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クラブ・ディールと競争法

harryさんが紹介されていますが、PEのクラブ・ディールにアメリカの競争当局が興味を示し始めているという話が昨日のWall Street Journalでとりあげられていますが、New York Timesでも関連記事がとりあげられています。

もっとも、こうしたウォール街で見られる金融機関同士の協調行動と競争法の緊張関係は必ずしも新しい話ではありません。
NYTの記事では株式公募の際の共同引受けに関する1950年代のMorgan事件が紹介されていますが、買収における協調行動ということでいえば、(私訴ですが)1990年にWilliams法の開示規制の下でSECがレビューしたビッドについては反トラスト法違反とならないことを示唆する判決を第2巡回裁判所が出しているようです。

もっとも、この判決に対しては学界からの批判が強いようですし、90年代にはゲーム理論に基礎をおいた暗黙の協調行動(tacit collusion)に関する理論も目覚ましい発展をとげていることからするとウォール街的には安閑としているわけにはいかなさそうです。

もっとも、NYTの記事を見る限りはSubpena(正式な情報提供手続のための令状)が出されたわけではなく任意の質問レベルに留まっているようですから、何れにせよ結果が出るのはまだまだ先になりそうな気配ですが、競争法的にポイントになるであろう点についてメモ程度に。


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Posted by 47th : | 11:33 | コメント (2) | トラックバック (0) | 関連エントリー (0) | Competition Law : Antitrust (U.S.)

DRAMカルテルと外国籍社員への実刑

THREE SAMSUNG EXECUTIVES AGREE TO PLEAD GUILTY, SERVE JAIL TIME FOR PARTICIPATING IN DRAM PRICE FIXING CONSPIRACY (DOJ Press Release)

Three executives from Samsung Electronics Company Ltd., the world's largest manufacturer of a common computer component called dynamic random access memory (DRAM), have agreed to plead guilty and to serve jail time in the United States for participating in a global conspiracy to fix DRAM prices, the Department of Justice announced....
"True deterrence occurs when guilty individuals serve jail terms, and not just when corporations pay criminal fines," said Attorney General Alberto R. Gonzales. "These pleas should send a clear message that we will hold accountable all conspirators, whether domestic or foreign, that harm American consumers through their illegal conduct."...
"These are the first executives from Samsung to plead guilty to fixing prices in what is still an active investigation into antitrust violations in the DRAM industry," said Thomas O. Barnett, Assistant Attorney General in charge of the Department's Antitrust Division. "We will continue our efforts to bring to justice other domestic and foreign-based executives who were involved with fixing DRAM prices."...
The Samsung executives are the third wave of individuals to agree to prison sentences in the DRAM investigation. On March 15, 2006, four Hynix Semiconductor Inc. executives--Dae Soo Kim, Chae Kyun Chung, Kun Chul Suh and Choon Yub Choi--pleaded guilty to the DRAM price-fixing conspiracy. The Hynix employees have been sentenced to serve jail terms ranging from five to eight months and to pay a $250,000 fine. In December 2004, four Infineon executives--T. Rudd Corwin, Peter Schaefer, Gunter Hefner and Heinrich Florian--pleaded guilty to the DRAM price-fixing conspiracy. The Infineon employees served jail terms ranging from four to six months and each paid a $250,000 fine....
Four companies have been charged with price-fixing in the DRAM investigation. Samsung, the world's largest DRAM manufacturer, pleaded guilty to the price-fixing conspiracy and was sentenced to pay a $300 million criminal fine in November 2005. Hynix, the world's second-largest DRAM manufacturer, pleaded guilty and was sentenced to pay a $185 million criminal fine in May 2005. In January 2006, Japanese manufacturer Elpida Memory agreed to plead guilty and pay an $84 million fine. In October 2004, German manufacturer Infineon pleaded guilty and was sentenced to pay a $160 million criminal fine.

ということで、DRAMカルテルに参加した外国企業4社のうち3社について罰金だけでなく、その社員に対する実刑が合意されたということになります。残る1社は日本のエルピーダ・メモリーです。会社としては、既に950万ドルで和解が成立していますが、個人責任はそれとは別の話になるので、現在司法当局と激しい綱引きが行われているのかも知れません。

2年前に日本企業の社員がソルビン酸カルテルで初めて実刑を受けることになりましたが(DOJリリース)、反トラスト法の問題、とりわけカルテルは非常に大きなリスク要因ということで、企業としてのコンプライアンスを考える上で念頭に入れておくと宜しいかと。

こちらは、NYTの記事です。

3 to Plead Guilty in Samsung Price-Fixing Case (New York Times)

 


Posted by 47th : | 10:43 | トラックバック (0) | 関連エントリー (0) | Competition Law : Antitrust (U.S.)

