JUSTICE Alito 誕生 [ January 31, 2006 ]
Alito Is Confirmed for Supreme Court in 58-42 Vote (New York Times)
明日に備えてやらなければならないことが結構あるのでクリップだけですが、 Alito判事が米国の連邦最高裁判所判事(Justice)として承認されました。
まだ55歳の若さですので、先だって主任判事に就任したRobertsと共に、今後20年以上アメリカの司法界をリードしていくことになるのでしょうね・・・今のところは、それ以上の感慨はありませんが、数年後にふと、この時がアメリカの一つのターニング・ポイントだったと思い返す日が来るのかも知れません・・・
坊主にくけりゃ袈裟まで・・・ [ January 26, 2006 ]
今週前半ブログに力を入れすぎたせいで、つけが回ってきています。
コメントやTBへの対応が、遅れると思いますが、どうかご容赦を。
昨日の記事のVaboさんのコメントを拝見して、ちょっと考えが変わったので、筆が滑らない範囲で、実際に企業法務をやっている弁護士の目からみて、面白い記事をクリップしてみようかな、と。リンク切れがあるかも知れないので、ご賞味はお早めに(また新しい記事があれば追加するかもしれません。あと適宜不適切な表現は手直ししてますんで^^;)
(追記)なお、以下の記事についての論評は、「違法」という文脈や検察の捜査の正当性を支えるものとしては「?」があるという趣旨で書いているものです。その点をおいて、紹介されている取引をみれば「怪しさ満点」の会社であったという雰囲気はよく分かります。ただ、「怪しい」と「違法」は全然別の話ということで・・・
- ライブドア子会社、休眠会社買収…株交換受け皿狙う (YOMIURI ONLINE)
有限会社から株式会社への組織変更は手続的なしばりや増資のためにキャッシュが必要な場合には、手頃な休眠会社が見つかれば、それと合併させてしまう方が楽なんですよね。別にそれ自体は、何ら違法でもないし、とびぬけて変なスキームではありません。
- ライブドア、アダルト関連会社に休眠会社売る (Yahoo News-読売新聞)
これも休眠会社ネタ。もちろん、休眠会社を売ること自体が犯罪なら、私もお縄(笑)・・・アダルト関連会社に休眠会社を売ることも適法・・・ここには違法の「い」の字もありません。
ただ、ちょっと気になるのは、報道のとおり、休眠会社に3000-4000万円の値がついたところ。組織再編税制を考えると、繰越欠損を使うのも簡単ではないんで、休眠会社の相場は、まあ上の記事でも出ているぐらいのお値段のあたりで、それからすると随分と奮発しているという感は否めません。
ネタとしては悪くないと思いますが、つっこむならこの対価の決め方の部分でしょうね。繰り返しになりますが、休眠会社を売ることそのものは違法でもないし、相手がアダルト関連会社でも悪くはないと思います。
- ライブドア、無価値企業「健全」と仮装 (YOMIURI ONLINE)
このタイトルの付け方も凄いですね。債務超過会社と株式交換はできないというのは、その通りですが、その場合の対処法として株式交換前に増資をして債務超過を解消しておくというのは、むしろ資産の評価換えや時価評価(のれんを勘案)を使って実質債務超過ではないという形をとるよりも、はるかに「安全」あるいは「保守的」な方法だとされているんですが・・・書き方一つで犯罪みたいに見えるんだから、不思議ですねぇ・・・
(もちろん、その結果達成された株式交換が偽計取引の一環だということの一つの「事情」として、価値のないものを無理矢理買ったといいたいのかも知れませんが、BSやあるいは清算価値で債務超過かどうかとのれん(営業権)を勘案した企業価値がないことは全く別の話で、買収側が売主に対して交渉上「価値はほとんどないんですが」と言うこともあり得ない話ではないわけです・・・本当に実質的に値段がつかなかったのであれば売主がスキームに協力するはずはないので、交渉の中で言われた「価値はない」という(ブラフかもしれない)言動ではなく、最終的に(実質的に)売主にいくら支払われたのかがポイントのはずですよね)
ちょっと気になったのは、利益還流の仕組み(01/23)(asahi.net)。同じ取引の図だと思うんですが、ファンドと個人株主の間でLD株式の売買がなされていますが、このタイミングは何か気になるところです。
- ライブドア粉飾、連結決算外を装う 子会社利益で黒字化 (asahi.net)
「ライブドアが支配する同組合が全株式を保有するロイヤル社とキューズ社は、子会社化の公表前の時点ですでにライブドアの連結決算対象の子会社になっていた。」・・・これこそが、今回、最も争点となり得るところで、もし、こういう形でファンドの連結を考えなくてはいけないとしたら、実務に大きな影響を及ぼすところなんですが・・・その一番の争点が既に決着がついたことになった上で、「粉飾」だったというのは、ちょっと論理的には説得力がありません。
この手の論理は結構多く見られるんですが・・・私は検察ですら、現在のファンドの実務を大きく覆すような大胆な論理はとらないんじゃないかと・・・それ故に中心罪状は証取法158条であって、個々の取引は違法であっても「全体として」というロジックをとりたがっているんではないかという、(希望的)観測を持っているところです
- 投資組合に届け出義務、立ち入りも可能に…金融庁検討 (Yahoo News-読売新聞)
あと、面白いので、これもついでに。ここに書いていること自体は、別に面白いことが書いているわけではありません。発想法としてもある意味非常に健全です・・・ただ、実際に起きることは何かというと・・・皆カリブに旅立つだけではないかと・・・それとも鎖国?
