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ぐらみんとモーソー

日本では朝型の人がそろそろ活動を始める時間だよねと思って、Bloglinesをチェックしていたら、ろじゃあさんのところが更新されているのを発見(・・・しかも2件!)
まずは星新一と環境問題を重ねる相変わらずの軽妙さに敬服しながら、NGOによる子供開発銀行・・・マイクロファイナンスと金融業の社会的責任という重そうなエントリーを読んでいると・・・ぐらみんの話が・・・
Book_061605.jpg ぐらみんについては、私がちょこちょこ書くよりも「ムハマド・ユヌス自伝―貧困なき世界をめざす銀行家」を読んでもらうのがいいような気がします。何せ自伝なんで、何割かの美化は入っているのでしょうが、それにしても、もう何年前になるのか分かりませんが、私にとっては「泣ける」本でした。
いろんなエッセンスがあるのですが、ユヌスさんは貧困にあえぐ人たちに高利で金を貸し付けます。貧しい人に高利貸しをするなんて、とんでもないという発想に対して、ユヌスさんは、「女性が高利で借りて、元本と利子を返済するために買い入れた原料に手を加えて付加価値をつけて売る。そして、元本と利息を返したときに、女性たちは自分たちが単に社会の重荷や男性に従うための存在ではなく、何かをやり遂げられる存在なんだという自信を持てるようになる。それが貧困からの脱出の一歩なんだ」と説明してくれます(何せ昔読んだ本なので、かなり意訳してしまっているかも知れませんが・・・)。
理想論に聞こえるかも知れませんけど、この中には「経済」とか「お金儲け」に対する本当に深い洞察があるような気がしますし、この発想を持つためには、多分、銀行家として富裕層も相手にした経済活動にどっぷり漬かっていないとできなかったような気がします。
企業法務の弁護士をやっていると、ときどき「知的好奇心を満たすから楽しいけど、これでいいのかな?」という後ろめたさみたいなものを感じるときがあります。そのときに、「ぐらみんみたいに、この分野をつきつめることで、きっと見えてくるものがあるんだ」というモーソーが、ひそかな救いになっていたりするんですよね・・・


Posted by 47th : | 07:17 PM

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» 国際貢献・・・「ぐりとぐら」じゃなくて? from にょぶろ!レッドロックスの風を見よ!(マイルハイ・クィーンシティから見た風景)
ろじゃあさんと47thさんがグラミンバンクのお話をされていた。http://ro [続きを読む]

トラックバック時刻: June 17, 2005 02:41 AM

» ムハマド・ユヌス(銀行家) from 出世魚王
私たちはみなそれぞれ内側に隠されたものを持っている。 それを捜し求める機会が十分にないだけなのだ。 自分の可能性限界まで試すことができる環境を作... [続きを読む]

トラックバック時刻: August 29, 2005 09:56 PM

コメント

47thさんへ
「47thさんは私だ!」(脊髄反射的で意味も相当違うと思うんですが「ボリヴァー夫人は私だ」というフレーズからこれが・・・)。
ろじゃあは、安心しました。企業法務、渉外法務をやってる弁護士さんに、こういう考え方に共感できる人がどのぐらいいるか・・・とずっと思ってきたんですけど、今の若い人も捨てたんもんじゃない・・・(←何歳だと思ってんじゃ)と思えるきっかけになりそうです。ちょっと時間がないので、また夜中かその「延長上」の朝だなあ(^^;)。どうもありがとうございました。

Posted by ろじゃあ : June 16, 2005 09:59 PM

>ろじゃあさん
私はしょせんモーソーどまりですが、私の知っている人はモーソーを現実にしています。モーソーは易し、行うは難しで、捨てたもんじゃないと思ってもらえるには、ちょこっとでもいいからモーソーを現実化するようにしないと(汗)
こちらこそ久しぶりにグラミンの話しを思い出させて頂き、ありがとうございました^^

Posted by 47th : June 17, 2005 12:21 AM

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