないかと思います。
インサイダー規制の政策論は、アメリカではもう20年以上議論されてきていて、未だに決着を見ていない(膠着状態にある)論点の一つで、アメリカでは学部レベルの会社法の授業でも触れるというところで、彼我の差を感じるところもあります。
とりあえず、その辺りに興味を持っている方は、(個人的にここでの結論の方向性に賛成するかは別問題ですが)「会社法の経済学」第11章辺りをご覧になると宜しいかと。 

では、チェコ-USA戦が始まりますので、この辺りで(・・・勉強がぁ・・・(><))

(ヤン・コラーの絵に描いたようなヘッドで、まずはチェコ先取。よく見ると、ヤンクロスキーも出てるんで、ミラニスタとしては悪魔の左足に期待しましょう)

インサイダーとネット社会?

昨日の記事について、弾さんから「サイバースペースにおけるインサイダー定義の憂鬱」というTBをいただいたですが、その中で面白い話が。

問題は、何をもって「あなたしか聞いてない」のか、「一般株主も聞いているのか」が判定されるか、にあります。
例えば、上の製薬会社の社員が、このことをblogに書いた場合はどうなのか、SNSに書いた場合はどうなのか、ということです。
例えばblogの場合。これはblogという不特定多数、すなわち一般株主も見れる場所に書いてあるのだから、書かれた時点でインサイダー情報にな るのかならないのか。そしてSNSだったら、基本的にはインサイダー情報だけれども、それが書かれたのが日記ではなく株主コミュニティだった場合どうなる のか?

まず、問題を整理すると、ひとたびインサイダー情報になった情報は、(インサイダーではなく)上場会社自身が一定の定められた方法で公表措置をとらない限りは、たとえテレビのニュースで広められてもインサイダー性は解除されません。この一定の方法というのは、大きく分けると、①臨時報告書など証券取引法所定の開示書類の登録、②新聞など報道機関に対する公表、③取引所を通じた開示(東証の場合はTDNet)に分かれます(※)。
逆にいうと、自社のホームページにプレス・リリースを掲載しても、そのプレス・リリースが報道機関や取引所に渡されなければ「公表」にはなりませんし、マスコミにスクープされ全国版のニュースで報道されても会社自身が正式な開示をマスコミに行っていない限りは、たとえ日本中の半分が知ることになっても、依然として「未公表」事実です。

というわけで、「公表事実かどうか」=「インサイダー情報かどうか」というレベルでは、その情報がどの範囲に開示されたかは問題とはならないわけです。
上のルートで開示されていない重要事実は、全てインサイダー情報です。

では、(それが摘発されるリスクがどの程度あるかはひとまず措いておいて)掲示板やブログに書き込まれたインサイダー情報を見て、取引をしたら即インサイダー取引かといえば・・・ネットを通じた情報取得という面では、「重要事実の伝達を受けた」という要件との関係がポイントです。

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「聞いちゃったら」だめです

村上氏が残すもの」には、多くのコメントとTBを頂きありがとうございました。
で、頂いたTBを拝見させて頂いて補足した方がいいかなと思った点について、少しずつフォローアップをしようと思うんですが、まずは、念のため、この点から。

「聞いちゃったら」だめです

おそらく、弾さんの「聞いたもの負け」というキャッチフレーズが余りにも強烈だったんだと思いますが、21世紀生活研究所さん(「聞いちゃったインサイダー?」)のように「聞いちゃっただけでインサイダーというのは厳しすぎる」という具合にとられた方もいらっしゃったかも知れません。
 しかし、「こっちから聞いたんではない」とか、「儲けるつもりがなかった」とか、「そんな情報は使っていない」という類の言い訳はインサイダー規制では一切認められません。これは、現行法上、もっともクリアーな点の一つであって、その意味で村上氏が会見で「儲けるつもりがなかった」というのは通用しませんし、通用させる必要もないと私も思います(※)。

私が気になっているのは、仮に村上氏のリリースにあるような事実関係だとすれば(但し、この辺りは後述のように検察の主張は大分違うようですが)、聞いちゃったときの状況からすれば現実味の薄い話や、単なる願望レベルの抽象的な話であっても、インサイダー情報になるのか(※2)、という話です。
「聞いちゃったかどうか」が問題なんではなく、あくまで「聞いちゃった内容が何だったのか?」が問題ということです。 

