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神田秀樹『会社法入門』

さて、既に各所で話題になっている神田先生の『会社法入門』ですが、この本も日本から送ってもらうのを心待ちにしていた本で、評判以上の面白さに一気に読み終わってしまいました。

Kanda_Kaisyaho_Nyumon

 

アマゾンのレビューなどを見ると、巷にあふれかえっているあんちょこ本と同じレベルで評価しようとしている人もいるようで、それを見て、大学院時代に岩原先生が院生向けに開講した『アメリカ会社法の基礎』というゼミを受講しながら、そのレベルの高さに、兄弟子と「この『基礎』は"Basic"じゃなくて、"Fundamental"のことだったんだ・・・」と話し合ったのを思い出したりしました。

これは、まさに「入門」書ですが、その「入門」の意味は、これから「会社法」という領域に、学問的に、あるいは、実務的に足を踏み入れていく人に対して書かれたものです。

実際、あんちょこ本や単なる解説本を、一心不乱に読み耽るほど、私はマニアではありません(笑)。
山のようにある商事法務の会社法関連記事や会社法の解説書に、帰国前に目を通さないといけないかと思うと憂鬱な気持ちになるんですが、この本が私を引き込んだのは、会社法の今の立ち位置と、これから会社法に携わる者が直面しないといけない問題が、まさに簡にして要を得て提示されているからです。

今までお世話になったり論文を拝見している中で、私なりの神田先生に対するイメージというのがあって、その中で非常にひょうひょうとした方だというイメージがあったのですが、この本からは、非常にストレートな熱さを持ったメッセージを感じました。

どの辺りがそうなのかは、ある程度、会社法そのものに対する理解や今回の会社法成立の過程についてのバックグラウンドの知識がないと分からないかも知れません。
ただ、第2章から4章の解説部分だけでも、これだけの(少ない)ボリュームに、あれだけ整理された情報が入っている類書は、ちょっと期待できないところです。会社法について、これまで余り学んだことがない人でも、2章から4章を丁寧に3回ぐらい読めば、かなりイメージがつかめるんじゃないかという気がします。

その上で、第5章を読み、その後で第1章に戻ると、この本の味わいの深さが多少なりとも分かってくるんではないでしょうか。入門書にもかかわらず、行間に込められたものの深さはさすがに神田先生で、するめのように噛めば噛むほど味が出るんですって、いや、本当に。

・・・と、抽象的な話ばかりになってしまって申し訳ありませんが、具体的なところでも、非常に興味深い話がところどころあって、それは、また別途とりあげるかも知れません。

何れにせよ、会社法の世界に「入門」したいと思っている方には、是非お薦めしたい本ということで(・・・って、多分、このブログを読んでいる方の多くは、私よりも前に読み終わっているんでしょうが・・・)


Posted by 47th : | 12:15 | Book Review

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