(要するに、国内でファンドの規制を厳しくしたとしても、それによる手続コストが増えれば、ケイマンなどのカリブ諸国にファンドやSPCにシフトするだけではないかという意味です。従来、海外にシフトしていたビークルを国内に呼び戻すべくいろいろな法改正や施策がなされてきたのですが、その動きがまた戻るかも知れない、と・・・金融の世界は本当にボーダーレスになりつつあるんで、国内の規制を厳しくするだけでは、自己満足で終わってしまうんですよね・・・ただ、これは別に新聞記事が悪いという話ではなく、金融庁の規制の方向性自体の問題です(最終的に株式分割と同じで市場秩序に委ねるという形になる可能性もあるでしょうし))
- ライブドア、分割当日に関連会社株売却・約34億円の収入 (NIKKEI NET)- 1/26 18:30追加
これが本当ならライブドア「くさいぞ」と思って中身を見ると、要は、①子会社株式が株式分割で株価上昇、②子会社株式を一部売却して利益を得た・・・これが、「子会社の業績がよかったので株価が上昇した際に子会社株式の一部を売却して利益をあげた」という話なら、まさか非難されないんでしょうから、結局は、「株式分割で株価があがった」という部分を問題としていることになっちゃいますよね・・・うーん
ただ、株式分割で株価が上がることそれ自体は、何ら違法じゃないんで、一時的に需給が逼迫する間に、意図的に買い注文を出して株価をつりあげるといった行為(これは明らかな相場操縦ですが)とか子会社にインサイダー情報があって、それを株主としての権利行使に際して知った(か、まあ普通は一次情報受領者でいくんでしょうけど)とかいう事情がない限りは、原因が何であれ、市場で形成された株価で子会社株式を売却して利益を上げることは違法でもなんでもありません・・・この株式分割が違法であるかのような表現もよく見るんですが・・・検察ですら、おそらく問題としているのは、株式分割そのものではなく、一連のスキームのはず(まあ、この辺りはneon98さんのエントリーでも見ていただいた方が宜しいかと)
それよりも個人的な疑問としては、もし報道されていることが事実だとすれば、売る物をどうやって入手したのか(予め保振に預託していた?)という点と、どうやって市場の需給バランスを崩さずに売り抜けたのかが気になるんですが・・・
あと、株価つり上げが主眼 近鉄球団・ニッポン放送買収名乗り (asahi.net)もあげておきます。これも、球団やニッポン放送の買収に名乗りをあげたこと自体は違法でも何でもなく、それによってLDの知名度があがって株価があがったのも違法ではありません・・・ここでは「株価『つり上げ』」自体が悪いものであるかのように思われているんですよね・・・少なくとも、捜索差押えや堀江氏の身柄拘束の根拠となったのは、株価を上げる試みそのものではなく、その手段が法的に許されないもの(違法)であったかどうかだということは忘れないようにしたいところです。
- 高知競馬のホリエモンが出走中止に 堀江氏の逮捕受け (asahi.com)-1/26 19:45追加
だんだん本来の趣旨から離れている気がしないでもないんですが、将来自分で見直したときに、「ああ、そういうこともあったね」と思い出せるように。松木調教師は「馬は健康なので、次走に向けて馬主と相談したい。本当に馬には罪はないのですから」と話している。
同感です。
とりあえず、今日のところは、こんなところで・・・ふむ。何か、こういう具合にブログのネタを提供してくれていると思うと、そんなにカリカリしなくていいかもという気になってくるのが不思議なところです。
「正義」のコスト:コメント・TBありがとうございました [ January 24, 2006 ]
(末尾に追記あり)
昨日のエントリーに対して、予想以上に多くの方々からコメントとトラックバックを頂き、本当にありがとうございました。
このまま私自身は何かを付け加えない方が美しいかなとも思いつつ、皆さんからのコメントやエントリーを拝見していて、思い浮かんだことを書きとどめておきたい欲望には逆らえません。蛇足の類になりますが、ご海容を。
なんで今更?