なので、例えば、製薬会社の社員の友人と飲んでいて、「実はこの前発表した新薬の欠陥が分かって回収しなくちゃいけなくなりそうで、そのせいで首が飛びそうなんだよね。ローン組んだばっかしなのに、やってられないよ」と聞いてもいないのに一方的に愚痴られたとしても、その話を「聞いちゃった」以上は、その会社の株の売買はできません。持っているその会社の株は塩漬けです。
たとえ、「前から売るつもりだった」とか「結局、業績の上方修正と一緒の発表だったから株価は下がらなかった。むしろ上がって損したぐらいだ」と言うのは、何ら言い訳になりません。

なので、その意味で「聞いたもの負け」は、証券取引の基本的なルールであって、これ自体は言い訳は効かないので、その辺りは、どうか誤解しなで下さい。
極端なことを言えば、そういう気の置けない友達がいるとかで、インサイダー情報が望まないのに入ってしまうかもしれない会社の株は持たない方がいいと言ってもいいぐらいです。
(この辺りの、実務における心構えについては、ぐっちーさんが書かれているので、そちらも是非ご参照下さい。私も全面的に同意します(※3)・・・が、日本の場合、証券取引等監視委員会に相談してもノー・アクション・レターはもらえないので、結局、塩漬けにしたまま、インサイダー情報が公表されるまで待つか、どこかで委員会の感触を掴みながらリスクをとらざるを得ないというのがイタイところですが・・・)
その意味で、検察が「聞いちゃったこと」を問題視するのは、全然不思議なことではありません。 

問題は、それでも親から相続してしまったとか、職業がファンドマネージャーという因果な商売でポートフォリオを組むために仕方なく持ってしまっていて、友達にも微妙な話はやめてくれよ、と常々言っているのに、数か月前に新薬開発の功績で昇進したと喜んでいた友人が「うーん、もしかしたらだけど、おれ飛ばされるかも知れないんだよね」とため息をついているのを聞いてしまって、「あ、何かあるらしい」と思ってしまったとか、夢はビル・ゲイツ越えという新興IT会社の社長が「おれの夢はトヨタのオーナーになることなんだよね」と聞いたら、どうなんでしょうね、というところです。

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レジ袋有料化関連フォローアップ

村上氏逮捕に関しては、色々と思うところもあるんですが、まあ、これ以上はブログで書いても詮ない話なんで、気分転換に別の話を。
前にふれたことがあるレジ袋有料化関連について、その後、フォローアップを怠っていたんですが、下の記事でふと思い出しました。

モスバーガー、ポリ袋全廃し紙袋に 7月から全店で(asahi.com)

モスバーガーなどを展開するモスフードサービスは1日、持ち帰り用に使っているポリ袋を、すべて紙袋に切り替えると発表した。7月には全国約1500のす べての店で実施する。05年度に約4478万6000枚使っていたポリ袋をなくすと、原油換算で年間約350キロリットルの節約につながるという。・・・
紙袋の1枚当たりの単価はポリ袋の10倍程度になるが、包み方の工夫で袋の使用量をポリ袋に比べて半分に減らし、経費を抑える。

会社のプレス・リリースはこちら。

これを見て思ったのは、法規制なんかしなくても、消費者側の環境に対する意識が高まれば、こういう環境への負荷を少なくする戦略を企業が一種のブランド戦略として実施していくはずなので、「法律で「義務」づけて、罰則を設ければいい」という発想には、やはりなじめないというのが一つ。

で、もう一つは、ただ翻ってみて、ポリ袋→紙袋、とか、「バイオマスプラスチック」というのは、本当に環境に優しいんだろうかという疑問が・・・ポリ袋→紙へのシフトは森林資源への影響とか、再生紙だとしても、その際に必要となるエネルギーとの比較も考えなくてはいけなさそうだし、バイオマスプラスチックも同じく、それに要するエネルギーによっては、化石燃料を節約した意味が乏しい場合もありそうな・・・

まあ、でもこういうことを考えていなさそうな企業よりは、好感を持てるのは確かなところで、個人的にモスは好きなんで、頑張って欲しいところです。

で、本題のレジ袋有料化関連のフォローアップの方としては、もう数か月前のことになりますが^^;、環境省の「今後の容器包装リサイクル制度の在り方について(意見具申)」でまとめられているようです。
レジ袋有料化に関連する部分は、以下のように書かれています。

