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信託型プランのコスト?

磯崎さんが「ニレコの新株予約権差し止めと日本買収防衛の未来」で信託型ライツ・プランのコスト面について、次のようなコメントを。

信託銀行というのは一行で数千億円規模の収益があるわけですから、その「有力収益源」ということは、業界全体で少なくとも数百億円の売上増が見込まれるということでしょうか?信託型を導入するのが上場企業1000社としても、1社あたり年間数千万円? やはり、導入企業側からすると(SPCの設立運営コストどころじゃなく)コストがかかるということかも知れませんね。:-)

具体的に「おいくら」というのは、信託型ライツ・プランのプレスを見ても書いていないのですが、仮に「数千万円」として、これを高いとみるか安いとみるかは、信託銀行が提供してくれるサービスの内容にもよってくるのではないかと思います。


信託銀行が受託者としてやることとして考えられるのは、①最初の信託の設定に関する事務手続き、②(直接型の場合には)新株予約権の引受け・払込み、③新株予約権の管理、④トリガーされた際の新株予約権の分配に関する事務といったあたりでしょうか?
このうち、①~③というのは、無償や1円発行ですので、それほど大変な話ではないような気がします。事務的に大変なのは、④かなとも思うのですが、④の中でも株主に新株予約件を送付したりといった作業そのものは、普通の株式分割の場合なんかの事務的手続と大きく変わるわけでもないようにも思えます。
というところで、「信託」というイレモノが必要というだけであれば、信託銀行じゃなく、信託会社を使うのも考えられるのかなというところで、論文の方(日本版ライツ・プラン(ポイズン・ピル)導入に係る法的課題)の脚注61でこんなことを書いていたりします。

信託の引受けを業として行うことは、従来、原則として信託業法に基づく免許を得た信託会社か金融機関の信託業務の兼営等に関する法律による認可を受けた金融機関の何れかに限られていた。しかし、平成16年11月の信託業法改正(平成16年法85号)によって、信託業への参入要件が緩和され、特に、管理型信託業については登録で足りることとされた(改正後信託業法7条)。また、委託者、受託者及び受益者が同一の会社集団に属する場合には、事前届出で足りることとされている(改正後信託業法51条)。後者の場合、資本金基準の適用もないため、信託型ライツ・プランの設定にあたって、この特例の適用が認められれば(同条は特例適用について政令指定を認めている)、信託方式に係るコストの節減が期待できよう。

グループ内会社ということが前提となるので、「出口段階」での訴訟という面では、SPCや信託銀行を使うよりも争われやすいということはあるのかも知れませんが、「出口でうまく争える方がフェア」という考え方もあり得るので、そこを余りデメリット視しなくてもいいんじゃないかという気もしています。
ただ、「いざ発動」というときの事務手続きについては、何れにせよ証券代行さんが不可欠なので、そのあたりの連携については、事前に考えておかないといけないのでしょうけど、コストということから言えば、信託型でも工夫の余地はあるのかなということも思っています。
まあ、まだ信託会社の例というのが限られているので、その辺りから考えていかないといけない問題もあるので、この6月総会に間に合わせるというのは難しかったのでしょうけど・・・

Posted by 47th : | 16:24 | Takeover Defense : Defense Mechanism

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トラックバック時刻: 2005年06月08日 05:14

 
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