Crossborder Transaction の全エントリー

もてすぎて困っちゃう・・・LSEの場合

(3/11 追記あり) 

London Rejects Bid by Nasdaq (New York Times)

The London Stock Exchange, Europe's biggest stock market, announced yesterday that it had received and rejected a $4.1 billion informal cash offer from Nasdaq, an indication that the arms race among the world's leading exchanges is escalating.

ということで、アメリカの三大取引所の一つNASDAQがロンドン証券取引所に対して41億ドル(4700億億円)相当の買収オファーを出したところ、LSEは丁重にお断りを申し上げたようです(LSEのプレスリリース)。

LSEによれば、現在の株価に対して僅か8%のプレミアムでは、全くもって不十分ということのようです。

これに対して、NASDAQは、1株950ペンスのオファーは十分に魅力的なはずだと主張しています(NASDAQのプレスリリース)。とりあえずは、今後ともLSEの経営陣と交渉を続けて、友好的な買収を目指すといっています。まあ、敵対的買収も考えられないわけではありませんが・・・8%のプレミアムでは、いきなり勝負を挑むにはちょっと分が悪い気もします。

何れにせよ、LSEはここ1年ぐらいEU圏内の他の取引所からも狙われてきた歴史がありますので、今回のNASDAQの動きが、またそうした動きに火をつける可能性もありそうです。

今回の買収の遠因は、上場によって資本市場での資金調達力を身につけたNYSEに対してNASDAQとしてもEU取引所との統合で生き残りを図ったという図式だとも言われます。

とりあえずは、週明けのマーケットの反応が興味深いところです。

また、長期的にみれば、日本の取引市場の立ち位置を考える上でも、示唆に富む状況ではないかと思いますが、とりあえず眠いので、速報までということで^^

(3/11 追記)

neon98さんが、「証券取引所の戦略」というエントリーの中で、今後の取引所の方向性について考察を加えていらっしゃいますので、是非ご一読を。


Posted by 47th : | 01:01 | コメント (1) | トラックバック (1) | 関連エントリー (0) | Crossborder Transaction

かくして、アメリカの平和は守られた

(3/11 追記あり) 

Dubai Company to Transfer U.S. Ports to American Company (New York Times)

DP World, the United Arab Emirates state-owned company that had agreed to buy several port terminals in the United States, said today that it will transfer those properties to an American-owned company, bowing to a political groundswell against the acquisition.
The decision came just hours after a delegation of Republican leaders in Congress told President Bush in an Oval Office meeting that Congress would act within days to block the company's acquisition of the United States port terminals in the name of national security, lawmakers present said.

ここしばらく話題になっていた、アラブ系企業(DP)による米国の港湾運営会社の買収は、結局DPが買収をあきらめることで落ち着いたようです。

DP側としても、これ以上こじれるのは得策でないと判断したようです。
が、この問題が起きた当初、私は、正直、まさかこんなことが起きるとは思っていませんでした。


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Posted by 47th : | 20:37 | コメント (8) | トラックバック (1) | 関連エントリー (0) | Crossborder Transaction

中国政府と中国企業は同じ夢を見ているのか?

中国石油化工、カザフの石油会社買収を検討 (NIKKEI NET)

中国国有石油2位の中国石油化工(シノペック)がカザフスタンに権益を持つカナダの石油会社、ペトロカザフスタンの買収を検討していることが明らかになった。中国紙・東方早報などによると買収額は最大25億ドル(約2700億円)。原油などの資源が豊富なカザフスタンに拠点を築きエネルギーを安定確保する狙いだ。
(中 略)
エネルギー資源の安定確保は中国政府にとって最重要な国策の1つ。国有石油各社は豊富な資金を元手に世界の石油会社の買収を加速させる戦略で、既に3位の中国海洋石油(CNOOC)が米石油大手ユノカルの買収に名乗りを上げている。

ちょうどCNOOCによるUnocal買収提案について、福井さんがお書きになったコメントでも触れられていた話で、非常に興味をそそられる話です。
・・・といっても、私の興味は、恐れるべきは政府の陰謀よりも中国人の実利能力の高さではないかと思っている私は、案外、政府と中国企業の同床異夢ということもあり得るんじゃないかという気もしています。


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Posted by 47th : | 19:29 | コメント (3) | トラックバック (1) | 関連エントリー (0) | Crossborder Transaction

CNOOC提案にアメリカがおそれるもの

CNOOCによるUnocalへの買収提案ですが、次に掲げた記事あたりを見ていると、中国によるIBMのPC事業やメイタグの買収とは違う趣を持つものとして米国では受け止められているようです。

要は今回のCNOOCによる買収提案は、純粋にビジネス的なものではなく、中国のエネルギー政策と密接に結びついた国策的買収だという見方です。


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Posted by 47th : | 15:26 | コメント (1) | トラックバック (0) | 関連エントリー (0) | Crossborder Transaction

外資の脅威を理解するための覚書(1)

