Japanese Anti Monopoly Law の全エントリー

メモ:METI「競争政策研究会報告書」公表

ろじゃあさんのところ経由で知った話ですが、経済産業省から「競争政策研究会報告書」というものが公表されています。

とりあえず備忘までなんですが、概要をみる限りは、非常に荒っぽく言ってしまうと「(日本国内ではなく)海外における日本企業のシェアを確保するために、独禁法の企業結合審査基準を緩和せよ」という主張のようです。

何となく在りし日の産業政策論のリバイバルのような香りがしないわけではないのですが、これだけ見ると「日本国内の競争確保と消費者保護」を主目的とする独禁法のあり方とは、根本的な発想において相当の差があるわけで公正取引委員会がどう反応するのか非常に興味深いところです。


Posted by 47th : | 09:01 | トラックバック (1) | 関連エントリー (0) | Competition Law : Japanese Anti Monopoly Law

阪急・阪神の統合の行方?

阪急、阪神株取得を確認 村上氏側と交渉へ (asahi.com)

阪急ホールディングス(旧阪急電鉄)は24日、臨時取締役会を開き、村上世彰氏率いる投資ファンド(村上ファンド)が持つ阪神電気鉄道株(発行済み 株式の約46%)を取得する方針を確認した。株式公開買い付け(TOB)を想定しており、阪神との経営統合を打ち出したことになる。阪神電鉄も25日に臨 時取締役会を開き、賛同を確認する予定。実現すれば大手私鉄同士では戦後初の再編となる。ただ、村上ファンド側は売却するかどうかについてコメントしてい ない。
 阪急は臨時取締役会の内容を明らかにしていないが、阪神株の買い取り価格や投資総額の上限を議論した模様だ。今後も必要に応じて随時、取締役会を開くと 見られる。村上ファンド側と価格面で折り合えば、TOBを実施して取得する。TOBは、対象企業の発行済み株式の3分の1超を取得する場合に義務づけられ ている。

球団名はどうなるんだとか、そういう話もあるんですが、そもそも独占禁止法的にも興味深い事例です。

私は関西の土地勘がないので、よく分からないんですが、関西出身の友人によると結構競合している路線が多いという話も聞きますので、市場の画定とか競争減殺の危険とか正当化事由といった辺りで、公正取引委員会の企業結合規制に対するスタンスを見る上で一つの試金石となるのかも知れません。

また、仮に村上ファンドと買付価格について合意が成立した場合に、公開買付けによる買付を行う場合に買付価格もさることながら、最低買付数・上限買付数をどうするかといった辺りも注目ではないかと思いますが、とりあえずメモだけということで。

 


Posted by 47th : | 14:08 | コメント (5) | トラックバック (1) | 関連エントリー (1) | Competition Law : Japanese Anti Monopoly Law

「自主規制」強化と競争法 (1)

昨日に引き続いて業界団体(事業者団体)の活動と競争法の関係するお話です。

上場企業監査、登録制に 会計士協会が自主規制強化 (asahi.com)

日本公認会計士協会(藤沼亜起会長)は6日、上場企業を監査する監査法人や公認会計士の個人事務所に、07年度から登録制を導入すると発表した。一 定の水準に満たない事務所は登録リストから除名し、上場企業の監査を続けることが事実上難しくなる。・・・
 ・・・監査法人の評価などを担当する同協会の品質管理委員会に新組織を設け、上場企業の監査を手がける全事務所に登録を求める。登録事務所には、品質管理体制について文書で提出させ、要求水準に達しているかをチェックする。
 申告した水準の業務を実行できなかった事務所には協会が改善を勧告するが、不十分な場合は除名を含めた処分を出す。
 監査法人や会計士は法律上、上場企業の監査を手がけることに特別な制限はない。しかし、協会の登録から除名されると評価が低下し、投資家の信頼を重視する上場企業の監査からは、事実上排除されるとみられる。

さて、「上場企業の監査水準の向上」は、少なくともそれ自体は社会的にも望ましくみえる目的ですし、現に与謝野金融相も「自分たちの力と判断で運営し、不祥事を少なくしていこうという努力は高く評価したい」「(登録制の)運営を暖かく見守っていかなければならない」と評価しているようです(NIKKEI NETの記事より)

こういう善意に満ちた創意工夫をしようとしているときに水を差すようなことを言うので弁護士は嫌われるんですが、動機としての善意は結果としての善を何ら保証するものではありませんし、ある行動の持つ負の側面を見つめることが社会的にみてより望ましい結果をもたらし得ると信じて、この取組において生じ得る競争法上の問題に触れてみたいと思います。


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Posted by 47th : | 11:23 | コメント (3) | トラックバック (0) | 関連エントリー (0) | Competition Law : Japanese Anti Monopoly Law

牛乳減産「指導」と競争法

全酪農家に生乳減産指導へ 生産過剰で北海道農協中央会 (asahi.com)

牛乳消費の低迷などで過剰になった生乳約900トンが北海道で廃棄処分された問題で、生産計画を立てる北海道農業協同組合中央会などが今年度、道内酪農家 の全7800戸に生産量を一律で減らすよう指導することを決めた。指導は13年ぶり。指導に応じなければ、買い取り価格に一定の「罰金」を盛り込むことが 検討されており、各農家にとって事実上の減産の「縛り」となる。12日に各農協に伝える。

一見、どこにでもありそうな話なんですが、競争法的には興味深い論点を含んでいるので、とりあげてみましょう。

独占禁止法8条
事業者団体は、次の各号の一に該当する行為をしてはならない。
 一定の取引分野における競争を実質的に制限すること。

「事業者団体」の正確な定義は避けますが、大まかにいうと事業者が自主的に形成している団体のことで、農協なんかの業界団体はその一つの典型です。


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Posted by 47th : | 15:54 | コメント (2) | トラックバック (1) | 関連エントリー (0) | Competition Law : Japanese Anti Monopoly Law

競争の方向性

国債や投信販売、「おまけ」を競う・証券各社 (NIKKEI NET)

証券各社が景品や懸賞を使った営業戦略を競い合っている。野村証券が国債を買った個人客に商品券をプレゼントしているほか、大和証券は取引に応じてポイントが増え、食事券や宿泊券に交換できるサービスを提供中。インターネット専業証券では自動車が当たる懸賞も登場した。「おまけ」を付けて投資意欲をかきたて、個人マネーを取り込む狙いだ。

証券会社の顧客にとっては、一見、競争が激しくなって得したという話にも見えるのですが・・・こうした広告宣伝費で勝負ということになると、兵糧勝負になって、法人営業からの収益も見込める大手証券会社が個人投資家向けの専業証券会社を駆逐してしまうということになってしまわないかというのは、どうなんでしょう?
しかも、サービス自体の価格は一度下げたものを値上げすることには、顧客からの抵抗も強いのですが、こうしたキャンペーン的なものというのは、一時的・恩恵的なものという位置付けも可能なので、長期で見たときに純粋な価格競争よりも消費者にとっては望ましくない結果となる場合もあり得るようにも思われます。
競争法上は、略奪的価格設定とか不当廉売と言われるものと、同じような経済的効果を生み出すようにも思うのですが・・・何だか、こういう方向でいいのか気になったので、備忘のためにクリップしておきます。


Posted by 47th : | 11:25 | コメント (5) | トラックバック (1) | 関連エントリー (0) | Competition Law : Japanese Anti Monopoly Law

 
法律・経済・時事ネタに関する「思いつき」を書き留めたものです。
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