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前回は、まず｢はじめに｣をじっくりと読むことをお薦めしました。
なるほどと思うところもあれば、疑問がわくところもあったかも知れません。
そこで、次は｢はじめに｣を読んでいるときに持った疑問点を念頭に置きつつ、先を読み進めていきましょう･･･と、言いたいのですが、やはりかなりのボリュームなので、なかなか読み進めていくのは大変です。
というわけで、どの辺りを重点的に読んでいけばいいか、独断と偏見でタイプ別傾向と対策を考えてみました。
色々な関心対象があるとは思いますが、そうは言っても、やはり読んでおいた方がいい部分はあります。ソフトでいえば、最小インストール･オプションみたいなものですね。ここでは法律やファイナンスに対する専門的な知識はないけど、ライブドアの件などを通じて企業の支配権争奪には関心を持つようになったという方向けに、特に読んで欲しい箇所をピックアップしてみました。
ページ数でいうと、①pp. 14-28、②pp. 101-117、③pp. 118-124というところで、これでも40頁ぐらいはありますが、内容的には専門的な知識がなくても、いろいろと考える材料を提供してくれるところなので、余り飽きずに読めるのではないかという気がします。
次に、金融関係のお仕事をされている方やファイナンス理論が趣味という方は、是非第2章第2節｢敵対的買収と防衛策の効果と弊害(敵対的買収と防衛策の経済学)｣をじっくりと読んでみてください。
参考文献はいろいろとあるのですが、森田果｢企業買収防衛策をめぐる理論状況｣(武井ほか編著『企業買収防衛戦略』209頁以下)、｢ファイナンスから見た企業買収｣(商事法務1728号22-29頁)、田中亘｢敵対的買収に対する防衛策についての覚書｣(民商法雑誌131巻4・5号102-130頁)(本当は後半の方がMETIレポートとの関連では重要なんだけど、いつ出るんだろう？)は、是非読んでみて欲しいところです。
なお、ウォーミング･アップとしては森田助教授からの｢簡単なquiz｣をお薦めいたします。(答えは簡単だけど、explanationをちゃんとつけられるかどうかは別。個人的には3.は、どのレベルで答えればいいのかが難しい(多分、82年かなんかのGilson(だったかな？)の論文の問題意識と同じだと思うのだけど･･･独り言)
次に弁護士や法学部・ロースクールの学生さんで、会社法を勉強している方は、次の日本法の解釈論について、じっくりと読んでみてください。できれば、あわせて会社法現代化の条文も見ながら、現代化の影響なんていうのも考えてみるといいかも知れません。
段々マニアックになってきますが、米国における敵対的買収の状況に詳しい方は、第3章第2節｢米国における敵対的買収防衛策｣の部分は注目です。同様にヨーロッパの状況に詳しい方は、第1節｢欧州における敵対的買収に関するルール｣ですが･･･どちらも、意外なことに、なかなかツッコミ甲斐のあることが書いていたりします。(間違っているという意味ではなく、解釈の多様性の中で、違う立場による見方を指摘し得るという意味ですけど)
結論にダイレクトに影響しないと言われればそれまでですが、やはり海外の状況に対する基礎的な理解の部分で専門の方の多様な意見が寄せられることが期待されるところです。
というあたりで、マニアックな方は私のブログなんか見なくても、マニアックに楽しめると思うので、次回以降は余りマニアックではない方がパブコメを楽しむ手引きとして、必修(?)項目の部分について、少し入っていこうかなと思っています。
Posted by 47th : | 01:39 PM