Online Music危うし?

U.S. Inquiry on Online Music (New York Times)

さほど驚きというほどのことはありませんが、とりあえず、こういう動きがあるということでメモ代わりに。

Justice Department officials have begun serving subpoenas on the four major music corporations as part of a broad inquiry that is expected to encompass pricing and licensing policies, according to music executives who spoke on condition of anonymity....

The prices for songs from the major companies can run from 70 cents to 80 cents a song, executives say. Digital music services such as Apple Computer's iTunes then sell the songs for a retail price of 99 cents.

まあ、音楽業界は反トラスト法とはなじみが深い業界ですから、いくら何でもdistribution company同士がダイレクトに通謀しているという証拠が出てくると期待するのは甘すぎるので、頭にあるのは、(A)黙示の共謀(tacit collusion)か、(B)川下のデジタル音楽配信業者、特にアップルをハブとしたハブ&スポークによる共謀といったところでしょうか?

まあ、まだ調査開始したばかりですので、結論が出るのは先になるのでしょうが、デジタル音楽配信業界におけるアップルの立ち位置なども含めて考えると、なかなか興味深い論点のありそうな話です。


Posted by 47th : | 01:06 | トラックバック (1) | 関連エントリー (0) | Competition Law : Antitrust (U.S.)

アメリカにおける略奪的価格設定に関する最高裁判例(の裏話)

ちょっと前の話になりますが、昨年研修で勤務していた事務所(Weil, Gotshal & Manges LLP)のパートナーのホームパーティーに呼ばれました。
場所はUpper Eastというマンハッタンの高級住宅街で、窓からはセントラルパークが一望できるナイスなマンションの高層階で、改めてアメリカの法律事務所のパートナーの財力を感じたりしたわけですが・・・そんなことはどうでもよくて、私のお世話になっていたそのパートナーは反トラスト法の専門家で、何か去年はどっかで「最も優秀な反トラスト法弁護士」に選ばれたようです。
というわけで大弁護士のはずなんですが、普通に話していると、ただの口の悪いおっさんにしか見えません。でも、たまーーーに「おおっ」ということを口にしたりします。
実は反トラスト法を勉強していると必ずお目にかかる事件のひとつにMatsushita v. Zenithという判例があります。これは、アメリカのテレビメーカーが日本のテレビメーカーを安売りしているということで訴えた事件で、その後の略奪的価格による独占化に関するリーディング・ケースになっています。
このときは連邦最高裁で5対4の僅差で日本企業側に勝訴判決が出ているのですが、松下の代理人をやっていたのが、このパートナー。ということで、ちょっと疑問に思っていたことについて話をふってみたら20年近く前の事件なのに、事案や論点を明確に覚えているんでさすがと思っていたのですが、彼が非常に嬉しそうに話してくれたのが、次の話でした(ああ、長い前振りだった・・・)

あの事件は結局最高裁判事の投票が5-4で分かれて、僅差で勝ったわけだけど、実は、あのときの弁論で一人の判事が、ずーっと下を向いて目をつぶっていて、まるで眠っているようだった。彼は、確か元々人権や労働事件なんかを扱っていた人でこの事件に全く興味を覚えていないように見えたんだよ。
ところが、原告側(Zenith側)の代理人の弁論の時に、突然目をあけて「ちょっといいかな」と質問を始めた。
原告代理人もびっくりしていたんだが、彼は一つだけ「価格が下がることは消費者にとってはいいことなんじゃないのかね?」と訊いたんだ。
原告代理人は、一瞬つまったあと、「いや、それはそうなんですが、とはいっても・・・」と彼らの理屈を説明しようとしたんだが、判事は「わかった」と言って手をふって、その後はまたずっと目をつぶって下を向いて腕組みしていた。
結局、それで5-4だろう。歴史なんてのは、そんなことで決まるもんなんだよ。がっはっはは。

Posted by 47th : | 11:26 | コメント (5) | トラックバック (0) | 関連エントリー (0) | Competition Law : Antitrust (U.S.)