レジ袋等について、これまでの小売業者の自主的な努力により達成された マイバッグ持参率の水準を更に向上させ、その使用量を大きく削減できるよう、小売店 における無料配布の抑制のための法的措置を講ずることにより、買物袋の持参を促進す ることが必要である。この措置の具体的な内容については、実効性の確保を旨としつつ、 法制的な観点も含め妥当な方策を検討すべきである。
これらの措置の対象としては、公平性の観点から、利用する業態としては、スーパー マーケットのほか、コンビニエンスストア、百貨店等も含めるとともに、袋の種類とし ては、いわゆるレジ袋だけでなく、同様の機能を有するプラスチック製又は紙製の手提 げ袋等も対象とすべきである。なお、具体的に対象を検討するに当たっては、それぞれ の小売業の業態や個々の袋等の機能について、十分に勘案することが必要である。

 で、これを受けて、今国会で「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律の一部を改正する法律案」が提出されているのですが、この中で「小売業等について、「事業者の判断の基準となる べき事項」を主務大臣が定めるとともに、一定量以 上の容器包装を利用する事業者に対し、取組状況の 報告を義務付け、取組が著しく不十分な場合は勧 告・公表・命令を行う措置を導入する」とありますので、この「勧告・公表・命令」措置を使ってレジ袋有料化を義務づけるということのようです。

よくも悪くも制度運用の柔軟性は確保されるようですので、この辺りは具体的な運用にあたってのお手並み拝見というところで、引き続き(また気づいたら)フォローしてみます。

村上氏が残すもの

(追記あり) 

今頃、日本では凄い騒ぎなんだろうなと思いつつ、村上氏が日本時間午前11時からの記者会見で「インサイダー取引」を認めたという報道をネットで見ているところです。

M&AコンサルティングのHPには、早速村上氏個人名義で「ニッポン放送株式の売買について」と題するリリースが掲載されています(このPDFのファイル名も泣けます)。

これによると、村上氏の「認めた」事実経緯は次のようなものであったようです。

・・・2004 年11月と2005 年1月にライブドアの堀江社長(当時)をはじめ とする方々が弊社を来訪された際、同社がニッポン放送株式を5%以上取得したいとい う意向をお持ちであると伺いました。
・ただ、当時のライブドア社の財務状況に鑑みれば、ニッポン放送株式を5%以上買い集めることは不可能だと考えており、当該意向は、ライブドアの単なる願望だとしか受け止めておりませんでした。・・・
・しかしながら、上記のライブドアによる株式取得の意向は、証券取引法167 条、同法施行令31 条に規定するインサイダー情報としての5%以上の株式買い集め行為について の決定であると解釈されるものであり、このような情報を知った以上は、MAC アセッ トマネジメント社の実質的なオーナーであり、非常勤取締役である私は、同社によるニ ッポン放送株式の買付けを停止させる義務がありました。
・十分な注意を払わずに上述の義務を怠ってしまったことは、職業として株式投資に関わ る者としては失格であり、ファンド出資者の方々にご心配をお掛けするとともに、皆様 をお騒がせしたことにつきまして、ここに深くお詫び申し上げます。

村上氏が、何故この段階で認めたのかという点については、いろいろな憶測が可能でしょうが、事実については認めて勾留の長期化を避け、情状を確保しつつ、公判では弁護士を前面に立てて「村上氏立件へのハードルとその影響」であげた167条の構成要件解釈に関する点をつき無罪を争うというのが一つの見方でしょうか。

・・・ただ、もし村上氏が、それすらも争わず、およそ上に掲げたような事実関係の下でもインサイダー取引に該当するという先例(※)のみを残して、日本を去ったとしたら・・・この「先例」は166条インサイダーも含めて、日本の証券取引実務に落とす影が村上氏が愛想を尽かした日本市場に残す呪いなのかも知れません。

あるいは、村上氏が「改心」して、およそ上に掲げたような基準の下で、村上氏が心当たりのある犯罪に当たり得る行為を全て検察に情報提供したとしたら・・・

レッドソックスはバンビーノの呪いに86年間苦しめられましたが、さて、村上氏の呪いはどうなるか・・・と、いったら考えすぎなんでしょうか。

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GSによるワールドカップ予想

ちょっと陰気な話が続いたので、マンキュー先生のブログ経由で知ったGS(Goldman Sachs)の発表した"The World Cup and Economics 2006"(pdfで結構重いのでご注意を)をご紹介。

