対象となったのホームの試合は20試合ですが、まずは基本的な統計数値を見てみると、平均観客数は48187人で、標準偏差は3250人ということなので、もし今回のギリシャ戦の観客数45864人は、この点から見ても、十分に平均的ということになります。
ただ、この20試合の中には、公式戦(Euro2004予選、WC予選)と親善試合があるので、これを分けたものをBOX Plotで見てみると・・・
一見して明らかなように、WC予選に関しては、ほとんど満員でばらつきがほとんどないのに対して、Euro予選とFriendlyは結構ばらつきが見られます。特にFriendlyは、中心は3500人から50000人強のレンジに集まっているのに、何故か一本線が70000人のところまで延びていたりします。
この時点で既に親善試合として見たときに45000人という数値は、平均以上のかなり優秀な数値に入るということが言えるわけですが、メディアで言われているようなBeckham様の影響力の大きさというのは数字的にはどのぐらいあるのかという辺りも見てみましょう。
DBというのはDavid Beckhamの頭文字ですが、彼が出場した試合が「1」、出場していない試合が「0」になっています(※)。 これを見ると、ベッカム様が出場している方が観客動員数が多いようにも見えます。
・・・ですが、最初に見たようにWC予選と他の試合の観客動員はかなり違いますので、ひょっとしたら、これはベッカム様が出ていない試合は親善試合やEuro予選に固まっているせいかも知れません。
そこで、この二つの要素を組み合わせた上で、ベッカム様がどのぐらい観客動員に貢献しているのかを見なくてはいけません。
実はベッカム様が出場しなかったのは、20試合のうち4試合だけで、そのうち2試合はFriendly、1試合がEuro予選、もう1試合がWC予選ということになっています。
つまり、「DB=0」のカテゴリーの半分はFrindlyということになるので、その意味では上のDBの1,0比較は余り有益な情報をもたらしません。
では、ちょこちょこっとデータにお化粧をして(※2)、親善試合でのベッカム様の影響というのを見てみるためにBox Plotをしてみましょう。
人によって印象は違うかも知れませんが、サンプル数の少なさを考えると、ベッカム様の観客動員能力は統計的にはとても有意とは言えなさそうです(※3)。
ちなみに、2002年のW杯終了後、最初の親善試合は相手がポルトガルで、ベッカム様は出場していませんでしたが、観客動員数は40058人。その1か月後のホームは、マケドニア相手のEuro予選(公式戦)で、しかも、Beckham様が出場という好条件が揃っていたものの、観客動員数は32095人に留まっています。
この数字から見ても、今回のWC明けの親善試合、相手はギリシャで前売りが45864人という入場者数は優秀とすら言えるもので、代表人気やベッカム落選の影響ということは的外れだと言えると思われます。
なお、イギリスの新聞は、WC直前のジャマイカとの親善試合の入場者の7万人と比較して「凋落」と言っているようですが、このジャマイカ戦の数値は統計的に見ると異常な数値で、2月のオランダ戦、3月のウルグアイ戦は何れも約4万人です。
というわけで、こうやって数字の方を見てみても、今回のお話は、何というか、イギリス・メディアお得意のFAと代表監督叩きのためにする議論だという気がするわけです。
ちなみに、試合の方は見ていないんですが、レノンは先発ではなくダウニングを使ったようですね。
ハーグリーブスでバランスをとりながら、ジェラード、ランパードが中盤で動いて、ダウニング(レノン)がスピード突破でアクセントをつけるというのが新生イングランドのスタイルになるんでしょうか?
ジェラード、ランパードにベッカムは、ちょっと中盤が五月蠅すぎるきらいがあったので、こっちの方が楽しそうな気配ですね^^
まあ、ベッカムのセットプレイや放り込みは、今でも魅力なので、流れを変えるためのカードとしては貴重なんでしょうが、問題は本人が納得するかどうかなんでしょうね。
・・・ということで、MiniTabからしばらく遠ざかっていたのでリハビリ代わりのエントリーでした。
(※) 本当は「招集」されたかどうかで区別した方が観客動員力という点ではいいのですが、招集メンバーのチェックは(不可能ではないでしょうが)面倒なのと、Beckhamであれば、招集されてベンチを温めるだけというのはそうないだろうということで、「出場」でフラグを立てています。
(※2)実は、WC開幕直前のジャマイカ戦は親善試合にもかかわらず7万人の観客動員という異常な数値をたたき出していて、明らかに外れ値になっていたりします。これはWCに行く前の代表を見たいという非常に特殊な状況の下での現象なので、一般的な親善試合への影響を見るには相応しくないので除去しています。
(※3)なお、念のためGLSも走らせてみましたが、Match Statusはぎりぎり有意でしたが、DBは有意水準にはありませんでした。これもサンプル数が少ないので、決定的ではありませんが。