ビンゴ! ~ あふたーまけっと余話

10-15ページ指定のペーパーも何とか9ページ近く書き終わり、Myopia thoeryについて筆を進めたところで、最後の関連文献収集。
ここで、ついに「ビンゴ!」な文献を発見。

  • Glenn Ellison, A Model of Add-On Pricing, The Quarterly Journal of Economics, May 2005 pp. 585-637
  • Xavier Gabiax and David Laibson, Shrouded Attributes, Consumer Myopia, and Information Suppresion in Competitive Market, fothcoming the Quarterly Journal of Economics

私の頭の中に漠然とあった、①Aftermarket Monopolyは(合理的な価格差別というよりも)消費者のMyopiaを利用するための手段ではないのか、ということと、②こうした超過利益の存在は寡占市場において実質的なtacit collusion(黙示の協調)を生み出すんではないか、という直感的な「妄想」がエレガントなゲーム理論で提示されています。
まあ、これに100%依拠しようというわけではないんですが、それでも、競争法も経済学もよちよち歩きの私が一人頭の中で「妄想」しているだけでなく、MITの連中も同じようなことを考えていた(まあ、単に結論部分だけでモデルの洗練度は比較することすらおこがましいんですが・。。)というのは、心強いところ。
というわけで、とりあえず、この方向でペーパーを書ききってしまおうかと思います。何とか、明後日までには終わらせて他の科目の勉強に入りたいんで^^;
以上、嬉しかったので、とりあえずご報告まで。


Posted by 47th : | 16:41 | コメント (2) | トラックバック (0) | 関連エントリー (0) | Competition Law : Antitrust (U.S.)

ご教示、多謝 ~ あふたーまーけっと

昨日、ペーパーを書くのに行き詰まり、ぐち半分で書いたエントリーに、早速に色々なコメント、TB、メールをいただきました。本当にありがとうございます。
・・・いや、実は、こんなに競争法に興味のある方がご覧になっているとは思っていなかったので(しかも、明かに独禁法の専門家と見受けられる方もいますし・・・)、内心今まで書き散らしてきたエントリーを振り返って冷や汗をかいていたりするんですが:-)
貴重なご示唆のお礼・・・になるかどうかは分からないのですが、とりあえず、これまでのサーベイをベースに、米国での議論状況に関する私の理解(誤解の可能性あり)をご紹介いたします。
(・・・というわけで、以下は多少マニアック)


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Posted by 47th : | 11:23 | トラックバック (0) | 関連エントリー (0) | Competition Law : Antitrust (U.S.)

あふたーまーけっと、いきづまり・・・

ちょっとエントリーが滞っている間に、スパムコメントが増えてます。
早くもMovable Type 3.2のフィルタを無効化する技が開発されたということなんでしょうか?
もっとも、実際のコメントの内容はスパムであることが一目瞭然なんで、フィルタをくぐったとしても、これを実際にクリックする人がそんなにいるとは思わないんですが・・・ここまで来ると、フィルタをくぐることが一つの目的と化しているんですかね?それとも、スパムコメントの報酬?体系が、実際のクリック率ではなく、フィルタを突破させた数で判断されるんでしょうか?・・・でも、どうやって測っているんでしょうね?
何て言うことはどうでもいいんですが、試験までいよいよ1週間を切ったというのに、Antitrust Law and Economicsのpaperが、完全に行き詰まっています(- -)。
いかに自分がミクロの基礎をちゃんと理解していないかを改めてつきつけられている感じです。
題材は、Eastman Kodak Company v. Image Technical Services, Inc., et al, 504 U.S. 451 (1992)をきっかけとした、いわゆるAftermarket Monopolyの競争法上の取り扱いについての話です。Aftermarketというのは、例えば、コピーのトナーやメンテナンスサービスなんかの市場で、こういうのは、大体元々の機種特有の部品やメンテナンス・ノウハウが必要なんで、こうしたパーツやノウハウの供給をコントロールすると、元々の機会を製造しているメーカーが割合簡単に独立系保守業者やパーツ供給者を閉め出すことができるわけです。
一見すると、そうした独立系保守業者を締め出すのはけしからん、ということで終わりそうなんですが、よくよく詰めて考えてみると、必ずしも社会的に非効率とは限らないんじゃないか・・・更には、実は、こうしたaftermarket monopolyを認めることが社会的には望ましい場合もあるんじゃないか、ということで、上のEastman Kodak事件以後、このAftermarket Monopolyの是非を巡っていろいろな議論が戦わされています。日本でも、昨年、レーザープリンターのトナーカートリッジに関して、次のようなリリースを公正取引委員会が出しています。


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Posted by 47th : | 12:22 | コメント (8) | トラックバック (3) | 関連エントリー (0) | Competition Law : Antitrust (U.S.)