たぶん、昨日書いたことというのは、分かっている人々にとっては、自明のことで「何を今更」というぐらいのことなんでしょうね。でも、私にとっては、漸くそのことが分かったのが昨日だったんですよ。
ちょっと時間を遡ってみると、最初、検察がライブドアに強制捜査に入ったという時点での、私の心持ちは、どちらかといえば検察よりでした。別にライブドアだからだったからということではなく、法律やルールはあっても、実際には執行されることは稀という現状を変えていく・・・それこそ昨年の時間外取引について、早々と違法ではないという立場をとった当局に物足りなさを感じていた身としては、証券市場における法の支配を実現するという「強い意志」は歓迎すべきものでした。
多分、この時点では、私は、くさっても(失礼!)時価総額8000億の企業、検察にやられっぱなしでは終わらないだろう・・・一般的にみれば「屁理屈」と言われるかもしれないけど、何らかの合理的な説明や正当化を持ち出してくるんだろう・・・「最終的に」検察にとりこぼしはないだろうけど、検察の当初の意図したところに持っていけるかは、ライブドアの弁護側の腕次第だろう・・・たぶん、どこか楽観的にそう思っていたってことですね。
ところが、1週間が過ぎる間に、ライブドアの心臓である堀江氏の身柄拘束、そして監理ポスト入り・・・ことここに至って、ようやく、私はこれが「人ごとじゃない」ということに気付き、国家権力の大きさに気づいたんだと思います。
憲法や刑事訴訟法を勉強し、修習で実務に携わっていたときにも、「国家権力の謙抑性」というコンセプトは頭にあったわけですが、おそらく、どこかに「一個人の力は弱いから」という暗黙の前提があって、それはビジネス・ロイヤーである自分とは少し遠い世界・・・むしろ、ビジネス・ロイヤーである自分にしてみれば、企業が問題に直面したときに国家権力との関係をうまく保ちながらソフトランディングさせるのが腕の見せどころ・・・
けれど、そんな「かけひき」とか「腕」が入り込む余地は特捜とライブドアとの関係にあったのか?
ライブドアの弁護士の腕の悪さが、今回のような事態を引き起こしたのか?
・・・自分なら違うと信じたいところですが、できることといえば全面降伏の上でちょっとした温情にすがるぐらいしかないんじゃないかと思ったときに、「自分ごと」として、国家権力の大きさが身に染みたってところです。
というわけで、遅ればせながら、「国家権力は大きい。縄をつけなきゃいかん」というありきたりなことを、大見得切って言ってみたりしたわけです。
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「消費者団体」訴訟制度≠消費者「団体訴訟」制度 [ December 22, 2005 ]
neon98さんとtoshiさんのところで話題になっているので知った消費者団体訴訟制度の話を見ていて、私はてっきり消費者「団体訴訟」制度(Consumer Class Action)が導入されるのか、と思っていたんですが、中身を見ると、これはどうも「消費者団体」訴訟制度(Consumer's Group Suit)なんですね。
日本語の切れ目って難しいですねぇ・・・って、それだけじゃ余りにも頭悪そう(- -)。
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NASDAQでは、こうしたらしいよ [ December 17, 2005 ]
証券市場の公正と信頼にコメントを頂いたくまさんのブログで2003年12月に起きたNASDAQでの誤発注事件の処理について紹介されていました。
大変勉強になりました。くまさん、ありがとうございます。私には、この処理はすごく健全に思えるんですが、皆様はいかがでしょう?
