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別に消費者金融業界にクライアントがいるわけでもなく、利息制限法や貸金業法を専門にして生きているわけでもない私が、何の因果でここまでムキになって上限金利規制に反論せにゃあかんのかという話はあるわけですが、それでも反論したいというのが人間の摩訶不思議で、これを選好の個別性の問題と呼ぶか非合理性と呼ぶかはともかくとして、とりあえず、ここまでのところでの関連エントリーを以下にまとめてみました。
- 消費者金融≠企業金融 [ 2006年04月22日 ]
- 貸金業者が売っているものは何なのか? [ 2006年04月22日 ]
- neon98さんに反論してみる・・・の巻 [ 2006年04月21日 ]
- 「借り換え」行動の合理性? [ 2006年04月20日 ]
- なぜ過剰取立は起きるのか?(1) [ 2006年04月20日 ]
- 「世の中」とローエコ [ 2006年04月19日 ]
- なぜ過剰取立は起きるのか?(イントロ) [ 2006年04月18日 ]
- 利息制限法と借り手保護の微妙な関係(3) [ 2006年04月18日 ]
- 利息制限法と借り手保護の微妙な関係(2) [ 2006年02月26日 ]
- 利息制限法と借り手保護の微妙な関係(1) [ 2006年01月13日 ]
ところで、一つ確認しておきたいんですが、私は、上限金利規制強化が、政策目的として掲げれている多重債務者問題の解決自体に反対しているわけではありません。
多重債務者の債務整理や自己破産申立てにかかわったこともあれば、信販会社の申し立てた財産差押えの執行で執行官について一日に複数の多重債務者のお宅を訪問したこともありますし、その意味では(現にばりばりと債務整理をこなしている方々とは比ぶべくもありませんが)多重債務者の実態についても人よりは見聞きしているものもあります。(ただ、その印象からは、多重債務者が自己抑制の利かない非合理な人々という印象は実は強くありません。多くの場合、自分又は連帯保証の主債務者の倒産・失業という予測の難しいイベントがトリガーとなり、消費者金融からの借入も生活費や住宅ローンの支払原資で、それ故に同情すべき余地の多い事案でした。この辺りの感覚は、下で挙げている「消費者金融顧客の自己破産ーその特徴と原因ー」の実証結果と一致しますが、それについてはまた後日ということで)
私が一連のエントリーで問題としているのは、上限金利規制はまず理論面から考えても多重債務者問題の解決に役立たないという意味で政策として無益であるのみならず、低所得者層によるクレジットへのアクセスを閉ざしライフラインを危殆化させるのみならず、ヤミ金融への依存度を高めてしまうという点で、却って保護の対象であるはずの低所得者層にとって望ましくない結果を惹起するおそれが高いという点です。
人間は世の中を敵と味方の二つで見たがり、敵の味方をするものは敵と考えたがる・・・と、経済学者のDavid Friedmanも最近こぼしていたわけですが、「貸金業者にとって不利な上限金利規制に反対すること→貸金業者の肩を持つこと→多重債務者の敵」という構図で見られている方がいらっしゃったら、少し立ち止まっていただけると幸いです。
また、私が拝見した他のブロガーの方の記事の中で、専ら経済学的な観点から(従って、実務的な観点や純粋に法的な観点からのものは除外しています)上限金利規制を行うことについての意義を考える上で参考になるエントリーを。
- [economy][law]利息制限法の是非 from bewaad institute@kasumigaseki
- 利息制限法 from つれ数
- 出資法の上限金利の引き下げに反対します from つれ数
- なぜ過剰取立は起きるのか?(47thさんの記事より) from isologue
- 上限利息規制は必要? from LLM留学日誌~留学2年目NYLife
- 消費者金融的経済学 from isologue
- 早稲田大学消費者金融サービス研究所の論文より from isologue
- ローエコ、経済物理学とウシジマ君、萬田銀次郎 from 一寸の虫に五寸釘
- 47thさんとneon98さんの議論に野次をとばしてみる・・・の巻 from 一寸の虫に五寸釘
- 29.2%は高い? from Taejunomics
- 「市場」が成立することのメリットとデメリット from LLM留学日誌~留学2年目NYLife
- [economy][law]貸金業制度等に関する懇談会・中間整理の公表 from bewaad institute@kasumigaseki
- 金利決定の「もやもや」。 from Taejunomics
- 懲りずに47thさんに敢えてこわごわ反論してみる・・・の巻 from LLM留学日誌~留学2年目NYLife
- 貸金業の上限金利問題〜その1 from いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」
- 貸金業の上限金利問題〜その2 from いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」
- 市場原理が働いているのかが問題では?(消費者金融と上限金利)from 一寸の虫に五寸釘 (4/24追加)
- 金利規制で多重債務者は救済されるのか from つれ数 (4/24追加)
次はネットで見つけた有用な論文が掲載されているサイトと参考になると思われる論文です。
消費者金融サービス研究所:早稲田大学プロジェクト研究所ワーキングペーパー
- 上限金利規制が消費者金融市場と日本経済に与える影響 (pdf)
- 消費者金融顧客の自己破産ーその特徴と原因ー (pdf)
- 上限金利引き下げ影響に関する考察 (pdf)
- 消費者金融市場における上限金利規制の影響ー日本のデータによる分析結果ー(pdf)
- 消費者信用市場における上限金利規制の影響ー米国における先行研究のサーベイー(pdf)
- 消費者金融業産業組織論的分析-規模の経済性の観点から-(pdf)
- 消費者金融の経済的意義 (pdf)
- 米国の消費者金融サービス市場 (pdf)
- 消費者金融会社の収益・費用構造 (pdf)
- アメリカにおける個人破産に関する実証研究 (pdf)
- 米国サブプライム・レンダーの勃興と衰退 (pdf)
- 消費者の主観的割引率について-アンケート調査の結果から-(pdf)
- 「消費者金融サービス産業における長期均衡の効率性」-資金調達市場を考慮した場合- (pdf)
- 「消費者金融サービス市場の競争度」(pdf)
- 「消費者金融サービス業の規模の経済性」(pdf)
- 「ヤミ金融被害を減らす為の効果的政策に関する経済学的分析 (pdf)
- 「貸出金利の誤解-市場構造と上限金利に対する経済学的考察-」(pdf)
同サイトには学部生の受賞論文も載っていますが、ここに挙げたのは大学院生以上の論文の中でこれに関連すると思われる論文のみです。
というわけで、この問題について引き続きご興味を持たれる方は、こうした論文などもご覧になってみるといいんではないかと・・・で、皆さんが、こうした論文をご覧になっている間に私はゼミのペーパーと試験準備にいそしむということで。
では、皆様ごきげんよう。


















