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次の宿題?・・・規制薬物の合法化

消費者金融の上限規制、臓器売買とやっているうちに、既につれ数(night_in_tunisia)さんとTaejunさんがとりあげられていますが、マンキュー先生のブログで規制薬物の合法化のお話が出ています。

これまた、色々な論点がテンコ盛りな訳ですが、まずは無責任に情報を垂れ流して、問題提起だけ。

DRUG WAR CRIMESの作者J.A. Mironはブログもやっていて、そこにも関連記事が(ちなみに臓器売買とかEasterlyの本関係も発見)

しかし、このMironというのは、凄いリベラリストですね。
The Ten Worst Gorvenment Policyの1位がDrug Prohibitionで、2位がMedicare、3位がAntitrust Policyって・・・いや、ここまで来るとある意味立派かも知れませんが、その意気込みの割りにはAntitrust批判は、何かピントが外れている感じなのがイタイ。更には、外部性に基づく政府介入にも批判的で、要するに彼が望んでいるのは完全なレッセ・フェールということのような気が・・・

まあ、Mironの主張の行きすぎはひとまず措いておくとしても、規制薬物解禁論は経済学的に考えて、消費者金融の上限金利や臓器売買とどこが違うのか考えてみるのは、頭の体操として非常にいいのではないかという気がします。

なお、今のところの私のJUST印象は、マリファナ→△、ヘロイン、コカイン→×です。
この区別がどこから来るかについては、一応経済学的に説明付けられる理由がないわけではありません(そんなに確信があるわけではありませんが)。

上限金利規制と臓器売買で経済学と法規制との関係に興味を持たれた方は、是非、考えてみてください。
とりあえず、私の考えているキーワードは外部性と社会規範です。

では。 


Posted by 47th : | 15:10 | Law & Economics

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コメント

fujiです。
47thさんの頭の体操に水を指すようで申し訳ないですが一連の記事には違和感を覚えざるを得ません。経済学的知識ゼロですが、このような見解は、人身売買や奴隷制度、人殺しを認めることに行き着く、まさに社会的規範を無視した恣意的理論としか思えないのですが(かと言って47thさんの結論を早くお伺いしたいのではありますが・・・)。

Posted by fuji : 2006年05月02日 10:16

はじめまして。いつも非常に考えさせられる内容で、楽しみに読ませていただいています。一連の記事も、極めて真摯かつ穏当な表現で、「規範を無視した」とか「恣意的」というような非難はあたらないことが、きちんと読んでいる人には分かっていると思います。

細かい点ですが
> しかし、このMironというのは、凄いリベラリストですね。
リベラリストなんでしょうか。リバタリアンではなく?

Posted by luke : 2006年05月02日 12:09

>fujiさん

>人身売買や奴隷制度、人殺しを認めることに行き着く、まさに社会的規範を無視した恣意的理論としか思えないのですが

何故、人身売買は嫌悪され、ハリウッド・セレブによる孤児の引き取りは礼賛されるのでしょう?
何故、奴隷制度は嫌悪され、途上国での低賃金労働は(勿論反対する人たちもいますが)その国の政府に受け容れられるのでしょう?
何故、「人殺し」は蔑視され、「兵士」は英雄視されるのでしょう?

そして、何故「社会的規範」は守られなければならないのでしょう?

「正義」や「公平」という言葉には、こうした問題に答えを与えることはできません。
臓器売買も上限金利も、それを「法」で禁じるということは、それを切実に願う人々への説明責任を負うということです。たとえ、立方担当者や裁判官でなくても、法律家は「法」の力を借りることで成り立っています。
だからこそ、「何故法が人を縛れるのか」という、その根源を考える必要があると思っています。
・・・というわけで、fujiさんに「違和感」を感じて頂いたのは、むしろ私の狙っていたところで、その「違和感」を切り捨てるのではなく、「何故自分が違和感を感じるのか?」というその根源に立ち戻って考えてみてもらえるといいなと思っています。
>lukeさん
お気遣いありがとうございます。
fujiさんのような「違和感」は普通なのだろうと思いますし、寧ろそれを感じてもらって、その上での源をさぐって欲しいなということも考えていました。
>リベラリストなんでしょうか。リバタリアンではなく?
確かにそっちの方ですね。リベラリストだと、褒め言葉になっちゃいますね。

Posted by 47th : 2006年05月02日 13:38

>lukeさんへ
はじめまして。言葉には気をつけますが、別に非難してる訳ではないですよ。子供(私)が父親(47thさん)に戦いごっこをねだるようなものですね。47thさんは、悠々と答えて、さっさともう別のエントリーをたてていらっしゃいますよ。一緒に戦いごっこをしましょうよ。
>47thさんへ
早速のコメントありがとうございます。
>何故「社会的規範」は守られなければならないのでしょう?
いまのところ『それが「社会的規範」だから』としか答えられません。でも、一連の見解が、説明責任を果たしているようにも思えないのですが・・・。先生ご紹介の「ヤバい経済学」を読みながらもう少し考えてみたいと思います。

Posted by fuji : 2006年05月02日 18:49

こんにちは。
私は、経済に関しては門外漢なので47thさんやみなさんの議論についていくのが大変なのですが、47thのおっしゃっている頭の体操とは、単純に社会規範や規則等をアプリオリに受け入れた議論を考えることではなく、より多くの人が納得できるような法を探るべく、敢えてアプリオリな条件をも一旦括弧に入れてでも、根元的な議論をする試みではないかと思っています(趣旨を読み違えていたら、済みません)。
その意味で、47thさんのブログは、いつも考えされます。
法や社会規範等は、社会の変化に従い、変化するものだと思いますので、当然、このような頭の体操は、法の関わるものとしては必須ではないかと思いますし、この頭の体操が、有益な議論、更にはより説明可能性のある、かつより説得力のある見解を導くと思います。

Posted by taghit : 2006年05月03日 01:23

>fujiさん、「説明責任」という言葉の使い方に大いに違和感を覚えます。
(Wikipediaより引用)「企業や政府など社会に影響力を及ぼす組織が、(中略)(ステークホルダー:stakeholder、利害関係者)にその活動予定、内容、結果等の報告をする必要があるとする考え」


Posted by luke : 2006年05月03日 09:44

>皆様
経済学的な議論で法律を見ることで自分の立ち位置が見えてくるのと同様に、色々な方の見方を知ることも私にとっては自分の視界を広げてくれるという意味で貴重な機会ですので、どうかこれからもご遠慮なく色々と書き込んで頂ければ幸いです^^

Posted by 47th : 2006年05月04日 22:58

 
法律・経済・時事ネタに関する「思いつき」を書き留めたものです。
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