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コモン・ロー万歳!

っていうか、余りにも法律家から見ると、荒唐無稽でしかない主張なので笑っていたんですが、私がStern(NYUのビジネス・スクール)でとっているM&Aの教授のAmihudも授業で肯定的に紹介し、NY Lawyerさんの受けている授業でのYermackもかなり肯定的に紹介したということで、Harverd経済学部教授のShlieferが中心となっているコモン・ロー賛美シリーズをとりあえずクリッピング(何れもHarvardのfuculty 紹介からのリンク)・・・っていうか、多い。

実は、「開発」の文脈でも、これが引用されて強力な法システムがないと経済発展はないという主張を支えているんで、そっちの関係でも何れは真面目に検討しないといけない話なんですよね。(というわけで、下記リンクには資本市場絡みではない開発絡みの論文も混入しているのでご注意を) 


Posted by 47th : | 20:26 | Law & Economics

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トラックバック時刻: 2006年02月24日 22:32

コメント

今見たら、Yermackはハーヴァードでエコノミクスの学位を取っていますね。http://www.stern.nyu.edu/fin/fac/yermack/vitae.htm

Posted by NYlawyer : 2006年02月24日 23:15

こんにちは。コーポレートガバナンスと法・政治システムとの関連という点では、ナポリ大学のMARCO PAGANO教授の一連の仕事も参考になるかと思いますので、とりあえずサイトをご紹介しておきます(論文はほとんど英文です)。
http://www.dise.unisa.it/docenti/pagano.htm
私は1本しかまともに読んだことがないのですが、少なくとも投資家の利益保護という観点からはアングロサクソン型の法・政治システムに優位性がある、という立場のように思えました。

Posted by 梶ピエール : 2006年02月25日 05:33

こんにちは。

コモンローの批判って日本語だと書きやすいのに英語だとむちゃくちゃ辛いです。原因は私の英語力の貧しさだけですかねぇ・・・(笑)。私は今のところ、そもそも開発を要する地域に、コモンローは向かないんではないかと思っているのですが・・・

Posted by bun : 2006年02月25日 05:59

>NY lawyerさん
そういえば、ChoiとかBargillもHarvardの経済だったような・・・NYUはHarvard Econの領土なのかも知れないですね。
>梶ピエールさん
ありがとうございます。参考にさせていただきます。
何れDavid Kennedyの論文でもご紹介しようかと思うのですが、法律家からみると、同じ法律の文言を使っていても、社会的な背景や経済システムによって、その意味合いや効果は違うので、そもそも「最適な法体系」という主張自体が非常に疑わしく、ましてやコモン・ロー、シビル・ローの二元論は全くしっくりこないわけです。
簡単な例をあげますと、日本の証券取引法は米国の全面輸入ですが、おそらくそれをもって日本をコモン・ローとは言わないと思いますし、イギリスは典型的なコモン・ローですが資本市場の規制に関しては米国よりも遙かに制限的で、どちらかというとヨーロッパと親和性を有したり、とか、日本は事前規制で投資家保護を図り、米国は事後的規制に頼るので、「結果として」投資家による訴訟の重要性が米国では高くなるが、だからといって米国の方が一概に投資家保護が強いとはいえない、etc・・・とはいえ、Shleiferという影響力の強い学者が強力に主張し、会社法学者やファイナンス領域の人々も結構信じているということになると、もう少しきちんと見ないといけないなぁ、と思った次第です。また、この辺りについて書いた際にはコメントを頂戴できると幸いです。
>bunさん
英語という言語が曲者なのかも知れませんねぇ(笑)
ご指摘のようにコモン・ローというのは、裁判所による法創造作用を中核とするので、そのための法曹育成とか教育までやらないと導入できないと言う意味では、開発段階の国には向かないという面もあると思います。
また、逆にいうと、コモン・ローシステムを導入している国というのは、比較的経済的にも政治的にも安定している国だからこそ、そんな悠長な制度を入れている可能性もあるわけで、そうすると統計で有意な相関が見られても、単にそれは因果の流れが逆(経済的に安定している→裁判所に依存したコモン・ロー・システムをとれる)というだけかも知れないので、そうした面でもShleiferの分析手法を見てみる価値はあるかなという気がしています。

Posted by 47th : 2006年02月25日 11:46

>英語という言語が曲者なのかも知れませんねぇ(笑)

ええ。引きずられてしまう(笑)。「インディペンデンスデイ」というつまらないSF映画がありまして、日本語でこの映画を見ると「なーにが独立記念日だ。アメリカだけで話すすめやがって」とクダをまいて白けてしまうんですが、英語で見ると結構ジーンときたりして(笑)。イギリス英語の発音で考えるなりしないと(笑)。

>比較的経済的にも政治的にも安定している国だからこそ、そんな悠長な制度を入れている

全くご指摘の通りで、証明すべき命題を仮定する類の間違いをしでかしているのではないかと疑っております。アメリカが経済的にも政治的にも安定している理由については、アメリカ自身は全くわかっていないというか、無自覚に振舞っていて(すっとぼけているだけかもしれませんが)そうした態度が他国を苛立たせるんですね(笑)。私は経済的にも政治的にも安定している理由として最も重視しているのが、先日の議論で言及させていただいた通り、国際基軸通貨としてのシニョレッジその他、「米ドル」というだけで先験的にというか無条件に与えられる信用なんであります。アングラマネーとして沈んだまま浮いてこない乱発分も実に大きいですし。コモンローの優位を歌いたいのであれば、こうした利権を取り除いて比較してもらわなければ困るのですが・・・

Posted by bun : 2006年02月25日 13:50

こんにちは。
明治期の日本がコモンローを入れずに、大陸法系を導入することになったのも一つにはコモンローの方が入れてからシステムがきちんと稼動するようになるまでに時間がかかるからではなかったのでしょうか?あの時期はどっちのシステムでもいいから、とにかく、きちんと司法制度が動いているという風に欧米に見えることが条約改正との関係で必要だったわけで。そういう意味では成文法があるシステムの方が、立ち上げてからそれなりに動いているように見えるようになるまでの時間は、
短くて済むのではないかと…直感的に思ったりするのですが。

Posted by dtk : 2006年02月26日 17:00

>bunさん
そうそうアメリカは、ホント無自覚なんですよね。
日本より、もっと根本的なところで島国根性というか、アメリカが世界の全てで、あとは全て「発展途上国」ぐらいの感覚なんですよね。
>dtkさん
まさに、開発の文脈の中では、そういう対西欧としての「発展」とか「法治国家化」ということが話題になれ、その例でひきあいに出されるのが日本なんですよね。
ただ、起草の時の経緯とか文献をみると、特に民法の起草者は単に翻訳するだけじゃなく、それぞれの法制度の背景とか体系とかを結構理解していたというのがうかがわれて、驚くことがしばしばあります。
というわけで、独創的な法システムを極めて短期に構築した日本人のすさまじさ・・・と、ここでは思いっきりナショナリズムに走った考え方をしたりしています^^;

Posted by 47th : 2006年02月28日 20:23

 
法律・経済・時事ネタに関する「思いつき」を書き留めたものです。
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