「昔の事例」でリンクしたのは、2003年12月に起こったナスダックでのCorinthian Colleges(COCO)の取引をめぐるものです。朝10時46分にCOCOの株式は57.45ドルから38.97ドルに急落、Nasdaqは同社に急落の原因となるようなことがあったかどうか確認すると同時に急落の原因となった注文の出所を突き止め、12分後の10時58分には取引は何らかの間違いであるという自己判断のもと同社株の取引を停止、取引停止までに執行されたすべての取引をキャンセルしたという事例です。
この決定に関しては当然その後、多くの疑問、批判もありましたが、Nasdaqは「投資家と一般の利益の保護、および公正で秩序正しい市場の維持のためには必要な措置であった」と訴訟やSECによる調査の潜在的圧力にもかかわらずなかなか骨のあるところを見せていました。法律的にはどうなのかは分かりませんが、この手の大ミスに関しては執行しないというポリシーで宜しいのではないでしょうか。
ところで、このくまさんのEconomics, Technology & Mediaは、今まで存じ上げなかったのですが、非常に勉強になる内容が多く、早速Bloglineに登録させていただきました^^
「異常売買無効制度」の前に [ December 14, 2005 ]
東証、「異常売買無効」制度を検討・自民会合で発言 (NIKKEI NET)
東京証券取引所の天野富夫常務は14日朝、自民党の企業会計に関する小委員会(委員長・渡辺喜美衆院議員)に出席し、8日に起きたジェイコム株の誤発注のような異常な売買が行われた際には、売買契約そのものを無効とする制度の導入を検討していることを明らかにした。・・・東証の天野常務は欧州の一部では、発行済み株式数を大幅に上回るなど異常な売買が成立し、かつ影響が重大な場合は、取引所の判断で売買を強制的に無効とする規定があることに言及、今後の検討課題だと述べた。大手証券会社がジェイコム株を大量に取得した問題では、証券会社の自己売買のあり方などについて規定する考えも示した。
とのことですが、その前に現在の民商法の枠組の中でできることとできないことをもう少し詰めて欲しいという気がします。
あと、この「異常売買無効制度」は、当事者間の契約の成立や効力に直接に介入するわけですから、取引所のルールとして定めるべきものなのかどうかも検討の必要があるような・・・もちろん、理論的には約款や会員証券会社との契約に盛り込むことで達成できるんでしょうけど・・・この前の黄金株問題でも、議論がありましたけど、市場の番人としての立場と、事実上、独占的な力を持っていることとのバランスの取り方が、ここでも問題になってくるような気がします。
取り急ぎ目についたので。メモだけ。
結果よければ全てよし
昨日、みずほ証券の誤発注問題について機会主義的行動をそのまま認めていいのかという記事を書いたんですが、ろじゃあさんのブログを読んでいたら、大手証券会社が利益の全額返還を決めたということのようです。
詳細はまだよく分かりませんが(Harwaveさんのコメントによると、基金や財団への寄付を検討という話もあるようですが)、まあ、とりあえずは結果としてはよかったんじゃないでしょうか・・・
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記事も書かずば撃たれまい・・・ [ December 06, 2005 ]
という、しゃれにもなっていないようなことを、たまに思います。
基本的に、ブログでは、恥もさらしながら、結構思いついたことをそのまま書いているのですが、やっぱり「これは書かない方がいいんだろうな」というネタがあるんですよね。
一つは当たり前ながら、本職に密接にかかわるところで、抽象的な評論すらしにくいものというのは、やっぱり色々と出てくるわけです。弁護士の場合は、守秘義務というボトムラインさえ守っていればというのがあって、官僚の方のブログのように万が一所管事務との関連を疑われるといけないので実名をさらすことができないというような制約はないんですが、そうは言っても、やっぱり何か書きにくいという話はあります。
で、もう一つは、逆に、全く門外漢の分野に関することです。
いや、本当に全然畑違いだったら「素人考えなんですけど」ということでいいわけですが、微妙なのは、法律関係だけど専門外のところです。
こっちも言ってみれば「素人」なんですが、何せ一応法律関係だったりすると、あんまりあほなことを書くと「あんたそれでも弁護士?」と白い目で見られそうな気がして書けなかったり・・・あとは、何か感情的な反応を呼び起こしてしまうかも知れないので避けた方がいい・・と思って書かないこともあります。
今日もまた、そんなもやもやした気分を抱えながら、何か書きたいんだけど書かない方がいいんだろうなと思って、口をつぐんでしまうわけです。
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「マンション自壊」のおそれと「梁のたわみ」・・・ [ November 20, 2005 ]
テストというか、ゼミのペーパーの締め切りを3週間後に控え、この週末は論文のスキミングと基本的な構想をたてていたのですが、こちらのニュースを見て、あまりの衝撃・・・
耐震性偽装、倒壊の恐れ新たに5棟…全棟の強度公表へ (読売新聞)
