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権限争いと訴訟?

先週の話になりますが、Comptroller of the Currency Administrator of National Banks(OCC)がNY州の司法長官であるEliot Spitzerに対して訴訟を提起しました。以下は、そのプレスから。

The Office of the Comptroller of the Currency filed suit against the New York Attorney General today, seeking a declaratory judgment and preliminary injunction to prevent him from interfering in the OCC’s fair lending examination and supervision processes at national banks. The OCC’s action follows the filing of a suit by The Clearing House Association, New York, seeking similar remedies against the New York Attorney General.

Sptitzerは最近、銀行の貸付に際して人種差別的な取扱いがなされているという嫌疑を元に捜査を始めたのですが、それに対して財務省の機関であるOCCが、それは俺たちの仕事だということで「待った」をかけたということのようです。
どこの世界でも、いつの世でもそうですが、銀行や金融機関を狙うと世の喝采を浴びるものです。Spitzerとしては、在任中にできるだけ金融機関をしばいておいて、とりあえずは次のNY州上院議員で、いずれは偉大なる先輩ジュリアーニのように大統領候補というのも念頭にあるので必要以上にはりきっているのですが、元々国法銀行についての規制権限を掌握しているOCCとしては、勝手に一州の司法長官が実質的に銀行の業務規制に口を出すということになると大変ということになります。
こうした権限争いは霞ヶ関でも起きるわけですが、アメリカの凄いのは、それで話をねじこむ先が裁判所という辺りです。まあ、法律の適用の問題ではあるのですが、日本ではちょっと考えにくい感じの話です。
まあ、こちらの方は投資銀行の利益相反問題に比べれば、割合些細な話なので、意外とSpitzerのあきらめは早いかも知れませんが。

Posted by 47th : | 06:40 PM

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