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US Lawへの誘い? (1)

実は先週からロー・スクールの授業が始まって、その予習に追われたりしています(汗)。
私のとっているのは、LLMというコースなのですが、英米法の国で学位をとっていない学生はIntroduction to U.S. Lawというカリキュラムを受けなくてはいけないことになっています。
今回、教科書に使ったのはAmerican Law In A Global Context: The Basicsという本です。
600頁ぐらいある割には、お値段も(この手の本としては)手頃で、内容的にも憲法から、契約法、不法行為法、民事手続法、刑事法・・・と一通りカバーされているので、(多少くせはあるのですが)最初のとっつきとしては悪くない本です。
もっとも、多少問題なのは、NYUの場合には、この600頁余りある本を月曜日から木曜日の4日間でカバーし(もちろん、スキップするところはあるのですが、それでも7割ぐらいはアサインメントの対象になっています)、金曜日には、こんな感じのテストがあるというところです。(なお、問題文は回収されてしまったので、以下は私の記憶にある範囲のことを適当に訳したものですので、いろいろと細部に違いはあるかも知れません)


あなたは、ニューヨーク州の弁護士であるが、以前相談を受けた依頼者から次のような手紙をもらった。この依頼者の相談への対応の手紙を起案せよ。
*    *    *    *
私は、以前アメリカの市民権取得に関してお世話になった者です。その節は、ありがとうございました。実は、今回、非常に困ったことが起きました。信頼できるのは、あなただけですので、どうかご相談にのって頂けないでしょうか。
ご存じのように、私はカナダ国籍で1991年にアメリカに来て、以後ニューヨークに住んでいますが、私の念願の一つに自分で書いた本の出版ということがありました。今回、遂に本を書き上げ、印刷もしたところで、この本を出版するための会社を設立しようと思い、先日ニューヨーク州の管轄官庁に行ったのですが、そうしたところ、そこの担当者から「ニューヨーク州の法律上、会社を設立できるのはアメリカ国民だけということになっているので、届出は受け付けられない」と言われてしまいました。
また、私はそのとき自分の書いた本を持参していました。その本のタイトルは「カナダ人によるアメリカ支配のための手引き」というものだったのですが、担当者はそのタイトルを一瞥して、「連邦法で他の国によるアメリカ支配を扇動するような内容の本の出版は禁じられているから、何れにせよその本の出版はできないだろう」と言われてしまいました。
私は、大変がっかりして自宅に戻りって、そのことを籍は入れていませんが、一緒に暮らしているパートナーのスーザンに話しました。スーザンは、私の出版にこれまで協力してくれて、本の印刷代金も払ってくれていたのですが、その話を聞くと、大変に怒り出して、すぐに引っ越し屋を呼んで、印刷済みの私の本を全て持って出て行ってしまいました。
私は、元々私の祖父が住んでいた家に住んでいて、これを私が昨年相続したのですが、その理由は祖父が亡くなる間際に遺言で「この家を私の孫か曾孫で最初に本を出版した者に譲る」と指示したからです。私は、スーザンが出ていく前に、スーザンに対して、出版に協力してくれて本当に感謝してくれているので、「私が死んだ後は、この家の権利はスーザンにあげる」(life estateは私に、remainderはスーザンに)という約束をしていました。でも、スーザンは本当に怒っていて、私がスーザンと一緒に住む前から買っていた猫のMr. Noodleまで連れて行ってしまいました。
先日スーザンと電話で話したときには、スーザンは今ニュージャージー州に住んでいて、そこで仕事も見つけたので、金輪際私とは会うつもりはないし、印刷した本も全部廃棄してしまったと言っていました。
それでも、私は、ともかく本だけは出版したいと思っていたので、ABC出版に本の印刷の見積もりを出してもらいました。そうしたところ250部で2000ドルという見積もりを出してもらいました。私は、それなら悪くないと思ったのですが、一応他のところにも見積もりを聞いてみたいと思い、即答はしませんでした。ABC出版も、私の考えを理解してくれて、この見積もりを10日間オープンにしておくと言ってくれました。ところが、いくつか他のところにも電話をして、やはりABC出版の見積もりが一番よかったので、ABC出版に電話したところ、彼らはさっきのオファーを取り下げると言ってきました。これは、何とも不公正じゃないでしょうか?
私は、ともかく本を出版したいし、ABC出版に元の見積もりの価格でやらせたいと思っています。また、そもそもあの担当者が会社の設立を拒まなければ、こんなことにはならなかったのに、どうにかして、そうなる前の状態に戻したいのです。また、私はスーザンに対しても、とても腹が立っていますし、Mr. Noodleを取り戻したいと思います。そのために、私は何をすればいいでしょう?また、あなたは私のために何ができるでしょう?

・・・というわけで、これはエッセイの問題なのですが、これ以外に12問選択式の問題があって、全部で3時間・・・実はテスト前に教授は「3時間とっているけど、普通にやれば2時間で終わる試験だ」などと言っていたのですが「大嘘」でした。
しかも、慣れない英語の手書きというのが、またつらく・・・腕が疲れ、気持ちが焦ってくると、だんだん自分の英語が本当にミミズのはったような姿に・・・これは採点する方も拷問だろうな、と思ってしまいました。

Posted by 47th : | 10:35 | Law School

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