首都圏のマンションなど計21棟の耐震性が偽装されていた問題で、新たに東京都港区や新宿区などのマンション5棟の強度が不足し、震度5強の地震で倒壊する恐れがあることが20日、国土交通省などの調査でわかった。・・・国交省の調べで強度不足が新たに判明したのは、いずれも船橋市内にある建設中のマンション3棟。このうち、「グランドステージ船橋海神(かいじん)」は、建物自体と家具や住民などの重量にも耐えられない構造。地震などで外部の力が加わらなくても倒壊する恐れがあり、「基礎的な計算をしただけで、強度不足が分かった」(国交省関係者)という。
外部の力が加わらなくても倒壊・・・と思って、国交省のHPを見ると、「読売新聞11月20日(日)朝刊1面の記事に関して」というリリースがあるので、読んでみると・・・
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阪神、優勝!! [ September 29, 2005 ]
2年前に赤星の打球が右中間を抜けていったのを生中継で見ていたときのような感動こそないものの、やはり嬉しいもんですね。
海の向こうでも、毎日、試合結果とボックススコアはチェックしていたのですが、個人的には今年のMVPは藤川ではないかと。
もちろん、今岡と金本も偉かったのですが、登板78試合で防御率1.39、投球回数90.2で奪三振137(奪三振率1.51)、被安打57(被打率0.63)、与四死球21(0.23)というのは、凄まじい数字です。ちなみに、全盛期の佐々木の奪三振率が1.38~1.65なので、それに匹敵する数値ということですから・・・本当にお見事です。
次は日本シリーズ・・・どこがあがってくるのか分かりませんが、頑張ってほしいところです。
Bushの演説 [ September 15, 2005 ]
図書館からうちに戻ってテレビを見ていると、突然、ブッシュ大統領のスピーチが始まりました。
話題はもちろんKatrinaのことです。
Videoはこちら、Transcriptはこちらにあります。
アメリカの直面する史上最大級の災害のついて、国民に何を伝えるのかと思い、興味深く聞いていたのですが・・・
聞いていると、延々と被災者の人たちに対する色々な支援プランやそのための予算を述べて、途中では、家族と会うための資金援助のための電話番号を繰り返し読み上げたりするのですが・・・何だか不謹慎かも知れませんが、途中で新聞の勧誘か、金融商品の説明を受けているような錯覚を覚えてきたりして・・・「アメリカ合衆国大統領」としてのメッセージや国民に訴えかける「何か」を感じることができませんでした。
一つ一つの施策の当否は分かりませんが、「大統領」に求められているのは、国民の気持ちを結びつけ、勇気や自信を与えることであって、細かいメニューを読み上げることじゃないでしょう?・・・そんなことを思ってしまいました。
もう一つ気になったのは、今回の被害拡大の要因の一つなっている所得格差や人種差別の問題についてのスタンスです。さすがに、この問題を避けて通るわけにはいかないとは思っているのか、「貧困」や「minorityの利益保護」には言及するのですが、彼が言うのは、復興される「ルイジアナでの」minorityへの優遇措置でしかなく、今回被災地とならなかったところに潜在的に眠っている国民の断絶の問題には触れなかったことです。
アメリカの国民の断絶は、ABCの行った世論調査でも表れています。
この中にある人種別の世論調査では驚くほどきれいに人種問題への意識のあり方が違うことがうかがえます。
「客観的真実」として、今回の被害の拡大に人種の問題があるのかどうかは私も分からないし、そもそも被害の全貌がつかめていない現状では、誰にも分からないというのが実際だろうと思います。
その客観的真実に至る情報のない世界におけるdefaultの「見方」に、これだけの断絶があるということ自体に何か意味があるような気がします。
この断絶は、勿論ブッシュ大統領一人の責任ではなく、アメリカ建国以来の一種の十字架なのでしょうが、それでも、こうしてその問題が顕在化する「きっかけ」があった以上、この困難な問題に正面から取り組むことが「大統領」として責任・・・と考えるのは、余りにも感情的なのかも知れませんが、今夜の演説を聴いて、何れにせよ、私の中のブッシュ大統領の評価は(元々低いのですが)、いっそう下がったというのが正直なところです。
まあ、それなら日本の総理大臣はどうなの?ということになるわけですが・・・
まあ、こちらは、衆院選も圧勝したところですし、この支持率を背景に頑張っていただくことを期待しておくことにしておきましょう。
Katrinaが開けたもの [ September 02, 2005 ]
日本でも報道されていると思うのですが、Katrinaの被害は凄まじいことになっています。今、目の前でつけているテレビでも、New Orleansで、無数の人々が路上やフットボール・スタジアムの脇にうずくまっている映像が映し出され、その中には年端のいかない子供や老人の姿も多く見られます。
そして、また、それほど注意しなくてもすぐに気づくのは、そこにいる人々のほとんどが黒人やヒスパニック系の人々だということです。