マンキュー先生は、この中でFIFAランキングと一人当たりGDPとの間に相関が見られるという結果を真に受けて悩んでいますが、とりあえずFIFAランキングの信頼性とか、FIFAランキングとブックメーカー・オッズとの相関の弱さを疑った方がいいんじゃないかというヤボなツッコミは別として、ベッカムやサー・ファーガソンが選ぶベスト・イレブンとかいうほのぼのネタもあり、まあ結構楽しめるんではないかと思います。

日本チームの分析も32頁辺りにあるわけですが、一番の注目を集めるのはジーコのブラジル戦関係のコメントだろうというのが何とも・・・

ちなみに、GSによる優勝予想は、こんな感じです。

  1. ブラジル(12.4%)
  2. イングランド(8.4%)
  3. スペイン(8.3%)
  4. フランス(8.3%)
  5. オランダ(8.0%)

ちなみに、日本の優勝確率は・・・0.9%で韓国と同率、オーストラリアよりは高いというところで、今年、100回ワールドカップをやったら1回ぐらいは優勝できるというこの確率を高いとみるか低いと見るかは人それぞれではないかと思います。

村上氏立件へのハードルとその影響

きっと日本ではテレビや紙媒体も凄いことになっているんじゃないかと思いますが、海の向こうではネットぐらいしか情報源がありません。
それを見ていると、週明けにも立件ということで、基本的なストーリーは12月中に村上氏とLD側が接触した際にLD側の買付情報を村上氏が知って大量保有報告書で明らかになっている買増しを実施したということのようです。
これが基本ストーリーだとして検察の立件に立ちはだかる3つの法的なハードルと、もしそのハードルがクリアされてしまった場合に何が起こるかということを簡単にまとめてみましょう。

いつ「買付」は決定されたのか?

一つ前の記事でも書きましたが、日本のインサイダー規制においては、いつ「決定」がなされたかということが、大きなメルクマールになります。
これは法的な機関決定のタイミングではなく、その会社での意思決定の実態を踏まえて考えるべきとされています。過去の裁判例の傾向を見ると、LDの場合は社長である堀江氏が「決定」をすれば、取締役会での正式決議よりも前であっても「決定」はあったとみなされる可能性は高いでしょう。
問題は、堀江氏の中で、どの段階まで至れば「決定」と言えるかという点です。

例えば、12月に村上氏から提案された際に、ニッポン放送株式の取得も「将来的には」考えていたが、「具体的な」計画になったのは、フジテレビのTOBが開始された後で、ここから資金調達の手法なども具体的に検討し始めて、2月8日に間に合わせた・・・こういう事実関係の中で12月の堀江氏の心境をもって「買付」が「決定」されていたということはできるんでしょうか?

あるいは、12月の段階で堀江氏が社内でニッポン放送株式取得の是非についての検討を指示していたが、まだ検討中の段階であった場合は?

今回の場合は、その核心にいる堀江氏から証言をとることができるかが非常に微妙であり、その意味で堀江氏の内心に頼って事実を構築することにはリスクがあります。

そうすると、法解釈の問題として、「決定」のタイミングを早めることはできないか?、と、考えるのかも知れませんが、仮に上のように「抽象的な計画段階」や「検討段階」でも「決定」があったということになれば、単にファンドが苦しむというのではなく、上場会社の事業活動にも影響が出てきます。
例えば、自己株取得プログラムを決定するに際して、社内に他社との統合の「検討プロジェクト」があったら、当該プログラムによる自己株式取得にインサイダー規制の問題が生じてきますし、それ以上に、一応、東証の開示ルールではインサイダー情報が発生した場合には適時開示が求められていることからすると、そうした段階での適時開示が求められるというような話にもなってきます。

そういう意味で、検察が「決定」時期について、どのような法的解釈をとってくるのかは、ファンドだけでなく上場会社一般の実務にも影響を及ぼす可能性があるわけです。

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ファンドの活動とインサイダー規制

今にして思えばタイムリーな話なんですが、昨日、とある金融関係の人と飲んでいて、次のような質問を受けました。

ファンドが投資先企業にこまめにインタビューをして得た情報で株の売買をやることはインサイダー取引にあたるのか?