先日紹介した福井さんの鹿子木裁判長が与えた憂鬱について書いた外資むしりとり論への疑問について、福井さんからお答えのエントリーを頂きました。
お忙しいところ本当に恐縮だったのですが、ミクロのレベルで見たときに理論的に成立する議論がマクロのレベルで見たときにうまく機能するのか(合成の誤謬が起きていないのか)を、どう検証すればいいのだろうという、普段考えていることの手がかりになりそうなことも教えていただきました^^
ただ、それでもなお「外資むしりとり」論のロジックが、私にはよく分かりませんでした。ので、自分の備忘のために、どこがよく分からなかったのかをメモしておこうかと思います。余りにもマクロの素人丸出しの話なので、これについて福井さんにご回答いただくのはさすがに心苦しいので、自分でマクロ経済の基本書レベルのものを読みながら、考えをつめていってみたいと思いますが、これを読めば参考になるという資料をご存知の方がいらっしゃれば、ご教示頂ければ幸いです。


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Posted by 47th : | 18:11 | コメント (4) | トラックバック (0) | 関連エントリー (0) | Crossborder Transaction

確かに私も憂鬱なんですが・・・

門外漢の私でもお名前ぐらいは知っている西尾幹二先生のブログ(これだけの方がブログを書いているところが既に凄い・・・こうしたエネルギーが大切なんですよね。きっと)の共同管理人をされている福井さんからニレコ事件は決着したが・・・にTBを頂きました。
実はTBを頂いた記事についてはLa Quatorze Juilletさんのところで紹介されていたので、既に拝見していました。
いろいろな論点が含まれている記事ですし、福井さんはUCバークレーで経済学のPh.Dをとられた経済学の専門家ということで、せっかくの機会ですので、胸をお借りするつもりで経済学的な論点にも踏み込みながら、少しコメントをしてみようかと思います。


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Posted by 47th : | 20:28 | コメント (5) | トラックバック (3) | 関連エントリー (0) | Crossborder Transaction

擬似外国会社に対する海外の反応の一例

Japan law could cost foreign investment banks

Japan's Ministry of Justice has refused to amend a controversial bill that could cost international investment banks hundreds of millions of dollars, making it likely that the proposed law will be passed unchanged by the upper house of parliament this week, lawyers said.

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Posted by 47th : | 11:42 | コメント (3) | トラックバック (0) | 関連エントリー (0) | Crossborder Transaction

「擬似外国会社」規定と「レース」 (2)

前回書いたように、疑似外国会社の問題というのは、決して新しい問題ではないわけですが、とはいえ会社法現代化の「字面」というのは厄介で、現在、存在している疑似外国会社の取り扱いをめぐって、今後、いろいろ問題が出てくることが予想されます。

一度死にかけた「疑似外国会社」規定

ただ、この「厄介さ」というのは、別に想定外というわけではなかったはずで、実は、会社法現代化の過程で一度は疑似外国会社規定そのものを撤廃する方向へと針が大きく振れた時期があります。
2003年10月に公表された会社法現代化に関する要綱試案の段階では、疑似外国会社規定を廃止する案が選択肢の一つとしてあげられていて、パブリック・コメントの結果でも、この廃止案の支持率が高かったために、一度は「疑似外国会社」規定は廃止寸前までいったのですが、最終的には「疑似外国会社と取引する者の取引安全を重視」して疑似外国会社規定は若干の修正の下で存置されることになりました。


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Posted by 47th : | 17:15 | トラックバック (4) | 関連エントリー (0) | Crossborder Transaction

「擬似外国会社」規定と「レース」 (1)

ろじゃあさんによると日経朝刊で擬似外国会社に関する会社法821条がとりあげられていて、これで外資系会社が取引を継続できなくなると騒いでいるらしい・・・とのこと。

今頃になって騒いでいるのか、あるいは最近ネタが解禁になったのか・・・いずれにしろ外資系会社について問題だろうことはよくわかるが、証券化のSPCやM&Aや事業再生関係の債権や資産の買取のためのSPCも問題となり得る規定。既存の譲り受け分や既発債などの取り扱いについてはとうの昔に手当て済だとは思うが、今頃になって外資系証券についてこれが問題になるということは、まだ証券化関係等で未対応の主体も多いということなのかなぁ。

ちゃんと調べたことはないのですが、外資系の金融機関(投資顧問なんかも含めて)ではバミューダあたりに○○Securites Ltd. (Japan)とか置いてやっているところは結構あるので、擬似外国会社は「継続的取引ができない」と言われてしまうと、やはり、それなりに困るところは多いのではないかと^^;
ただ、ろじゃあさんの仰るとおり、この問題は、そんなに目新しい話ではありませんよね。


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Posted by 47th : | 13:58 | トラックバック (3) | 関連エントリー (0) | Crossborder Transaction

 
法律・経済・時事ネタに関する「思いつき」を書き留めたものです。
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