ニュースや新聞を見ていると、既に今回の件が単なる天災ではなく、人災の側面を持っていることが指摘されています。どこまでが根拠に基づいた話なのか、それとも災害の後に生け贄の子羊を探し出したくなるというヒステリー的な反応によるものなのかは分かりませんが、とりあえず指摘されているファクターや特徴を思いつくままに挙げてみると・・・
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郵政民営化 pro or con ? (4) [ August 16, 2005 ]
このシリーズは(3)で終わりにして、別のことを書こうと思っていたのですが、Sさんから素晴らしいコメントをもらったので、コメント欄に留めておくのはもったいないので、ご紹介いたします。
結局のところ、何で民営化(逆に公社維持)が必要かという議論に尽きるのではないかと思うのです。
ユニバーサルサービス維持という観点からも、公社という形態を維持することが必要か否か自明ではありませんし。
そもそも公社であればなぜユニバーサルサービスが維持されることになるのか、私には理解できません。
例え公社であっても、高コスト地域でのサービス提供コストがあまりにも大きくなった場合、当該地域の切捨てをしないとも限りません。
それを避けるためには、ユニバーサルサービス提供義務を課したり、取締役の選任を認可制にするなど公社の経営をコントロールする必要がありますが、かかる義務を課すのであれば、公社でなくとも日本郵便株式会社でもユニバーサルサービスの提供は確保されるわけです。
公社or民営の議論はさておき、郵便局にユニバーサルサービス義務を課すことの是非については、47thさんご指摘のエッセンシャルファシリティ(不可欠設備)に関する議論が参考になるかと思います。(ただし、エッセンシャルファシリティとユニバーサルサービス義務は直接的にはリンクしていないと思います。)
エッセンシャルファシリティ(不可欠設備)の開放義務を独占的事業者にのみ課した結果、当該事業者の設備投資インセンティブ(例えば光ファイバ設備に関する投資)を阻害されると主張しているため、米国では、ブロードバンド設備に関し、独占的事業者の他事業者に対する設備開放義務を撤廃する方向で制度改正が進められているところですが、ユニバーサルサービス義務についても同様に、事業者のユニバーサルサービス提供インセンティブに関する議論はありました。
ユニバーサルサービス提供義務については、赤字地域の採算を確保するため、ユニバーサルサービス基金を創設、固定電話サービスに係る全事業者は一定の金額を拠出し(利用者から回収されています。電話の明細にUSFと書かれた費目があるかと思います。)、基金から赤字地域において電話サービスを提供している事業者に赤字分が補填されるという仕組ができています。(実は近年のIP電話等の出現により、拠出金が不足してきているという難点はありますが。)
日本でも同種の法的仕組みはありますが、まだ不採算地域の赤字が顕著にはなっていないので、基金の発動はしていません。(現在制度改正中で直に発動されるでしょうけど。)
郵便サービスについても、ユニバーサルサービスの提供の確保(不採算地域へのサービス提供確保)は、市場原理では担保できない問題ですので、民営か公社かという問題とは別に、補助金又は基金で担保する必要があるのではないかと考えております。
要すれば、以前のコメントの繰り返しになりますが、
-公社とする必要性が感じられないので民営化自体は消極的賛成。(特段、メリットも感じられないという意味で消極的。)
-ユニバーサルサービスの確保は、民or公とは別の議論。田舎で本当に必要なサービスが提供されない事態になれば、補助金やユニバーサルサービス基金等の仕組みを創設すべき。(使われない公衆電話を多数設置することや、空席だらけの電車を田舎で運行させることがユニバーサルサービスの確保か。)
ということです。
ただし、ユニバーサルサービス基金の発動には、郵便サービスに参入する黒字事業者(いいトコどり(クリームスキミング)事業者)の存在が必要なので、郵便サービスに新規参入が認められないという現状認識に立てば、ユニバーサルサービス制度は機能しないかもしれません。
(その場合は、単一の郵便事業者が独占利潤を確保できるのでユニバーサルサービス基金は不要となり、むしろ必要なのは料金規制(プライスキャップ・公正報酬率規制等)になります。)
蛇足ですが、低サービス高コストの米国の郵便局(USPS)こそ民営化すべきだと心から思います。
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郵政民営化 pro or con ? (3) [ August 15, 2005 ]
前回と前々回で、郵政民営化について経済的な側面からみていって、どうも郵政民営化には賛成できないという話をしたのですが、では小泉さんのいう郵政民営化は廃案になった方がいいかというと・・・
これまで書いてきたように、私自身は民主党のいうように郵便事業と郵貯・簡保事業を分離して考えて、前者については公社形態を維持しつつユニバーサル・サービス維持を可能な範囲で合理化をめざし、後者については段階的な縮小化を目指すというのが、合理的な筋道だと思っているのですが・・・では、それが既存の政治状況の中で可能なのか、という話があるわけです。