日本のインサイダーには、色々と難しいというか答えにくい質問がたくさんあるんですが、これはそうした質問の中でも最も難しい質問の一つです。
で、昨日の段階では、「ケース・バイ・ケースなんで・・・」ということで答えておいたんですが、今後村上氏の案件がどうなるかは別として、もっと広い文脈でファンドとインサイダー規制との関係は注目を浴びてしまうでしょうから、ちょっと一度整理しておいた方がいいかも知れません。

日本のインサイダー規制の基本的な構成

まず、日本のインサイダー規制の基となる条文は証券取引法166条ですので、この条文のエッセンスだけを切り出して確認しておきましょう(ちなみに、これは会社関係者インサイダーの話で、これとは別に買付関係者インサイダー規制があることについては、一つ前のエントリーを参照ということで)。

・・・「会社関係者」・・・であつて、・・・重要事実・・・を・・・知つたものは、・・・重要事実の公表がされた後でなければ、・・・「売買等」・・・をしてはならない。

原文は、ごちゃごちゃしていますが、こういうことであって、「会社関係者」が「未公表」の「重要事実」を(一定のルートで)知りながら、株式を売り買いしてはいけません、というのが基本的なルールです。

従って、あとは、ファンドが会社の関係者にインタビューをして知った事実を基に売買をすることについては、この各要件に照らして考えていけば、答えが出るはずなんですが・・・
 

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村上氏に買付関係者インサイダーの疑い?

(早速+6/2追記あり) 

インサイダー取引:村上氏を捜査 東京地検特捜部(毎日新聞)

「村上ファンド」を率いる村上世彰代表(46)に証券取引法違反の疑いがあるとして、東京地検特捜部が捜査を進めていることが分かった。05年のライブド アによるニッポン放送株買い占めが公開買い付け(TOB)に準じる行為に当たり、村上代表は買い付け情報を事前に知りながら同社株を売買したとされ、 TOBに関して禁じられたインサイダー取引の疑いがあるという。特捜部は証券取引等監視委員会とも連携し、既に関係者から聴取した模様だ。・・・
関係者によると、この時にライブドアが時間外取引で5%以上のニッポン放送株を買い集めた行為は、証取法上の「TOBに準じる行為」に当たるという。村上 代表は、ライブドアによる株取得情報を公表前に得てニッポン放送株を売買したとされ、特捜部はこうした行為が証取法の「公開買い付け者等関係者等が禁止さ れる行為」としてのインサイダー取引に当たる可能性があるとみている模様だ。

・・・というわけで、この「関係者」というのが誰かよく分かりませんが、この記事が正しいとすると、問題となっているのはライブドアによるニッポン放送株買付に際しての話のようです。
これがどう発展していくのかは、今の時点では予断を控えますが、とりあえず当時旧ブログの方で、今回問題となっているインサイダー取引と通常のインサイダー取引の違いをまとめているので、そちらをご紹介です。

この記事で書いているように、今回問題となっているのは、通常のインサイダー取引ではなく、買付関係者インサイダー取引です。この買付関係者インサイダーの一つの特徴が、問題となる取引は「売買」のうちの、「買い」だけで「売り」は問題とならない点。

というわけで、当時、村上氏はニッポン放送株の処分はやっていましたが、「買増し」はどうだったんだろう?ということで、この買付の前後のニッポン放送株に関するMACアセットマネッジメント(以下「MAC」と略します)の大量保有報告書を確認してみると・・・

  • 1/13 変更報告書(27条の25第1項)
    この報告書では、最後の売買は1月5日803,050株の取得で、この時点で18.57%保有ということになっています。
    こちらは、普通の大量保有報告書なので直近60日間の売買が報告されています。
  • 3/15 変更報告書(27条の26第2項)
    この報告書では、保有株式割合が18.57%から3.44%に落ちたので、証取法27条の26に定める「特例対象株券等」に落ちたということで、直近60日間の売買は報告されていません。 (この辺りについては、isolgue「敵艦スクリュー音、未だ無し!(ニッポン放送株:解決編)」をご覧下さい)

さて、そうすると、MACが証取法の規定を遵守していると仮定した場合、少なくとも、MACの持株割合が10%に下がる前に1%以上買いますことはできない(というか、していない)・・・と、もう少し歯切れよくいうと、(当事者たちはあくまで市場で誰が買ったか分からないと仰っていますが)ライブドアのToSTNET取引の相手方がMACであり、この2/8の時点でMACが8.57%以上の株式をライブドアに売ったのだとすれば、MACは2/8より前に1%以上のニッポン放送株式を買っていないということになります。