疲れた・・・自業自得だけど(Vertical Foreclosure)

ただでさえ試験前でてんぱっているのに、興味があるからという軽い理由だけで、ゼミの報告なんかを立候補するもんではありませんね・・・今回ばかりは、さすがに激しく後悔しております(- -);
テーマは、Vertical Foreclosureということで、News Corporation(FOXとかESPNFOX SPORTSを配信している会社です)がDirecTVの株式の34%を取得しようとしたときのお話です。
映像コンテンツの提供者が、媒体を買収するのは典型的な垂直的統合の一例ですが、こういう統合を競争法的にどう考えるかという問題には、いろいろと興味深いものがあります。
こっちに来て反トラスト法の経済理論を、ちゃんと勉強する前は、単に買収される媒体のシェアの大きさが問題なんじゃないの?と単純に思っていたんですが、そんな単純な話でもなく・・・特にDirecTVの事案では、当時のDirecTVのシェアというのはケーブルテレビに比べると、まだまだ小さく13%程度で、この13%のシェアしか有しない媒体の、しかも34%という部分的な株式の取得によって深刻な競争法的な影響が出るのかというところが、悩みどころ。
で、私の担当したのは、Northwesternの経済学教授のWilliam P. RogersonがFCCに提出した意見書の報告・・・で、何が大変だったかというと・・・
数式がうじゃうじゃと出て、解読できない・・・というわけではなく、全く数式は出てこないし、理屈も極めてシンプル・・・曰く「①DirecTVを取得するとケーブルテレビに対するNews Corpの交渉力が強くなっちゃうから価格が上昇してしまう」AND「②News CorpがDirecTV以外の事業者に番組提供を断ったり、オファー価格を上げたりしたら、最終的な価格もあがってしまう」というもの。
シンプルなのは、いいんですが・・・・余りにもシンプル過ぎて、何かおかしい・・・
現に、このRogersonの意見書に対抗する形で提出されたSalop=Shapiroほかの意見書は、Rogersonの意見書における検討は不十分だといって、がんがんに反論しているわけです。
・・・こっちにしておけばよかった・・・と思っても、あとの祭り・・・(そういえば、Rubinfeld教授も「Salop=Shapiroの報告の方が実は簡単なんだよね」と言ってたし・・・)
というわけで、このシンプルすぎるRogersonの意見の裏側にあるものを探して、行間を読まないといけない羽目に・・・これを普段の予習やテスト対策やペーパー準備の合間にやらなければならず・・・苦しみながら、何とか先ほどまとめた資料がこれ ・・・まあ、やっているうちに、Rogersonの言っていることも、そんなに無茶じゃないんじゃないかとは思ってきたんですが、如何せん、自分でゼロからモデルを組み立てたので、全く自信はありません。(一応、こんな形でモデル化はしているんですが・・・この中でも書いているように、そもそもMVPDのレベルでの価格決定メカニズムを全く無視して、所与のものとして扱っているので、これだけでも不完全・・・)
一週間でここまでやっただけでも、自分をほめてやりたい、と、甘っちょろいことを考えつつ、これを明日英語でプレゼンするのかと思うと、ため息が・・・明日の予習もあるのにぃ・・・しかも、今、Rogersonを全部Rodgersonとタイプしていることも発見・・・何だかなぁ・・・


Posted by 47th : | 18:26 | コメント (1) | トラックバック (2) | 関連エントリー (0) | Competition Law : Antitrust (U.S.)

マイクロソフト訴訟「秘話」?

今世紀(といっても、まだ数年ですが)最大の米国競争法に関する判決といえば、多分2002年に米国司法省がマイクロソフトをシャーマン法2条(違法な独占の維持)等で訴えたマイクロソフト訴訟ということになると思いますが、今学期、Quantitative Method と Antitrust Law & Economics でお世話になっているRubinfeld先生は、実は、そのときの司法省側の実質的なチーフだったらしく、今週のゼミでは、いろいろとそのときの「裏話」が。
差し支えのなさそうなところを、いくつか挙げると・・・