これは私の知識の話なので、ひょっとしたら状況は変わってきているのかも知れませんが、地方での選挙を勝ち抜く上で、絶対に押さえておかなくてはいけない「地元の有力者」というのがあります。いろんなパターンがあるんですが、特定郵便局の局長さんというのは、この「地元の有力者」の中でも、かなり重要で、選挙ということになると、各地の郵便局長さんにちゃんと支援してもらえるかがキーになっています・・・と、ここまで書いてググってみると特定郵便局に関しては、WEB上に色々情報が載っているのを発見しました。例えば、集英社新書の辛坊治郎さんのコラムに、こんなことが書かれています。
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郵政民営化 pro or con ? (2) [ August 14, 2005 ]
前回は、郵便事業の話で終わってしまったので、今回は金融保険事業についてです。
またまた色々と書いていますが、要は「思いつき」の話なんで、「そういうことを言っている奴もいたね」なんて頭の片隅に置きながら、ちゃんとしたところは各政党のマニフェストやマスコミなんかの解説を見ていただくという、そのぐらいのものとして見ていただくこととして、まずは民主党の考え方を見てみると・・・
⑧ ・・・当面は預入限度額の上限を引き下げ、徐々に規模縮小を図るとともに、国債管理政策の観点から現実的なソフトランディングを図るべきだと考える。具体的にはプライマリーバランス均衡までの間は、公社の経営改革の継続に加え、預入限度額の上限引き下げによる段階的規模縮小を図る。
要するに「郵貯・簡保は段階的に縮小すべし」ということなんですが、これも私的には納得間の高い考え方です。
昔の記事でも書いたんですが、この部分についての私の最大の疑問は、資金運用やリスク管理のノウハウのない郵貯・簡保が、民営化で競争すれば成功するなんていうバラ色の未来を想像できるのか、全く理解ができないということです。
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郵政民営化 pro or con ? (1) [ August 13, 2005 ]
8/15 追記あり
<\p>
衆院総選挙とか郵政民営化絡みの話は、あんまり色々と書くと政治的知識やセンスの不足がばればれになってしまうので、深入りは避けておいた方が賢明とは思いつつ、とはいえ、自分なりに考えていることもあるので、批判を歓迎しつつ、ちょっと思いついたことを書き留めておこうかと思います、
民主党の政策って、どうなんだろう?
・・・ええと、実は今回選挙という話になって初めて民主党の公表している「郵政民営化に関する考え方」(の要約版)を拝見したんですが・・・これ、想像以上によくできているような気がするんですが、巷の評価というのはどんなものなんでしょう?
特に私的には納得間が高いのは、「基本的なポイント」の中で挙げられている次のあたりです。
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郵政民営化に見るデジャビュ [ June 28, 2005 ]
いまさら郵政民営化ネタもないんでしょうが・・・よく分からなくなったことがあったので、ちょっとメモ代わりに・・・
郵政民営化のメリット・デメリット色々あるのでしょうが、個人的に一番関心があったのは郵貯と簡保の350兆の資金のいきさきでした。この流れが変わると、日本の金融市場の供給サイドの偏りが是正されるきっかけとなるんじゃないかと思っていたのですが・・・
ただ、どうなんでしょう?
何だか最近の議論を聞いていると、民営化すると郵貯・簡保の運用サイドの競争力が高まることを前提に議論がされているようです・・・私の杞憂だといいのですが、この議論って20年前の「系統」の運用自由化の時の議論と重なるものがあるような気がします。
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分からないことが分かること [ June 24, 2005 ]
「過密ダイヤ」因果関係薄い JR脱線あす2カ月、原因の特定難航 (産経新聞)
死亡した高見隆二郎運転士(23)は乗務中のミスで過去三回、計十八日間の日勤教育を受けた。捜査本部は、日勤教育を恐れるあまり無理な運転につながった可能性もあるとみて、JR西の運転士から管理実態などを幅広く聴取。だが、現段階で「見せしめ」のような懲罰は浮かび上がってこないという。
捜査幹部は「どんな組織もミスをしたら責任を取らされるのは当然」と指摘、日勤教育に社会常識を逸脱するほどの制裁はなかったとみている。
同様に事故の遠因とされた同線の高速・過密化についてもダイヤ編成担当者から事情聴取。しかし、山手線などの首都圏の鉄道網に比べれば過密ダイヤとはいえず、車両やレール、保安機器などの「ハード面」も異常は見つかっていない。
新型ATS(列車自動停止装置、ATS-P)が未設置だった点も「他の未設置区間で事故があったわけではなく、『未設置が事故原因』という理屈は成り立たない」としており、捜査の難しさを強調する。
この記事に何を思うかは、きっと人それぞれだと思うのですが・・・私は、ちょっとだけ、ほっとしています。
