外資の脅威を理解するための覚書(1) [ 2005年06月23日 ]
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Posted by 47th : | 18:11 | Crossborder Transaction
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コメント
47th様
少し、小休止ができますので気になることを一言だけ。
2つのドルの件ですが、私が勝手に言っているだけです。
どなたかの立派な学説でもありませんので念の為。(試しに検索もしてみましたが誰もそんなことは言ってないようです)
ただ、どうしても米ドルの持つ2面性というものを見ていかないと説明しづらいことがたくさんありましたもので。
2つのドル、などと言わずに2面性とでも表現すればよかったかもしれません・・・
それだけです、自論はあらためて述べさせていただきます。
Posted by 福井 : 2005年06月24日 10:09
>福井さん
お忙しいところ、ありがとうございます。
元々、純粋法学畑だったのですが、会社法をやっているとローエコやファイナンス理論と付き合うのが不可欠なので、ミクロ的なことはつまみ食いしているのですが、マクロは全く土地勘がありません。ので、的外れなところも多いと思いますが、お許しください。
がんらい、本を読むよりも手や口を動かして議論をしないと頭に入ってこないので、こういう機会があると、つい書きすぎてしまうかも知れませんが、ご負担にならない程度におつきあい頂ければ本当に勉強になります。
Posted by 47th : 2005年06月24日 13:01
47thさん
>こういう機会があると、つい書きすぎてしまうかも知れませんが
実は結構私も好きです。場所柄があり、エントリに出す予定原稿もありますので、頻繁にエントリは立てられませんが、手が空いたらコメント欄などでお付き合いいただければこちらもありがたいです。
うちの若手にコメント書かせています。http://nishio.main.jp/blog/archives/2005/06/post_181.html#c686
現役なのでこき使おうかと(笑)
秋からそちらの方へ行く予定らしいです。
アメリカへのマネーの集中とドルの持つ2面性の話、国債過剰流動性とその転機・・・あたりを書くと思います。
上記エントリの「二つのドル」と「日本国内の投資プロファイル」の関係の説明になるようにと言っています。
週末の遊びが優先のようで、続きが中途半端ですが。
Posted by 福井 : 2005年06月24日 18:20
こんにちは。学生時代はマクロ経済学(計量経済学)のゼミにおりました。総じて引用されている文章にひっかかりを感じるのは2点でした。
1.何でもかんでもアメリカの意志に沿って実現していると言 い過ぎていると思います。アメリカは世界で一番はっきり こうしたいという国ですが、他の国が自らの国益にもきち んと照らして判断して、「ま、いいんでないの」と他国が それに好意的に応じたからといって、世界を「思い通りに 動かした」かのような言い方になっていないでしょうか。 もはやそんなに強くはないと思っております。ヨーロッ パ・中国の顔色もちゃんと見ている。
2.「二つのドル」というのは結局のところ、南北格差が大き く各国通貨の強さのレンジが広いというだけの話ですね。 広いレンジの真ん中にいれば上も下もできる、ということ でさほど含みの多い作業仮説とは思えません。また狙って そのような位置にいる、というとらえ方もどうかと思いま す。アメリカは、ぶっちゃけた話ということであれば、ど の国に対しても徹底的に強いドルでいたいに決まっていま す。しかし戦後、その強さを自国で食いつぶしてきてしま った歴史の因果があるのでそうばかりも言っていられなく なったというだけの話。
アメリカはいわれるほど強くもなく、一枚岩でもない、というのが私の認識です。国内にアメリカを弱体化させ、世界をもっと多様化しようとする勢力も多い。
為替については2点とも47thさんのご指摘通りだと思います。「国際基軸通貨」でない通貨同志の強弱を一方的な損得とみることはできませんで、どの国についても国益には中立です。ただし「国際基軸通貨」という特殊な属性をもつ通貨(hard currency)については別途議論が必要です。特権があるため、国際基軸通貨としての流通実態を失わないまま、かつできるだけ弱くするのがお得なのです。現にずっと戦後そうされてきました。これは市中に出回る貨幣にバレないよう混ぜモノをしつ続ける悪政に等しいことを考えるとわかりやすい。管理通貨制度だからといって話が違うわけではありません。
国際基軸通貨のこうした「シニョレッジ」はものすごい特権です。アメリカは国際基軸通貨国というブラック・カードをもっているのです。自国民がかかわらない取引(どことどこでもいいですが、例えば日本とポーランドとか)の決済にドルが使われるので、多少堕落させても他の通貨のようにすぐには国内に舞い戻ってこない(インフレになりにくい)。国際基軸通貨を発行する国には簡単に通貨を堕落させないようにする義務があると私は思いて他国は国際基軸通貨国に新井白石のようなことを言ってやらねばならないのですがしかし既に相当に堕落させてしまったのでどうやら過去の多くの通貨の例外となることはできなかったということになりそうですね。
国際基軸通貨に関する議論は岩井克人東大教授の「貨幣論」に詳しく、このコメントもその受け売りです。
Posted by bun : 2005年07月24日 07:05