とすると、最初に戻って、買付関係者インサイダーが成立するためには、①ライブドアがニッポン放送株を5%以上取得することを決定していて、かつ、②ライブドアの関係者が村上氏にその事実を伝達し、③その事実を知りながらニッポン放送株式を買いましたということが立証されなくてはいけません。
仮に村上氏が1/5の後、2/8までの間に買増しを行っていないとすれば1/5以前の取得の際に、少なくとも①ライブドアがニッポン放送株を5%以上取得することを決定していなくてはならないわけです
まあ、この間に1%未満の買付行為があって、そこを問題視しているという可能性もあるんですが・・・もしそうだとすると、ライブドアは村上氏を信頼して相談を持ちかけたのに、村上氏は、それを使って一儲けした・・・でも、1%以上は買わなかったという話になるわけですが・・・なんか、「せこい」んですよね。出し抜くなら、5%ぐらい噛まして、鮮やかに出し抜けばいいし、1%に満たないステークスのために、相手との信頼関係を損ないかねないようなことをするというのも何かしっくりこないものがあります。

何れにせよ、今回のシチュエーションでは、仮に上記①~③が立証されたとしても、④村上氏による買増し行為が、ライブドアの意を受けて後にライブドアに株式を売却することを合意した上での行為であったとすれば、村上氏とライブドアは「共同買付者」であって、買付関係者インサイダーには引っかからないという解釈の余地も残っているところです(ただ、ここは文言解釈上微妙というのは、旧エントリーをご覧下さい)。
もっとも、当時は、当事者は、確か、お互い市場で売却したのであって誰に売ったかは分からなかったと言っていたはずなので、こういう話になると、当時のライブドアによる株式取得の経緯の際の適法性が怪しくなってくるわけですが・・・

何れにせよ、これまた法的には色々と論点があるということで、今後の推移は冷静に見ていきましょうということで。取り急ぎ。

(追記)

買付関係者インサイダー(167条)という趣旨の報道は、今のところ毎日だけのようですし、磯崎さんも 

「166条じゃなくて167条じゃないか」てなことをおっしゃる方もいらっしゃるようですが、どうなんでしょうか。

と仰っているので、上の話は、あくまで毎日新聞の記事が正しかったらという前提ですので、そこのところはご注意を。

(6/2追記)

その後の新聞報道を見ていると、1月5日以前に、①ライブドアによる買付情報を知っていた、という方向性と、②フジテレビのTOB開始の情報を知っていたという観測が見られるようです。

①ということになると、2月8日の1か月以上前の時点でライブドアが株式取得の「決定」がなされていたことになりますが、その間にフジテレビTOBという大きな状況変化が起きているわけで、これがなかったら取引ボリュームにかかわらず株価がTOB価格に張り付くという特殊な状況は起きなかったわけですから、その意味でも買付「決定」が12月にあったと言えるかは少し微妙。

②ということになると、TOB自体の準備は当然1か月前からやっているでしょうから、「事実」としては存在している可能性は高いわけですが・・・TOB情報を知って株を買い集めることは、市場買付と比べると摘発されるリスクは遙かに高いことを考えると、逆に、村上氏ほどの百戦錬磨の強者が何の法的なロジックもなく、そんな危ないことをやるのか、というところが腑に落ちないところです。

「一括法」は滅びゆく運命なのか?(1)

(磯崎さんの指摘により仕訳修正)

さて、というわけで、何とも前置きが長くなってしまいましたが、本題である「一括法」と「区分法」の比較に入っていきましょう。

二つの「区分法」

まず、最初に、「一括法」との比較対象である「区分法」には二つの区分法があることを確認しておく必要があります。
これは、既に磯崎さんが「会社法下の転換社債(「区分法」と「一括法」)」というエントリーで、次のように指摘されているところです。

これだけ[引用者注:金融商品会計基準注解(注15)1]読むと発行価格100%を、社債部分(例えば95%)とオプション部分(同5%)に分けるようにも読めますが、「金融商品会計に関する実務指針」 のIII説例による解説、説例26「転換社債の会計処理(区分処理)」のとおり、社債の額面は(返済義務なので)満額100%で計上しなきゃダメですか ら、オプションバリュー部分が100%の外書きになります。

つまり、①実際の払込金額の「内枠」でデット部分とオプション部分の価値を配分する「区分法」と、②デット部分については「額面」で固定しておいて(※)、オプション部分の価値を「外枠」で計上する「区分法」の二つがあるわけです。
以下では、便宜のため、前者を「「内枠」区分法」と呼び、後者を「「外枠」区分法」と呼ぶことにします。また、単に「区分法」と言ったときには、実務で使われている「「外枠」区分法」を指すものとします。 

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