  • Rubinfeld先生は、実は、ごく初期のWindowsに関連する訴訟でマイクロソフトを手伝ったことがあり、もちろんそのことを知っているビル・ゲイツは、Rubinfeld先生が司法省側でマイクロソフトを提訴したことに、相当おかんむりだったらしく、法廷でRubinfeld先生をかなりきつい言葉で罵った(らしい)。
  • マイクロソフトはWindowsは競争にさらされている(従って、OSを独占しているわけではない)ということを立証するために、いろいろな「潜在的脅威」をあげたが、Linuxなんかと並んで、かなりマイナーなOSも「将来Windowsを脅かすかも知れない」とマイクロソフトが法廷でキャンペーンをしたところ、その開発会社の株は一時的に高騰・・・しかし、その後、倒産だか、売却だかでどこかに行ってしまった(らしい)・・・
  • ネットスケープのシェアを70%とするマーケット・サーベイがマイクロソフトから出されたところ、同時にそのサーベイを行ったエキスパートに対して、ビル・ゲイツが「30日以内にネットスケープのシェアが70%であることを証明するようなサーベイが欲しい」と書いたメールがディスカバリーで提出され(・・・訴訟提起後にこんなメールのやりとりがなされること自体が信じられないような失態・・・)、エキスパートに対する反対尋問で、そのメールを示されながら「これでもエキスパートとして、サーベイの結果は信頼性があると断言できますか?」と問われ、絶句・・・最終的には、「それでも、まあ、そう信頼できないわけではない」と言った(らしい)・・・

まあ、そういう小ネタ系もさることながら、やはり印象的だったのは、Rubinfeld先生が、マイクロソフトが、「OS市場を独占していない」という、極めて弱い主張を延々と行うのではなく、「OS市場は独占状態にあるかも知れないけど、これは自然独占で、それ自体は正当な競争の産物だし、ブラウザの一体化は消費者の利便のための技術革新の一環」と言われたら、裁判官の心証は随分変わっていたかも知れないと言っていたことです。
もっとも、Rubinfeld先生が言っていたのは、マイクロソフト事件では、ビル・ゲイツが「ネットスケープとJAVAの台頭はWindowsのポジションに対する脅威だから、これをmatchしてbeatしなくちゃいけない」と書いたメールがディスカバリーで見つかるなど、ネットスケープ潰しの「意図」を証明する文書が、信じられないほどたくさん出てきたので、それがやっぱり致命的だったんだろうと・・・
マイクロソフト事件というのは、理論的に見ても、極めて色々な問題を提起する大変興味深い事件であり、実務的にもその後のシャーマン法2条の活用のきかっけとなった大変重要な事件なんですが、その舞台裏で大きな役割を占めたのは、反トラスト法のことなど全く気にもかけていなかった独裁者の軽率なメールだったというのは、なかなか興味深いお話でした。


Posted by 47th : | 15:07 | コメント (6) | トラックバック (0) | 関連エントリー (0) | Competition Law : Antitrust (U.S.)

司法試験と独占

この前、友人とニューヨークの市営ゴルフ場に向かう道すがら、ニューヨーク州の司法試験の話になりました。
一人は昨年合格、もう一人は今まさに受験準備中。私も来年は受けるかもしれないということで話を聞いていると、日本と同じくニューヨーク州の司法試験受験界でも予備校中心主義…生授業はビデオで録画して、あとはビデオで使いまわしということで、司法試験予備校のスタイルというのは万国共通のようなのですが、名前を聞く予備校は"Bar/Bri"というところだけで、「それって反トラスト法違反じゃないの?」とか言っていたら、カリフォルニア州で"Bar/Bri"が反トラスト法違反で訴えられたようです。(ネタ元はこちら)

確かに競争が激しくなれば受講料なんかは安くなるのかも知れませんが、友人は「みんな同じ予備校でやっていれば、(ヤマが)外れたときもみんな外れているという安心感があって、無駄に手を広げなくてすむんだよね」という話をしていました。
そういえば日本でも複数の予備校が予想問題や模試をやっていると、問題だけでもひととおり揃えておきたいという気分になって、結局、トータルで見ると受講料も高くつくということもありそうです。
その意味では「消費者」(?)としては、競争激化は痛し痒しといったところかも知れません・・・もっというと、みんな同じヤマで試験に臨むというのは、受験生同士の非価格的カルテルだったりするのかも知れませんね・・・


Posted by 47th : | 20:04 | コメント (5) | トラックバック (0) | 関連エントリー (0) | Competition Law : Antitrust (U.S.)

 
法律・経済・時事ネタに関する「思いつき」を書き留めたものです。
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