原因の特定が難航しているのに、どうして?・・・と、思うかも知れませんが、物事の真相というのは、自分に見えているものと見えていないものをきちんと選り分けるところから始まるような気がするからです。
時間はかかってでも、ここから世論をかわすことが目的の対策ではなく、本当の意味で事故の再発防止に向けたとりくみのきっかけが生まれることを祈ります。
福知山線事件の切り口ポータル by 小僧さん [ June 12, 2005 ]
事件の「風化」と社会「科学」の不在(2)で勉強になるコメントをして頂いた小僧さんのまとめた福知山線事件関係のまとめサイトが素晴らしく、コメント欄に留めておくのがもったいないので、ご紹介&備忘のため
西日本鉄道株式会社 福知山線事故に関する語りを集めたページ
「間に合いません」のそのときに [ May 28, 2005 ]
ようやく旅行前後に見逃した他の方のブログを巡回する時間ができたので、にょぷろさんのレッドロックスの風を見よ!を拝見していると風太君の気品溢れる立ち姿が!・・・二足歩行動物なのに猫背の己を猛烈に恥じ、思わずPCの前で姿勢を正してしまいました。
・・・で、更に過去記事を拝見していると、もう一つ風太君が!・・・って、にょぷろさんのサイトを風太君目当てで見ていたのではなく、興味をひかれたのがJALで配膳用カートとトレイを未収納のまま着陸した事件に関するエントリー(「失礼いたしました・・・。」と「はぁ・・・」)です。
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読んでみたい記事 [ May 06, 2005 ]
日本からだとテレビのニュースや週刊誌の中吊りに触れる機会もないので、日本に関する私の情報源はネットがほとんどなのですが、JR福知山線事故に関するYahoo!のトピックスを見ていると、ここ数日は、事故後に社員が宴会しただの、ボーリングしただの、ゴルフしただの、海外旅行しただの・・・そんなニュースが9割以上みたいです。
こういう行動をとったこと自体は誉められるべきことではありませんが、だからといって、このことが今回の事件やその再発と何の関係があるのか、私にはさっぱり分かりません。
というよりも、こういう情報を記事にしている時間とスペースがあるのであれば、他にいくらでも報道すべきことはあるんじゃないのかと思っていたらtockriさんが「ニュースの優先順位」ということで次のように書かれていました
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事件の「風化」と社会「科学」の不在(2) [ May 03, 2005 ]
まずは言い訳から
事件の「風化」と社会「科学」の不在(1)には、色々コメントやTBを寄せて頂きありがとうございました。
実は、先週一回続きを書いてアップしたのですが、何か少し時間を置いて読み直したら、違うような気がしたので、ボツにしました。ボツになる前に読まれた方には分かると思いますが、人のスタイルをパクっても、いいことはないですね。
反省です。
で、気を取り直して、自分のスタイルでやろうと思ったら、サーバーが不調・・・その後もページは表示できても、管理画面にアクセスできないとか、いろいろ障害があって気持ちが萎えたので、こちらのサーバー移転を急遽実行に移すことにしました。
ブックマークやリーダーの設定の変更等ご面倒かと思いますが、なにとぞ宜しくお願いいたします。
また、安定運用とか言いながら、自分でMovable Typeのインストールとかやって、今ひとつ理解していないところもあるので、表示とかおかしかったら、それはそれで暖かい目で見てやってください。
といったところで、言い訳はこのぐらいにして本題の方へ。
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事件の「風化」と社会「科学」の不在(1)
この記事は旧ブログの同名記事を転載したものです。オリジナル記事に寄せられたコメント、トラックバックなどは、旧ブログをご覧ください。
先日の福知山線の事故に関する記事については、いろいろな方からトラックバックをいただきました。
本当にありがとうございます。
最初に高田さんのブログをきっかけに、規制緩和と安全の関係という切り口で考えてみたのですが、その後は「リスク」との付きあい方の問題なのではないかとも思い始めていました(よろずもめごと論さんに近い感じ?)
でも、トラックバックを頂いた方々の記事を読んでいると、(当たり前ですが)他にもいろいろな切り口があるということに気付かされました。((例えばにょぷろさんやbunさんの書いたことを読んでいると、日米の違いとかリスク管理ということに単純に帰することができな問題のような気もしてきます)
・・・とかいって考えがまとまらない・・・そうかと思うと、R30氏のように「JR事故が経営者の責任じゃないならいったい誰の責任だというのか」と、(意図的にあおっているところがあると思うのですが)断定的に言い切る方が現れ、(で、R30氏の狙ったとおりというところもあると思うのですが)それに対して「そうじゃないだろう」というコメントが山のようにつけられていく。。。
そうした状況を見ていて、ふとデジャ・ヴュを感じました。
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